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増村保造『清作の妻』

2006-06-19 16:29:06 | ノンジャンル
 WOWOWで増村保造監督の'65年作品「清作の妻」を見ました。
 大旦那(殿山泰司)の愛人をしていたお兼(若尾文子)は、大旦那が死に村に帰ってきますが、村八分に合います。一時除隊で村に帰ってきた清作(田村高廣)は村のヒーローとして凱旋しますが、お兼の不憫な境遇に同情し、やがて男女の仲になります。
 そして日露戦争が勃発し、清作は再び軍隊に召集されます。召集を祝う宴会の席で、夫を戦争で死なせたくないお兼は五寸釘で清作の両目を刺し、つぶしてしまいます。お兼は懲役に行き、清作はお兼と仕組んで兵役を免れたのだろうと陰口を叩かれます。始めはお兼を恨んだ清作でしたが、次第にお兼のおかげで、今まで世間の気に入るようにばかり生きてきた自分の生き方を反省し、懲役から帰ってきたお兼を正式の妻と迎えます。
 周囲の冷たい視線を浴びながら、二人は野良仕事に出かけますが、二人はそれでも幸せなのでした。
 というストーリーなのですが、絶えず山内正の不安な暗い音楽が響き、因習的な村の雰囲気を感じさせます。お兼が清作の目を刺すシーンはありませんが、その直後の血まみれになった清作の顔が見せるシーンはあり、かなり凄惨な感じを与えます。そういった点では同じく目を突く「春琴抄」よりもずっと荒々しいイメージでした。
 ラストシーンで泣いてしまう人もいるそうです。覚えておきたい一本です。

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