今日の山田詠美作品は、'88年に出された「ひざまずいて足をお舐め」です。題名から分かるとおり、舞台はSMクラブです。
お姉さんとよばれる女性と「ちか」と呼ばれる女性の会話が大半を占めるのですが、「ちか」は、最初に書いた小説が新人賞を取り、SMクラブの女王を職業としているということで、マスコミに騒がれ、黒人とその息子と同居しているのですが、直木賞と思われる賞の候補になった直後に、その黒人の恋人が逮捕されるということで、またマスコミに非難され、直木賞を取った途端にマスコミが打って変って好意的になる、という出来事も折り込まれています。皆さんもお分かりだと思いますが、この「ちか」という娘、作者の分身ですね。
冒頭では、SMクラブの女王様と奴隷の客の描写があったりするのですが、その後はほとんど二人の女性の会話だけで進んで行きます。結構長い小説なので、一気に読める量ではなく、ところどころ解釈に苦しむところもありますが、それ以外は難しい表現もなく、素直に読めました。
あとがきで、詠美さんは編集の担当者に「私の原稿を待ち続けた明け方、ファクシミリで原稿の代わりに届けられた私のメッセージ『ごめんなさい。才能がなくなりました』に涙した伊藤さん」と書いていて、結構修羅場を乗り越えて書かれた小説だったことが分かります。初の長篇小説に挑んだ詠美さん、そして編集者の方の苦労が忍ばれます。ただ、単純に読んでいる限り、そんなことはまったく感じさせません。私が鈍感なのかもしれませんが‥‥。
面白い長編小説に挑戦したい方、オススメです。
お姉さんとよばれる女性と「ちか」と呼ばれる女性の会話が大半を占めるのですが、「ちか」は、最初に書いた小説が新人賞を取り、SMクラブの女王を職業としているということで、マスコミに騒がれ、黒人とその息子と同居しているのですが、直木賞と思われる賞の候補になった直後に、その黒人の恋人が逮捕されるということで、またマスコミに非難され、直木賞を取った途端にマスコミが打って変って好意的になる、という出来事も折り込まれています。皆さんもお分かりだと思いますが、この「ちか」という娘、作者の分身ですね。
冒頭では、SMクラブの女王様と奴隷の客の描写があったりするのですが、その後はほとんど二人の女性の会話だけで進んで行きます。結構長い小説なので、一気に読める量ではなく、ところどころ解釈に苦しむところもありますが、それ以外は難しい表現もなく、素直に読めました。
あとがきで、詠美さんは編集の担当者に「私の原稿を待ち続けた明け方、ファクシミリで原稿の代わりに届けられた私のメッセージ『ごめんなさい。才能がなくなりました』に涙した伊藤さん」と書いていて、結構修羅場を乗り越えて書かれた小説だったことが分かります。初の長篇小説に挑んだ詠美さん、そして編集者の方の苦労が忍ばれます。ただ、単純に読んでいる限り、そんなことはまったく感じさせません。私が鈍感なのかもしれませんが‥‥。
面白い長編小説に挑戦したい方、オススメです。
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