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ハワード・ホークス監督『僕は戦争花嫁』&『虎鮫(タイガーシャーク)』&『人生模様』

2019-11-26 06:25:00 | ノンジャンル
 渋谷のシネマヴェーラで、ハワード・ホークス監督の1949年作品『僕は戦争花嫁』を観ました。フランスの将校ケーリー・グラントが最後の任務としてドイツへレンズの製作者を呼びに行くことになるのですが、その際同行を命じられたアメリカ軍の女性将校アン・シェリダンとの珍道中と相成り、その結果、二人は結婚することを決意します。しかし結婚の初夜、アン・シェリダンに帰国命令が発令され、ケーリー・グラントはアメリカ軍人の「花嫁」としてアメリカに渡ろうとします。以下、山田宏一さんが「ハワード・ホークス映画読本」に乗せた文章から転載させていただくと、「ケーリー・グラントが「LADIES」というドアのプレートの文字を陸軍労働局とかそういった部署の略称だと思いこんでイニシャルの誤解に一所懸命になっていると……という冒頭のばかばかしさからホークス的男女逆転喜劇なのだが、馬の尻尾をかつらのように付け毛というか添え髪にして女装させられたケーリー・グラントがハイヒールをはいて、ストッキングのずれを直すために屈みこむと、それを見た水兵たちが口笛を吹くに至って、ナンセンスもここにきわまれりといった倒錯的なジョークが炸裂する。」

 またやはり渋谷のシネマヴェーラで、ハワード・ホークス監督の1932年作品『虎鮫(タイガーシャーク)』も観ました。ジェームズ・キャグニーとならぶギャング映画の大スターだったエドワード・G・ロビンソンを主役にした海洋アクションで、鮫に片手を食いちぎられて鉤爪の義手を付けた強面のロビンソンの片耳にイヤリングのようなコイン状のピースを付けさせ、両足も鮫に食われ、死んでいく愛に見放された素朴なあらくれ男を演じさせる━━『バーバリ・コースト』のように。そんな映画でした。(以上、山田宏一さんの『ハワード・ホークス映画読本』から一部を転載させていただき、改変させていただきました。)

 またやはり渋谷のシネマヴェーラで、1952年作品『人生模様』も観ました。O・ヘンリーの5つの短篇からなるオムニバス映画で、冬を刑務所で越すため警官に捕まるように次々と罪を重ねるもなかなか警官に捕まらず、最後に夜の教会に行き、そこで「気持ちを入れ替えて、ちゃんと仕事をしよう」と思い立ったところを警官に捕まり、浮浪罪で3ヵ月の有罪になってしまう男(チャールズ・ロートン)を描いたヘンリー・コスター監督の『警官と賛美歌』。幼馴染の強盗殺人で追われている男(リチャード・ウィドマーク)が事件現場に落としていったペンで、それが彼の仕業だと分かる刑事。しかし刑事は以前賭博にはまっていた時に空手形を書き、そのとき男から借金をして、それをまだ返していないので自分を逮捕できないとうそぶく男。刑事は必至にお金を集めるものの、男は一切を返すかゼロかどちらかだと迫り、刑事はたまたま新聞紙に載っていた「情報提供者に1万ドル」という記事を読んで男を逮捕するに至る様子を描いた、ヘンリー・ハサウェイ監督の『クラリオン・コール新聞』。O・ヘンリーの短篇では一番有名だと思われる『最後の一葉』を撮ったジーン・ネグレスコの作品。そして、二人の詐欺師が新たな詐欺を働く資金を作るため、老保安官の10歳の男の子を誘拐するものの、ナイフを操り、インディアン遊びを二人に強要し、約束を裏切ると、夜に山の方から点々と餌を置いていくことでクマを寝ている二人の上に導き、ほんとに何をするか分からない危険な子どもにほとほと疲れ果てた二人は、「250ドル渡せば引き取っていい」という老保安官のところへ行き、お金を払うというハワード・ホークス監督の『赤い酋長の身代金』。そしてこれも有名な短篇ですが、若い夫婦がクリスマスプレゼントを買うのですが、夫は妻の美しい長い髪に映えるような美しいかんざしを、父からもらった金時計を売って買い、妻は夫の金時計を飾るプラチナ製の飾りを、自分の髪を切って、それで得た金で買うという話で、ホークスの短篇が断然面白いのはもう誰が見たってそうなのですが、私は『キリマンジャロの雪』や『慕情』で知られるヘンリー・キング監督の『賢者の贈り物』で、短髪になった自分の姿を鏡で見て驚き、何とか髪の毛にカールをかけて、「これでも好きでいてくれるかしら」と気を揉む妻(ジーン・クレイン)と、お互いの贈り物を知り、妻にやさしく対応する夫(ファーリー・グレンジャー、ヒッチコックの『見知らぬ乗客』でおなじみの俳優さんです)を見て、涙が止まらなくなってしまいました。今後はヘンリー・キングの映画も観ていかねばと思った次第です。

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