またまたまた昨日の続きです。
ミイラ化したコウモリ。笑い合う5人が廃墟のアジトにやって来ると、サワコが座っています。「何でここにいるの?」と言われたサワコは立ち上がり、「先生を流産させる会」の文字の上を順に指差し、「アキナ、シオン、ミヅキ、マオ、ルミコ」と言った後、振り返り、ドスの利いた声で「大人はなめちゃダメだよ」と言って、ルミホの腕を握り、「親には黙っていてあげるから、この遊びはお終いにしなさい」と言って、指輪を回収して回ります。ミヅキの前に来て「あなたは?」と言うサワコに、無言で視線を返すミヅキ。
ミヅキは仲間と理科室に忍び込み、奪った本を見ながら薬品の瓶を手に入れます。帰り、プールの掃除に誘われて、ミヅキは1人でルミホの家に行きます。ふざけながらプールの掃除をする3人。田んぼの中を歩くミヅキを、彼女を中心にして回りこみながら映し出すカメラ。アリがたかる鳥の残骸を棒で転がして笑顔を見せるミヅキ。ルミホの母は「ルミホは風邪をひいて寝ている」と言います。「嘘ついちゃダメなんだよ」「こないだ、あなたのお母さんだけ来てなかったわね。先生を流産させようが勝手なんだけど、ウチの子、巻き込まないで!」ミヅキが去り、ルミホの脚を母がさすってやっていると、窓の外からミヅキがルミホに手招きをします。サワコに助けを求めるルミホの母。廃墟で薬品を調合するミヅキとルミホ。夜に自転車で現場に急ぐサワコとルミホの母。ガスマスクをつけていたミヅキは、サワコらが近づいて来るのを感じると、ルミホのガスマスクを乱暴に外し、ビーカーの中の液体を地面に注ぎます。沸騰する地面。「何で?」と言うルミホに、ビンを部屋の床に投げ付け、ルミホを部屋に監禁するミヅキ。むせるルミホはやがて白煙に包まれます。ようやくサワコらに助けだされたルミホは、母の人工呼吸で息を吹き返します。ミヅキを探し回るサワコの前に現れたミヅキはサワコを襲います。「どうして流産させたいの?」「気持ち悪いから」「どうして気持ち悪いのよ!」「知らん、チッ」金棒を振り上げようとするミヅキでしたが、サワコと金棒を引っ張り合う形となります。「女は気持ち悪い生き物なの。あたしも気持ち悪いし、ミヅキも気持ち悪いよ。あんたも気付いてるんでしょ! ただ気持ち悪さから逃げようとしている。そんだけ」と言ったサワコはミヅキが押し込んだ金棒に押されて仰向けに倒れされます。腹に金棒を突き立てられ、目を見開くサワコ。ミヅキはくり返しサワコの腹に金棒を突き立て、その度にドスッ、ドスッという音が響きます。やがてサワコの股間から血だまりが広がり始めます。風の音。見下していたミヅキがしゃがみこみ、サワコの腹を触ると、サワコはその腕を掴んで上半身を立ち上げ、ミヅキの指輪を外します。「満足した?」とミヅキを睨み付けるサワコ。指輪が床に落ちる音。ミヅキの顔は少女のそれになっています。ミヅキに襲いかかるルミホの母からミヅキを守るサワコ。ルミホが母を止めると、母はルミホを抱き締め、泣きます。再び仰向けになったサワコを見つめるミヅキ。
無人の校庭。授業中に私語を止めない生徒たち。家にいてイヤホンで音楽を聞いているルミホに、帰った母はルミホ用に買ったかわいいブラウスを着させようとしますが、ルミホは「自分で買うからいい」と早口で答えます。「胎児は殺人罪の対象の人間には含まれないね。だから殺人罪じゃない。不同意堕胎罪プラス傷害罪かな? 多分」と話す中年女性と、カーテンを開けたり閉じたいしながら聞くミヅキ。建物から出て来たミヅキは、黒衣のサワコに迎えられます。2人で河原を歩き、やがてサワコはしゃがみ込むと、ミヅキも隣にしゃがみ込みます。スコップを渡し「掘って」と言うサワコ。「何で私が?」「親族が掘っちゃダメなの」黒い布を開くと、中から木箱が出てきます。掘り出すミヅキ。穴の底に静かに木箱を置き、土を一すくいずつ上にかけていくサワコ。ミヅキも一緒に土をかけ始めます。できた土墳に多くの風車を飾り、2人がしゃがんだまま手を合わせると、風が起こり、風車が回り始めます。サワコはミヅキを見て「いなかったことになんて、できないの」と言い、宙を見ていたミヅキは、ふと上の方を見上げて、映画は終わります。
デジカメによるズームや荒々しい画質が特徴的でした。小林香織の世を呪っているかのような顔も印象的だったと思います。内藤監督、今後とも要チェックです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
ミイラ化したコウモリ。笑い合う5人が廃墟のアジトにやって来ると、サワコが座っています。「何でここにいるの?」と言われたサワコは立ち上がり、「先生を流産させる会」の文字の上を順に指差し、「アキナ、シオン、ミヅキ、マオ、ルミコ」と言った後、振り返り、ドスの利いた声で「大人はなめちゃダメだよ」と言って、ルミホの腕を握り、「親には黙っていてあげるから、この遊びはお終いにしなさい」と言って、指輪を回収して回ります。ミヅキの前に来て「あなたは?」と言うサワコに、無言で視線を返すミヅキ。
