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小池昌代『タタド』

2008-06-10 18:39:09 | ノンジャンル
 前から欲しかった「ウルトラマン」のDVD全10巻が3万円を切る値段でネットオークションで出ていたので入手しました。第一話と第二話を見たのですが、全然古びてなくて、かえって小学生時代には分からなかった演出のきめの細やかさなどに気付かされ、出来の良さに感心しました。ウルトラマンおたくがいるのもうなずける、そんなレベルの高さでした。「ウルトラマン」をまだ見ていない方、オススメです!

 さて、年末、朝日新聞の別冊「2007年 心の残った一冊」の対談で名前が上がっていた小池昌代さんの「タタド」を読みました。3編の短編からなる本です。
 第一話「タタド」は、女優のタマヨが聞き手になって各界の有名人をインタビューする番組を作っている夫が週末に妻と過ごす海辺の家にタマヨを招き、妻も知り合いのオカダを招きます。日中を浜辺で過ごし、夕食に庭の夏みかんも食べ、暴風雨となったので、2人は泊まり、翌日の朝食の後、妻が重い歌声のCDをかけると、タマヨとオカダが身体を密着させて踊り始め、夫婦も同じように踊り、妻の命令で組み合わせを変えると、タマヨと夫が寝室に移動しセックスを始め、妻はオカダをソファに誘い、こちらもセックスを始める、という話。
 第二話「波を待って」は、3年前から波乗りの虜となった夫と、息子を浜辺で遊ばせながら海を怖がる私。夕暮れになっても帰ってこない夫を心配していると、夫が沖で救助されたという知らせを受け、海の家で待っているが、夫を乗せた船がなかなかこない、という話。
 第三話「45文字」は、ハローワークの帰りだった緒方は、中3の時にクラスメートだった横山に出会い、会社を起こしたばかりで寝る暇もない横山に泊まり込みで編集の仕事を頼まれます。美術全集の絵に45文字以内でキャプションをつける仕事で、すぐにコツを掴み、日常生活の風景にもキャプションをつけ始めます。中3の陸上大会で補欠になった緒方に「今日は、お尻をあたためているのね」と声をかけてくれたサクラダと横山は最近結婚していて、家の中に閉じこもりっぱなしで外の空気を吸おうと、サクラダを誘って夜の町を走ります。緒方は陸上大会の時に声をかけてくれてありがとう、と言い、もっと先へ走って行くサクラダの後ろ姿のキャプションを考えましたが、明らかに45文字を超えていました。

 まず、何を伝えたくて書いているのかが、分かりません。第三話は話としてはちょっと面白かったのですが、それは意味不明の文章がほとんどなかったからで、最初の2話は、意味不明の文章が多く、登場人物の気持ちが少しも伝わってきませんでした。この小説は川端康成文学賞を受賞したそうですが、芥川賞とともに、私とは相性が悪い賞のようです。訳の分からない小説を読んでみたい方には、オススメです。

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