貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

古径は、垢を払拭す?

2019-03-08 08:42:13 | 日記

古径は、垢を払拭す?

平成31年3月8日(金)

 今朝は、久し振りの快晴!

 やはり清々しい!

 さて、福井市の永平寺。

 今回は、正門の一対の石柱に

注目。

 向かって右の石柱には

「杓底一残水(しゃくていいちざんすい)」 、

左の石柱には、

「汲流千億人(流れを汲む千億の人」

と彫られている。

 調べると、永平寺の第七十三世住職

、熊澤泰禅禅師が作られた四句から

なる五言詩の後ろ二句を刻んだもの。

 この漢詩の前二句は、「正門当宇宙」

「古道絶紅塵」と詠まれている。

 最初から順に読むと、

「正門は宇宙にあたる。

 古道は紅塵を絶す。

 杓底の一残水(しゃくていいちざんすい)

流れを汲む千億の人」となる。

 それは、「正門は人知をこえた

真理の世界、すなわち仏の教えの

入り口である。

 道元禅師が教えられた。

そして古人が歩んでこられた道(教え)は

人間の様々な心の垢を除き去って

くれる。

 柄杓で汲んだ水で手を洗い、

そして、柄杓の底に残った水を

川へ還されたという道元禅師。

 その風を慕い、多くの人が

また永平寺の門をくぐって

その教えを汲む。

 永平寺の境内には川が豊富に

流れていて、年中絶えることがない。

 かつて食べ物やその他のものが

十分になかった頃でも、水が不足

することはなかった。

 そのいくらでもある水でさえ

粗末にしてはいけない、

大切にするように。」

という道元禅師の教えを意味する。

 今も「吉祥閣五訓」として英々と

受け継がれている。

 「私」ではなく、「われら」なのだ。

 芭蕉は、『奥の細道』では、

「五十丁山に入りて礼す。

道元禅師の御寺なり。

邦畿千里を避けて、かかる山陰に

跡を残し給ふも、貴きゆゑあり

とかや。」

と記している。

 山頭火の句碑がある。

「生死の中の雪 降りしきる」 。 

 やはり山頭火は鋭い!

 座禅修行の真っ最中で、参拝する

ことができない所も多かったが、

建物とともに言葉の重み、

心身とも震撼を覚ゆひとときを

過ごす。