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ルイス・ブニュエル監督『銀河』

2009-09-26 15:57:00 | ノンジャンル
 スカパー260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、ルイス・ブニュエル監督の'68年作品「銀河」を再見しました。
 ヒッチハイクしようとする若者と初老の男の巡礼者は謎めいた紳士に出会い、これから訪れる町で子供を作り自分の言う名前を付けるように言われます。しばらく行くと無言で血痕のついた少年が道端に座っていて彼らのために車を止めてくれますが、彼らが神に感謝の言葉を言うとドライバーを彼らに降りろと言います。次に訪れた食堂では神に懐疑的な警官に飲み物をひっかけた神父が精神病院に連れていかれます。二人が野宿すると未知の言語で男に話しかけられ、森の中ではその言葉を話す大勢の男女が秘密の儀式を行っています。無賃乗車してツール駅で降りた二人は、従業員たちが神学問答をしているレストランを経て、野外で行っている学芸会で少女たちが異端の者に呪いあれと連呼するのに立ち至り、場面は一転宗教裁判になります。初老の男の靴が破れ足を痛め、ヒッチハイクで止まらない車に若者が「死ね」と言うと、車は事故を起こしドライバーは死にますが、そこへ男が現れ死者の靴を使うように言います。やがて修道女が磔の業を行っている礼拝堂に至ると、宗派の異なる貴族の決闘の立ち合いをするように頼まれますが、彼らは知らぬ間に仲良くなっていました。山中で彼らにロバと荷物を預けた二人の男は、町中で絞首刑が行われ聖者のミイラも火刑に処せられている町に戻り、人々の前で異端の説を叫び追われますが、夜聖母マリアが現れ二人とも信仰を得ます。巡礼者たちと宿で合流すると、司祭が聖母の逸話を披露します。宿の主人は男たちに夜誰も部屋の中に入れないように言いますが、男たちの部屋にはいつの間にか若い女性と読書する男性が現れ、再び現れた司祭は部屋に入れてもらえず扉の外から聖母の話の続きをします。巡礼者はやっと目的地に到着しますが、道端の車の中の女(デルフィーヌ・セイリグ)から聖者の遺体が偽者だと分かって巡礼に誰も来なくなったと聞き、女の誘いに応じて森の中に入っていきます。すれ違った盲人二人はイエスの一団に出会い、目が見えるようにしてもらいます。そして最後にこの映画のキリスト教をめぐるセリフはすべて歴史上実在するものから取られたことが字幕で示されるのでした。
 後の「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」や「自由の幻想」のように、脈絡もない不思議なエピソードが次々に出て来る映画で、楽しめました。BGMがまったくないのが新鮮で、これも魅力の一つとなっていると思います。映画好きの方にはオススメです。

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