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是枝裕和監督『DISTANCE』

2006-10-10 16:40:26 | ノンジャンル
 昨晩の「コンバット」は、いつもは命令をする立場で凛々しい姿ばかりが印象に残るリック・ジェイスン演じる小隊長がケガをして本隊とはぐれてしまい、泥まみれになって地面を這いずり回るという、珍しい回でした。ただ、泥まみれになってもカッコいいんですけどね。

 さて、「誰もしらない」でカンヌの最優秀男優賞を受賞したことで世間的にも知られるようになった是枝裕和監督の2001年の作品「DISTANCE」をDVDで見ました。
 カルト教団が水に毒を流して大量殺人を起こした事件からちょうど3年後にあたる日、加害者の家族である20代の男3人と女1人が、車に乗って山奥の湖に行き、亡くなった人の冥福を祈ります。が、帰ろうとすると車は盗まれていて、やはりバイクを盗まれ帰れなくなった元教団員だった男に連れられ、教団のかつてのアジトに向かいます。そこで何日か過ごしたあと、トラックに拾われ、街に帰った彼らは、「また一年後に会おう」と言って新宿駅で別れます。ラストは若い男が家族の写真に湖の桟橋の上で火をつけ、その火が桟橋に燃え移って大きな炎になったところで終ります。また、随所に警察で取り調べを受ける彼らのシーンが挟まれています。
 解説によると、台詞のほとんどを役者の即興に任せたそうですが、そのせいか登場人物は皆無口です。教団のアジトでの生活も彼らのポツリポツリとつぶやく台詞と静寂が支配する時間に突き合わされます。それに台詞が聞き取りにくく、見ていてストレスがたまります。また突然時間がいつなのか判別しないシーンが始まってみたり、立ち尽くしている人を延々と撮ってみたり、作者の意図が伝わらないところがたくさんありました。
 それに加えて映画の長さ。164分もあります。ハッキリ言って長過ぎます。
 ということで、最後まで見るのがつらい映画でした。これがカンヌで公式上映され、スタンディング・オベイションを受けたというのですから、世の中分からないものです。

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