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鈴木則文監督『関東テキヤ一家 喧嘩仁義(ごろめんつう)』

2013-06-26 07:10:00 | ノンジャンル
 先日、WOWOWプライムで『平成中村座“法界坊 串田劇場”』を見ました。ついこの間亡くなった中村勘三郎さんが主役の法界坊を演じた舞台でしたが、コミカルな法界坊が最後には自分の欲望のままに残虐な殺人を犯し、ラスト、殺した娘と殺された自分とが一体となって化け物化するという見せ場があり、おどろおどろしく終わるという見事な舞台でした。一体、原作のラストはどうなっていたのでしょうか? もし原作でもラストの化け物が出て来るようでしたら、すごい傑作だと思いました。

 さて、鈴木則文監督・共同脚本の'70年作品『関東テキヤ一家 喧嘩仁義(ごろめんつう)』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 進む新幹線の映像。「旅行けば~♪」と歌いながら小便をする国分(菅原文太)と、「兄貴、あと30分で大阪だがね」と名古屋弁で言うゴロウ(南利明)。駅前で3人の男に拉致されそうになる女性を助けた国分が「大阪着いたら、早速ゴロネンつくか?」と言うと、タイトル。
 拘置所へ国分と兄弟の盃を交わした結城(葉山良二)が迎えにきます。倉成組に草鞋を脱いだ国分。病身の倉成(加藤嘉)は結城に、戎祭の際にテキ屋に渡すネタの手配を任せます。組の金を持ち出そうとして結城に叱られる弟のトオル。トオルは幼い頃、兄の結城がはずみで発射した銃の弾が目に当たり、左目を失明して、未だに兄を恨んでいました。一方、国分はある店に行き、3年前に将来を誓い合ったミチコ(桜町弘子)の写真を見せて、「この店にいたはずだが?」と言いますが、ミチコの行方はようとして知れません。床に落ちたミチコの写真をたまたま踏んだ潮田(梅宮辰夫)は、「気が立っている」と言う国分に殴られますが、潮田も殴り返して、「すまん、俺も気が立ってるんだ」と言います。お互いゴロマキ同士だと認め合う2人‥‥。
 この後、暴力団を率いる社長・石田は、バックにつく的場(天津敏)の指示を受け、組を率いる杉浦とともに、結城が仕入れたネタに、厚生省が不認可としたネタを混ぜて、それを売っていたテキ屋の店を破壊し、不認可の食べ物を客に売った原因を作ったとして、結城に、テキ屋への損害賠償と、不認可の食べ物を食べて治療を受けている客の治療代として、合わせて50万を要求してきます。結城は明日の5時までに用意すると言いますが、銀行から下ろした金をトオルに強奪され、結局約束の時間までに金を作れません。するとそこへ、
岡山の西大寺の裸祭りの庭場に店を出すテキ屋にネタを卸す仕事を代々継いでいる花井(長門勇)が現れ、結城の代わりに50万を出します。石田はもう約束の時間は過ぎている、として金を受け取ろうとしませんが、そこへ現れた的場が花井の顔を立てようと言い出し、石田は50万を受け取ります。
 花井は国分をしばらく預かると言い、結城は今回の不始末の責任を取り、倉成から破門の処分を受けます。結城を岡山に誘う国分。
 的場は花井から西大寺の庭場を奪う計画を立て、裸祭りに来るテキ屋へのネタを花井から強奪し、花井を困らせようとしますが、その悪事が西日本の親分衆が集まる場で暴かれ、計画は頓挫します。結城に殴られ改心したトオルは、的場の女になっていたミチコを逃がしますが、その責任を問われ、石田に暴行を受けます。そこに現れた結城は、トオルの身代わりを買って出ますが、的場は何でも言うことを聞くのなら、花井を殺せと言い、「死ぬのはおんどれたちや」とドスを抜いた結城は、逆に的場らに殺されてしまいます。
 裸祭り当日、人波の中、石田の刺客に襲われる花井。祭りが済むまでジタバタするな、と言っていた花井は息絶え、祭りが終わった後、国分は潮田とともにトラックごと的場の事務所に突っ込み、斬り込みます。国分は杉浦を殺し、潮田は石田を殺し、最後に国分が的場を何回も刺して殺しますが、潮田も死にます。傷ついた体で出て来た国分を迎えるミチコでしたが、2人は抱き合った後、国分は1人その場を去るのでした。

 マキノの『日本侠客伝』シリーズの菅原文太版といった感じで、ストーリーも、悪役が天津敏という点も、大変似ていました。映画から受ける情動といった点でもマキノのシリーズを受け継いでいると思いました。『日本侠客伝』シリーズが好きな方は、より一層楽しめると思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

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