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ジェフリー・ディーヴァー『エンプティ・チェアー』

2007-09-04 15:06:28 | ノンジャンル
 ジェフリー・ディーヴァーの'00年作品「エンプティ・チェア」を読みました。
 機能回復へのわずかな望みを託して、全身マヒの犯罪学者ライムと彼の手足となって働く女性捜査官サックス、看護士のトムはニューヨークを離れ、脊髄損傷手術の最先端を行くノースカロライナの病院へ来ます。そこへ地元の保安官ベルが来て、捜査協力を依頼します。森に囲まれた川のほとりで昆虫学者の異名を持つ16才のギャレットという少年が青年を殺し、女子大生メアリー・ベスを誘拐し森の奥深くに連れていったのですが、その行方を探してほしいという依頼でした。ライムは今回の手術をキャンセルすると6ヶ月待たなければいけないので迷いますが、人命がかかっているということで協力することにします。犯行現場に献花しに行った看護婦のリディアもギャレットに誘拐されます。ライムはサックスをリーダーに地元の保安官補3人をくわえて4人の捜索隊に現場へ行かせ、証拠分析をしながら捜索隊にギャレットを追わせ、監禁場所から脱出したリディアを救出し、ギャレットも逮捕します。が、ギャレット青年を殺してないし、2人の女性に関しては危険な場所から保護しただけだと言いますが、頑としてメアリー・ベスの監禁場所を言いません。サックスは彼の純真な目を見て嘘をつかない子だと判断し、メアリー・ベスの監禁場所を教えてくれれば、留置所から出してあげると言い、彼に手錠をはめて留置所を逃げ出します。この時点でサックスは容疑者を脱獄させた犯罪者となり、保安官たちの敵となり、2人を逮捕するために保安官たちの追跡が始まります。ライムはギャレットが殺人犯だという可能性を考え、サックスも殺されるのでは、と心配します。途中、一旦追い付かれたサックスは間違って保安官補を撃ち殺してしまい、殺人犯にもなってしまいます。ギャレットの罠に翻弄されながら保安官らはライムの助けを得て追跡し、ついにメアリー・ベスのいる小屋に辿り着きますが、そこにはメアリー・ベスの母が出す賞金目当てのならず者カルボーたちも何故かいて、小屋を銃撃し始めます。結局、ギャレットとサックスは逮捕され、メアリー・ベスは救出されます。サックスは留置所に入れられ、刑務所で5~7年を独房で過ごすことになり、ギャレットは青年殺しについての容疑は晴れ、真犯人の捜査をライムが始めます。そして思いもかけない真犯人が浮かび上がって来ます。サックスは助かるのか、そして真犯人は?
 リンカーン・ライム・シリーズの3作目の本作では、初めて舞台がニューヨークから離れ、土地勘のないライムは苦労します。そしてサックスがギャレットと逃げ始めるところから、サックスとライムの知恵比べという面白いシチュエーションになります。保安官側ではルーシーという女性が捜索隊のリーダーとして活躍し、サックスとルーシーとの愛憎関係も楽しめるようになっています。後半になるにしたがって盛り上がって行くストーリーに興奮し、最後のドンデン返しも意表をつくもので、楽しめました。もちろん、最後はディーヴァーお得意のハッピーエンド。読後感は最高です。文句なしにオススメです。詳しい最後までのあらすじを
「Favorite Novels」の「ジェフリー・ディーヴァー」の項に掲載しておきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。
 それにしてもギャレット少年は主食がスナック菓子のようなんですが、こんな食生活でいいのか、ちょっと心配になりました。

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