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川上未映子『夏の入り口、模様の出口』その1

2011-09-22 06:37:00 | ノンジャンル
 川上未映子さんの'10年作品『夏の入り口、模様の出口』を読みました。『週刊新潮』の'09年5月7・14日号から'10年4月15日号までに『オモロマンティック・ボム!』の題で掲載されたエッセイを収録した本です。
 あとがきをそのまま引用させていただくと、「連載しませんか、とはじめにご依頼いただいたのはじっさいの開始時期から1年ほどまえで、そのころのわたしは書いていた長い小説のめどがまったく立たず、いったんお引き受けはしたもののなにもかもが停滞の一途をたどる日々、だんだんに心細くなること際限なく、こんな状態で週刊誌の連載なんて初めて&大きな仕事、よく考えたらできるわけないよ、やっぱり一度、白紙にしてもらうよりほかないと決心して陳謝するつもりで暗い頭と鉛のような体をひきずって、2回目の打ち合わせにでかけました。(中略)なんとか話を終え、よし、ご迷惑かけちゃったけどいまのでちゃんと伝わったな! とほっと息をついたらば、そのすぐあとに両氏(当時の編集長だった早川さんと単行本の担当者である矢代さん)は引きつづき満面の笑みでもってさらに深くうなずきながら『‥‥で、開始時期についてなんですけれど、ゴールデンウィークからだと区切りがよくていいですね』。わ、わたしのいまの話は、とつっこむ余地もないまま『この黙殺感‥‥。大人って、編集者って、すごいのな』とぶるぶる震えながら、なにも言えなくなっちゃって『では原稿お待ちしています(にっこり)』ということになって、解決というか終了というか、その場をあとにしたのでした。(中略)さんざん迷ったあげく、もうこうなったら面白いのとロマンティックなのと爆発が一緒になった感じでそのまま『オモロマンティック・ボム!』でいいじゃん、というわけで連載の通しタイトルは決まったのですが、単行本化にあたってはなんでかまたべつの詩情がむくむくと頭をもたげ、初夏に刊行ということもあり、そうするとどうしても『夏』という言葉を入れたくなってしまって、収録されているエッセイのひとつのタイトルでもある『夏の入り口、模様の出口』という名前になりました。『夏はわかるけど、模様ってなんだよ』と思われるかたもいらっしゃるかもしれませんが、ああ、なにかの模様なんだな、ぐらいでどうかひとつ、お願いします。わたしが生きてきたこれまでと同様に深い意味なんてほとんどないのですけれど、しかし思ってみれば見てもさわっても、世界は模様だらけでありますね。世界に出口は、あるでしょうか。」この後、中瀬ゆかりさんや他の関係者の方々、そして読者への謝辞が連なって書かれています。さて、具体的な内容に関してですが‥‥。(明日へ続きます)

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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