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百田尚樹『リング』

2010-06-29 14:22:00 | ノンジャンル
 百田尚樹さんの'10年作品『リング』を読みました。ボクサー、ファイティング原田に関するノンフィクションです。
 ファイティング原田というボクサーが傑出したボクサーであり、世界のボクシング史上でも希有のボクサーであったことが語られています。私は幼少時に生テレビで試合を見ていますが、凄いという印象はあったものの、ここまで優れたボクサーであることは知りませんでした。また、初めて知ったこととして、ファイティング原田が現役時にはプロボクシングには8階級しかなく、しかもそれぞれひとりずつしか王者が存在せず、現在の17階級、主要4団体の60人を超える世界チャンピオンとは重みが全く違っていたこと、戦後日本人最初の世界チャンピオンになった白井義男は戦時中に受けた傷で鳴かず飛ばずのボクサーだった時に、当時GHQの将校だったカーン博士に見い出され、白井を見た時の第一声は「あれはチャンピオンか?」だったということ、そして白井は4度タイトル防衛したが、それは当時のフライ級のタイ記録だったこと、カーン博士は生涯結婚せず、白井家でともに暮らしたこと、そしてシカゴの御曹子だったカーン博士は遺産のすべてを白井に譲ったこと、原田のタイトル挑戦は、直前に矢尾板が引退したため、急遽マッチメイクされたこと、現在に至るもフライ級とバンタム級の二階級を制覇したのはファイティング原田しかいないことなどなど、多くのことが書かれていました。また、バンタム級王者を奪取した時のレフリーと務めたバーニー・ロスの感動的な逸話も語られています。
 解説者としてしか原田さんのことを知らない方には必読の本です。オススメです。

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