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斎藤美奈子さんのコラム・その63&前川喜平さんのコラム・その24

2020-07-26 20:55:00 | ノンジャンル
恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。

 まず7月8日に掲載された「コロナの記憶」と題された、斎藤さんのコラムを全文転載させていただくと、
「カミュ『ペスト』(宮崎嶺雄訳・新潮文庫)が増刷に増刷を重ねて、ついに160万部を突破しそうだ。そりゃそうだね。これ1947年の小説だけど、今年のことが書いてあるからね。
 それと、デフォー『ペストの記憶』(武田将明訳・研究社)も今年のことを書いた本ですね。ちなみに『ペスト』(平井正穂訳・中公文庫)も原著は同じ。デフォーは『ロビンソン・クルーソー』の作家でこれは1922年の本だけど、なんでそんな昔に今年のことがわかったんだろう。
 想像するにきっと誰かが未来のために記録を残していたんだろうね。
 ペストじゃなくてコロナはないの? はい、あります。『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』(左右社)。これは正真正銘今年の本で、60種77人の4月の日記が収録されている。
 「お婆(ばあ)さん。今日も納豆、入荷しますからね」(ミニスーパーの店員さん)。「怖いからと言ってごみの回収を止める訳にはいかない」(ごみ清掃員)。「お葬式ができるって、ありがたいね」(葬儀社スタッフ)。「こんな絵が少しでも役に立てるなるのならと」(漫画家)。「また“哀(かな)しい人”が出てくる映画を作りたい」(映画監督)、
 いつか『コロナの記憶』が書かれる日が来たら、きっと貴重な一次資料になるだろう。読むだけで泣きそうだよ。今年すぎて。」

 また7月5日に掲載された「ヘイトスピーチ禁止条例」と題された前川さんのコラム。
「全国で初めてヘイトスピーチに刑事罰を科す川崎市の「差別のない人権尊重のまちづくり条例」が、7月1日全面施行された。6月28日本紙によれば、自民党の元参議院議員、斎藤文夫氏(91)が「コリアンだって長年苦労を共にし、地域の発展を支えてきた川崎市民だ」と、条例制定に向けて自民党市議らへの根回しに奔走したという。斎藤氏が日本会議にも属する保守政治家にもかかわらず、反ヘイトの信念を持っていることは注目に値する。
 大阪地裁堺支部は7月2日、岸和田市の不動産会社「フジ住宅」社内での「在日は死ねよ」などのヘイトスピーチ文書配布は違法だとする在日韓国人従業員の訴えを認め、同社と会長に損害賠償を命じる判決を下した。
 刑事でも民事でも、ヘイトスピーチの違法性は、こうした条例や判例によって明確化されてきた。しかし、国のヘイトスピーチ解消法は理念法にとどまっている。では、東京都ではどうか。
 6月27日にインターネット番組で行われた都知事選候補者の討論会で、罰則付きヘイトスピーチ禁止条例の制定を目指すかと問われ、宇都宮健児候補と山本太郎候補は「〇」と答えたが、小池百合子候補と小野泰輔候補は「×」と答えた。
 反ヘイトに右も左もない。小池氏は保守の先輩である斎藤氏に教えを請うべきだろう。」

 そして7月26日に掲載された「少人数学級とゆとり教育」と題された前川さんのコラム。
「安倍晋三首相の強い思い付きで始まった一斉休校は、日本中の子どもたちにとって大変な災難だった。学校は順次再開したが、子どもたちの受難はまだ続いている。
 「密」を避けるため、子どもたちは互いの間隔を空けなければならない。給食は黙って食べる。音楽では合唱ができない。フェースシールドを着用させられる子どももいる。
 学習の遅れを取り戻すため、一日七時間授業、土曜授業、夏休みの短縮、修学旅行の中止など、子どもたちはゆとりも楽しさもない。窮屈な学校生活を強いられている。このままでは不登校が激増するだろう。
 分散登校では、少人数のおかげで一人一人に目が届く丁寧な授業ができたという。だったら、これを新たな日常にすればいい。19日の本紙が紹介した市民団体の試算では、二十人学級実現に必要な予算額は約1兆円だという。二次補正の予備費の1割だ。財政的に不可能な数字ではない。
 授業時間は柔軟に考えよう。授業時間を大幅に増やした新学習指導要領で、今年の小学校6年生は年間1015時間の授業を受けることになっている。2010年度までの「ゆとり教育」では年間945時間だった。だったら、この授業時数を目安にすればいい。
 少人数学級とゆとり教育で、子どもたちはかなり救われるだろう。」

 どれも一読に値する文章でした。

 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

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