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山田風太郎『人間臨終図巻?』

2010-12-30 06:14:00 | ノンジャンル
 ジャン=リュック・ゴダール監督の'10年作品『ゴダール・ソシアリズム』を日比谷の東宝シネマで見ました。豪華船で旅する、船長の知り合いの老人と、彼と行動をともにする若い娘が点描されます。港に着くと、豪華船に乗っていたマルセル一家の話に移ります。ガソリンスタンドを営む両親と若い娘、幼い弟の4人。妻は愛人のためにガソリンスタンドを売りたいと言い、娘はスタンドを買いに来た客に目もくれず、バルザックの本を読んだまま「出ていけ、クソ野郎」と言い放ちます。そして最後にはパレスチナ問題に言及し、映画は終わります。豪華船でのディスコにおける音響が、まさに耳を弄する雑音で、今までの映画では聞いたことのない音でした。映像もHDビデオで撮られた、これまた今までの映画では見られなかった画質のもので、興味深く見ました。70才を超えても、ゴダールの映画は進化し続けているようで、その若さには驚くしかありません。意味を度返ししても、この映像と音響を体験することは、なかなかできないと思いました。

 さて、朝日新聞のノンフィクション特集で紹介されていた、山田風太郎さんの'86年作品『人間臨終図巻?』を読みました。10代から55才で死んだ人まで324人の人の死に様を描いた本です。
 政治、社会、文化に至るすべてのジャンルでの有史以後の人物を網羅的に取り上げた力作で、例えば文化で言えば、小説家、詩人、歌人、俳人、俳優、演出家、脚本家、映画監督、画家といったように、また社会であれば、聖人から犯罪者まで清毒取り混ぜて取り上げられている興味深い本でした。有名人ばかりが取り上げられているので、死に様が病死にしても痛ましいものが多く、また刑死もおびただしい数で、その残虐さは風太郎さんの著作ならではといった感じでした。
 こんな人とこんな人が同時代だったという発見もある面白い本です。おどろおどろしいものに興味のある方には特にオススメです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

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