ミヅキは仲間と理科室に忍び込み、奪った本を見ながら薬品の瓶を手に入れます。帰り、プールの掃除に誘われて、ミヅキは1人でルミホの家に行きます。ふざけながらプールの掃除をする3人。田んぼの中を歩くミヅキを、彼女を中心にして回りこみながら映し出すカメラ。アリがたかる鳥の残骸を棒で転がして笑顔を見せるミヅキ。ルミホの母は「ルミホは風邪をひいて寝ている」と言います。「嘘ついちゃダメなんだよ」「こないだ、あなたのお母さんだけ来てなかったわね。先生を流産させようが勝手なんだけど、ウチの子、巻き込まないで!」ミヅキが去り、ルミホの脚を母がさすってやっていると、窓の外からミヅキがルミホに手招きをします。サワコに助けを求めるルミホの母。廃墟で薬品を調合するミヅキとルミホ。夜に自転車で現場に急ぐサワコとルミホの母。ガスマスクをつけていたミヅキは、サワコらが近づいて来るのを感じると、ルミホのガスマスクを乱暴に外し、ビーカーの中の液体を地面に注ぎます。沸騰する地面。「何で?」と言うルミホに、ビンを部屋の床に投げ付け、ルミホを部屋に監禁するミヅキ。むせるルミホはやがて白煙に包まれます。ようやくサワコらに助けだされたルミホは、母の人工呼吸で息を吹き返します。ミヅキを探し回るサワコの前に現れたミヅキはサワコを襲います。「どうして流産させたいの?」「気持ち悪いから」「どうして気持ち悪いのよ!」「知らん、チッ」金棒を振り上げようとするミヅキでしたが、サワコと金棒を引っ張り合う形となります。「女は気持ち悪い生き物なの。あたしも気持ち悪いし、ミヅキも気持ち悪いよ。あんたも気付いてるんでしょ! ただ気持ち悪さから逃げようとしている。そんだけ」と言ったサワコはミヅキが押し込んだ金棒に押されて仰向けに倒れされます。腹に金棒を突き立てられ、目を見開くサワコ。ミヅキはくり返しサワコの腹に金棒を突き立て、その度にドスッ、ドスッという音が響きます。やがてサワコの股間から血だまりが広がり始めます。風の音。見下していたミヅキがしゃがみこみ、サワコの腹を触ると、サワコはその腕を掴んで上半身を立ち上げ、ミヅキの指輪を外します。「満足した?」とミヅキを睨み付けるサワコ。指輪が床に落ちる音。ミヅキの顔は少女のそれになっています。ミヅキに襲いかかるルミホの母からミヅキを守るサワコ。ルミホが母を止めると、母はルミホを抱き締め、泣きます。再び仰向けになったサワコを見つめるミヅキ。
無人の校庭。授業中に私語を止めない生徒たち。家にいてイヤホンで音楽を聞いているルミホに、帰った母はルミホ用に買ったかわいいブラウスを着させようとしますが、ルミホは「自分で買うからいい」と早口で答えます。「胎児は殺人罪の対象の人間には含まれないね。だから殺人罪じゃない。不同意堕胎罪プラス傷害罪かな? 多分」と話す中年女性と、カーテンを開けたり閉じたいしながら聞くミヅキ。建物から出て来たミヅキは、黒衣のサワコに迎えられます。2人で河原を歩き、やがてサワコはしゃがみ込むと、ミヅキも隣にしゃがみ込みます。スコップを渡し「掘って」と言うサワコ。「何で私が?」「親族が掘っちゃダメなの」黒い布を開くと、中から木箱が出てきます。掘り出すミヅキ。穴の底に静かに木箱を置き、土を一すくいずつ上にかけていくサワコ。ミヅキも一緒に土をかけ始めます。できた土墳に多くの風車を飾り、2人がしゃがんだまま手を合わせると、風が起こり、風車が回り始めます。サワコはミヅキを見て「いなかったことになんて、できないの」と言い、宙を見ていたミヅキは、ふと上の方を見上げて、映画は終わります。
デジカメによるズームや荒々しい画質が特徴的でした。小林香織の世を呪っているかのような顔も印象的だったと思います。内藤監督、今後とも要チェックです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
ミヅキには暴走した狂気を感じます
ミヅキが「いやらしい」ではなく「気持ち悪い」と答えたことは、そういう表現がピッタリだなと思いました
サワコの「いなかったことになんて、できないの」という発言には、堕胎などの問題も考えさせられました
ミキティさんのこの映画の感想文から、思春期の少女の心の葛藤と、人が一旦暴走すると歯止めが効かなくなるということ、子供を守ろうとする母親の愛、ひとつの命の重さとはかなさなどを感じました
とても重いテーマの映画ですが、こういう映画を学校で中高生に見せてあげて欲しいと思いました
スミやん悲しみは…研究所( ̄□ ̄;)!!
ミヅキの“静かな狂気”といったものは、ラストで現れる彼女の母の発言を聴いて、やはり彼女の母から生まれ出たものであることが推察されます。
彼女がサワコ、もしくは母性的なものへ抱く怒りといったものは、自分の母に向けて抱く母性の欠如に対する怒りが転化したものなのかもしれません。
ミヅキがサワコの胎児を殺す、つまりサワコから母性を一旦奪ってしまうと、あっという間にミヅキの表情から怒りが消え、一気にあどけない少女の顔つきになる、といったシーンからも、そういったことが伺えるような気がします。
「こういう映画を学校で中高生に見せてあげて欲しいと思いました。」
そうですね、そういう考え方もありますね。
おそらくPTAが猛反対する学校もあるような気がしますが、
ラストシーンでミヅキとサワコが一人の命を失うというその1点で心を通じ合わせるところが、中高生の心に響くことになるかもしれません。
いずれにしろ、内藤瑛亮監督の次回作に期待したいと思います。