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ウィリアム・A・ウェルマン監督『牛泥棒』

2011-04-25 02:59:00 | ノンジャンル
 ウィリアム・A・ウェルマン監督の'43年作品『牛泥棒』をWOWOWで再見しました。
 カーター(ヘンリー・フォンダ)はアートを連れて、ローズが待っているはずの町を訪れますが、彼女は既に町を去ったと知らされます。そこへ牧場主のキンケイドが殺されたという一報が入り、キンケイドの親友のファーンリーを始めとした町の男たちが、犯人をリンチにするために捜索隊を組織しようとします。デイビスは犯人を法にのっとって裁判にかけることを主張し、カーターに保安官と判事を呼んで来るように頼みます。判事の家に行くと、保安官はキンケイドの所へ行っていて留守で、副保安官のブッチと判事しかいませんでした。判事は男たちに法に基づいて行動するように言いますが、ブッチは自分が捜索隊を公式のものと認めると言い、駆けつけたテトリー少佐は犯人がキンケイドの牛とともに東に向かったという情報をもたらして、自ら先頭となって捜索隊の指揮を取ることにします。カーターとデイビスはリンチを止めるために、彼らに同行します。山の中で出会った馬車には結婚したばかりのローズが乗っていました。やがて犯人と思われる3人組に追い付いた彼らは、眠っていた3人を捕えます。そのリーダー格のマーチン(ダナ・アンドリュース)は、自分たちは無実であり、牛はキンケイドから買ったのだと主張しますが、少佐は聞き入れようとしません。デイビスらがリンチに反対し、少佐は取りあえず夜明けまでは待とうと言います。夜明けを待っている時、3人組の一人のマルチネス(アンソニー・クイン)が逃げ出そうとしますが、失敗し、彼がキンケイドの銃を持っていることが判ります。銃は拾ったものだとマルチネスとマーチンは言いますが、これも聞き入れられません。そして夜明けになり、多数決が行われ、裁判にかけるべきとしたのは、デイビス、カーター、アート、少佐の息子ら7人だけで、結局縛り首が決行されます。馬をけしかける役目を少佐から指名された息子は、実行できずに少佐から叱責されます。町へ帰る一行は途中で保安官に出会いますが、保安官はキンケイドは死んでおらず、彼を撃った犯人も捕まえたと言います。リンチを実行したのは反対した7人以外の全員だと聞いた保安官は不問に付しますが、町に帰った男たちは沈みこみます。デイビスが発起人になってマーチンの妻への寄付を募り、また男たちの前でマーチンが妻に書いた手紙をカーターが読むと、そこにはリンチは不合理なものであり、リンチを行った者が一生その罪を背負う憐れむべき者たちだと書かれていました。カーターはアートと連れて、その手紙をマーチンの妻に渡すために旅立つのでした。
 漆黒の黒が印象的な画面で、陰惨な内容に見事に合っていました。ただならぬ気配に満ちた不思議な映画です。ウェルマン監督の知られざる一面を見ることができるのではないでしょうか。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)

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