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ジム・ジャームッシュ監督『ブロークン・フラワーズ』

2007-05-19 15:32:09 | ノンジャンル
 WOWOWで、ジム・ジャームッシュ監督の'05年作品「ブロークン・フラワーズ」を見ました。ジャン・ユスターシュに捧げられた映画です。
 ピンクの封筒が投函され、収集され、郵便局の中で仕分けされ、飛行機で飛んで行き、熟年の男ドンのところに投函されます。そこには、以前の恋人が別れた後に妊娠に気付き、その子は19才になり父親探しの旅に出たと書いてありますが、差出人の名前はありません。手紙を読み終わると、同居していたシェリーが家を出て行ってしまいます。隣人のコナは当時の恋人をドンにリストアップさせ、それぞれの現住所を調べ上げ、旅に出ろと言います。絶対に行かない、というドン。次のシーンでは飛行機に乗って旅に出ています。1人目はローラ。夫はレーサーで死に、娘と二人暮し。一夜を共にし別れます。2人目はドーラ。夫婦で不動産業をしてると言います。夫の勧めで夕食を共にしますが、気詰まりで、すぐに別れ、コナにはもう帰ると電話します。次のシーンで3人目のカルメンを訪ねるドン。動物と会話できると言う獣医。16才の娘がスウェーデンにいると言います。すぐに別れ、翌日4人目のカルメンのもとへ。道に迷った挙げ句辿り着いたのは、バイク野郎がたむろする村で、息子がいるか、と聞くと彼女は激昂し、ドンは彼女の仲間に殴られます。庭には手紙を書いたかもしれないタイプライター。5人目の事故死したペペの墓に花を捧げ、帰りの飛行機の中で、出会った女性たちの夢を見ます。自宅に帰ると、ピンクの手紙がまた届いていました。シェリーからでした。コナに旅の報告をし、外に出ると、空港にいた19才ぐらいの青年がいます。ドンは食事を与え、お袋がつけてくれたというピンクのリボンに気付きます。青年に哲学的な助言を求められ、将来はどうにでもなるのだから、大事なのは現在だ、とドンは言い、俺が父親だと思ってるんだろう、と言うと、青年は「バカなこと言うな」と逃げ出します。ドンは追いかけますが、途中であきらめ、呆然と立ち尽くすのでした、という話です。
 「舞踏会の手帳」形式の話(「舞踏会の手帳」というのは、昔舞踏会で出会った男たちを訪ね歩く女性を描いた戦前のフランス映画で、このような形式の映画をこう呼んでいました)で、無口な主人公がピンクの花を持っている姿が滑稽で、また次の女性はどんな女性なのか期待させてくれる映画です。調査に積極的なコナにドンは抵抗しますが、結局コナのいいなりになるところも笑います。ただ、ラストシーンで主人公の心境が伺われ、ずっしり来るものもありました。一見の価値はある映画だと思います。

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