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高野秀行『腰痛探検家』

2011-01-24 06:08:00 | ノンジャンル
 高野秀行さんの'10年作品『腰痛探検家』を読みました。ひどい腰痛に襲われるようになった著者が、その腰痛を治すために試行錯誤するノンフィクションです。
 先ず、人に推薦された目黒の接骨院(一回につき6千円も取られる)に通うも効果なく、すぐ近所にある接骨院に行くも結果は同じ。そして、やはり人づてに聞いた新宿の歌舞伎町にあるカリスマ治療院に通い、それでも効果が出ないと、ついに物理的な問題があるのではと疑って、有名な整形外科クリニックを訪ね、引き続き行った神奈川の整形の名医には大手術が必要だと言われてしまいます。そこで妻からの助言にしたがい、理学療法を取り入れたPNF研究所に通い、筋力を鍛練し、それでも効果がないと、自分の飼い犬の掛り付けの医者で、鍼灸で見事に動物も人間も治してしまうという医院に通い、その後、心因性について診断してもらおうと専門医を訪ねると、大量の薬を処方されて、日常生活も送られなくなり、最後には自棄を起こして、薬を全部捨ててしまい、プールでめちゃくちゃ泳ぎ続けた結果、結局腰痛は収まり、生活も元通りになっていきます。
 腰痛を治す奮闘記というだけで250ページを越える本を一冊書いてしまうということに先ず驚き、またそれが読んで面白いということに二度驚くといった感じでした。私も腰痛持ちで、最初に通ったのが妹に紹介された目黒の接骨医(一回1万円!)だったことや、いろんなところへ通い続けたことも同じだったので、余計興味深く読めたのかもしれません。逆に腰痛持ちでない方でも楽しく読める本だと思います。気軽に読める本をお探しの方には特にオススメです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)

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