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クリスロファー・ロイド『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』

2013-02-27 08:49:00 | ノンジャンル
 久しぶりにクリント・イーストウッド監督・共同製作・音楽の'04年作品『ミリオンダラー・ベイビー』をWOWOWシネマで再見しました。以前に見た時には否定的な感想を述べていたようですが、今回は“安楽死”という問題を肯定的に描いた映画として見ることができました。

 さて、朝日新聞で紹介されていた、クリスロファー・ロイド著の'08年作品『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』を読みました。東日本大震災の記述もあるので、後に加筆修正されたようです。
 全体が4部に分かれていて、さらに42の章に分かれています。第1部「母なる自然」(137億年前~700万年前)は「1 ビッグバンと宇宙の誕生」「2 生命はどこからきたか」「3 地球と生命体のチームワーク」「4 化石という手がかり」「5 海は生命の源」「6 生物の協力体制」「7 進化の実験場」「 8 恐竜戦争」「9 花と鳥とミツバチ」「10 哺乳類の繁栄」、第2部「ホモ・サピエンス」(700万年前~紀元前5000年)は「11 冷蔵庫になった地球」「12 二足歩行と脳」「13 心の誕生」「14 人類の大躍進」「15 狩猟採集民の暮らし」「16 大型哺乳類の大量絶滅」「17 農耕牧畜の開始」、第3部「文明の夜明け」(紀元前5000年~西暦570年ごろ)は「18 文字の発明 シュメール文明」「19 王は神の化身 エジプト文明」「20 母なる大地の神 インダス文明、巨石文明、ミノア文明」「21 金属、馬、車輪」「22 中国文明の誕生」「23 仏教を生んだインドの文明」「24 オリエントの戦争」「25 ギリシア都市国家の繁栄」「26 覇者が広めたヘレニズム」「27 ローマ帝国の繁栄と衰退」「28 先住民の精霊信仰」「29 コロンブス以前の南北アメリカ」、第4部「グローバル化」(西暦570年~現在)は「30 イスラームの成立と拡大」「31 紙、印刷術、火薬」「32 中世ヨーロッパの苦悩」「33 富を求めて」「34 大航海時代と中南米の征服者たち」「35 新大陸の農作物がヨーロッパを変えた」「36 生態系の激変」「37 ヨーロッパ人は敵か味方か」「38 自由がもたらした争い」「39 人類を変えたテクノロジー」「40 白人による植民地獲得戦争」「41 資本主義への反動」「42 世界はどこへ向かうのか?」となっています。
 ジャレド・ダイヤモンドの『銃・病原菌・鉄』を読んでいたので、既知の知識が多かったのですが、それでも忘れていたか、新たに知ったこともあり、例えば、狩猟採集民は自由気ままな生活を謳歌していたこと、人類が銅や青銅や鉄といった金属で武器を作りはじめるまで、人類の歴史には戦争や残虐な行為の形跡はほとんど残されていないこと、アフリカのタンザニアの奥地にいたハザ族は、侵略してきた農民や町の住民とは戦おうとはせず、豊かな狩り場を手放し、いばらが生い茂る小さな森に引きこもってしまったこと(トルストイの『イワンの馬鹿』を彷佛とさせるエピソードです)、人類の最初の争いは相続争いであったこと、それを最初に解決するために法律が作られ、その第1号がハンムラビ法典だったこと、仏教と同時に発生したジャイナ教は非暴力、他の宗教に対する寛容さ、自然を敬う姿勢を持っていたこと、アフリカから供給された奴隷はアフリカ人の族長が捕えた敵の部族の人々だったこと、今日生産される毛皮の80%は飼育動物のものであること、ハイチはアメリカ合衆国に次いで、世界で2番目に植民地支配から解放された国であること、中南米の国々は19世紀の前半に独立していること、アメリカ初の配電システムを構築したのはエジソンであること、グローバリゼイション・第三世界の貧困・富の不平等な配分・社会の崩壊・消費への執着・天然資源の搾取による環境破壊などの問題はマルクスの時代から議論されていたことなどがそうでした。
 細かなエピソードや、その事実を知るに至ったエピソードなども書かれていて、退屈せずに全480ページ近くの大著を読み通すことができました。イラストや写真も多く含まれていて、著者が自分の子供のために書いたというのもうなずける本でした。

 →Nature LIfe(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

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