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ペドロ・コスタ監督『ヴァンダの部屋』

2010-03-15 18:59:00 | ノンジャンル
 蓮實重彦先生が本「映画崩壊前夜」の中で絶賛していた、ペドロ・コスタ監督の'00年作品「ヴァンダの部屋」をDVDで見ました。
 リスボンの移民街と呼ばれる貧民窟。迷路のような路地が走り、再開発のためか重機が入って取り壊しが始まっています。若い女性のヴァンダは自分の部屋のベッドの上で一日を過ごし、その大半をヘロインを吸って生活しています。たまに野菜を箱に乗せて路上で売ろうとしますが、すぐにあきらめて酒場で酒を飲んでしまいます。しつこい咳と時によりくしゃみや嘔吐に苦しみますが、ヘロインを止めようとはしません。そんな彼女の部屋には同じ街に暮らし、やはり物の訪問販売で金を得ている仲間が度々訪ねてきます。そして重機が彼女の部屋にも迫ってくるのでした。
 3時間に迫る長さの映画ですが、すべてのショットが固定カメラの長回しで、しかもほとんどのショットが闇に沈み、極端だとタバコの火やロウソクの火しか見えず、真っ暗な画面の中で会話だけが聞こえて来るという他に類を見ないシーンが多く見られました。ストーリーらしいストーリーもなく淡々と登場人物の日常を追うという非常に変わった映画でした。長回しのショットが好きな方にはオススメかも。

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