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早川いくを『続 取るに足らない事件』

2009-09-27 15:22:00 | ノンジャンル
 早川いくをさんの'08年作品「続 取るに足らない事件」を読みました。終戦直後の新聞から珍妙な事件の記事を集めて作られた本です。
 章立ては、なさけない犯罪の数々を紹介した「この小さき者たち」、なぜそんなことしたのかという「どしてそゆことするのかな」、エロをめぐる事件を集めた「エロの迷ひ道」、詐欺事件を紹介した「舌先三寸の男たち」、幼児性まるだしな「おとなげない人びと」、老人が起こした犯罪である「悪のお年寄り」、記事としての扱いがそっけない「そっけないじゃありませんか」、その題名通りの「良ひお巡りさん悪ひお巡りさん」、意外な犯人だった「捕らへてみればアラびっくり」、聞くに悲しい事件を集めた「悲しみよこんにちは」、美談を紹介した「人の世に情けあり」で、「犯罪ちょっといい話」と題された小特集では犯罪者が自らにつけた珍妙なニックネーム、ルパンを名乗った犯罪者たち、京都で開かれた「警察展」、戦後初めて現れた婦人警官が取り上げられ、章外として終戦直後のエロ風俗を詳述した「爆発するエロ」が掲載されています。面白かったのは、かっぱらいの犯人を「銀座マン」100人が一斉包囲し犯人が泣き出してしまった事件、幼児をだまし衣服をだまし取る「ハギトリ」という犯罪がはやり、風呂に入っていけと言ってデパートの中で5、6人の小学生からハギトリをした事件、選挙中に演説する候補者に「ホコリがたくさんついている」と言ってハタキをかけた事件、「恋人になれ、ならぬと今年中に何とかする」と脅迫状を送った事件、壁に「黒ルパン、ルルパン」と書き残して窃盗を行った事件、女性の職業によって結婚を警察が認めない制度が存在したこと、少女を交番に連れこみ強姦する警官や、人妻を強姦しようとして射殺してしまう警官、情婦の堕胎費用に窮して相手を射殺してしまう警官がいたこと、警察展で毒婦と呼ばれた女性の「変態性欲者陰部ホルマリン標本」、首吊り死体のミイラ、轢死体生首のアルコール漬け、一家六人惨殺事件犯人の頭部などがデパートの催事場で展示されたこと、全国紙にストリップの広告が堂々と掲載されていたことなどです。
 いくつかのものを除いて、前作と同じくインパクトに欠けた事件が多く、著者のユーモラスな筆力によってなんとか最後まで読めたような気がします。暇つぶしをしたい方にはオススメです。

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