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斎藤美奈子さんのコラムその121&前川喜平さんのコラムその82

2022-09-08 06:25:12 | 日記
 恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。

 まず7月31日に掲載された「カメレオンの改名」と題された前川さんのコラムを全文転載させていただくと、
僕はその団体を今でも統一教会と呼んでいるので、先週の原稿でもそう書いたのだが、掲載時に旧の字を加えられた。日本共産党は旧統一教会と呼ぶが、日本基督教団は単に統一教会と呼ぶ、登記上の名称は2015年までは世界基督教統一神霊協会、今は世界平和統一家庭連合。略称は家庭連合だ。どの名前で呼べばいいのか人は戸惑う。
その団体には様々(さまざま)な名前の別動隊がある。天宙平和連合、世界平和連合、世界平和宗教連合、世界平和教授アカデミーなど名称に平和を含む数々の団体。政界に根を張る国際勝共連合や世界日報、ワシントン・タイムズという新聞。壺(つぼ)や印鑑、朝鮮人参(にんじん)など売るハッピーワールド社の元の名は幸世商事だ。新世という会社もあった。CARPは学生団体。ピースロードという自転車イベントも開催し、日韓トンネルも推進する。
その数の多さは七変化や二十面相などというレベルではない。もっともらしいたくさんの名前を使って正体を隠し、寄って来る者を取り込む。体色変化で相手を騙(だま)し、舌を伸ばして餌食にするカメレオンのようだ。
 どんなに名前を使い分けても、その正体はカメレオンだ。そのカメレオンが「私はもうカメレオンではない。ウサギに名前を変えた」という。改名が認証されたという。でも僕はそいつをウサギとは呼ばない。」

 また、9月4日に掲載された「過去に目を閉ざす者」と題する前川さんのコラム。
「在日コリアンの人たちが多く暮らす京都府宇治市ウトロ地区の家屋に放火した有本被告に対し8月30日、京都地裁が求刑どおり懲役四年の実刑判決を言い渡した。
 判決が犯人の行動を「在日韓国・朝鮮人という特定の出自を持つ人々への偏見や嫌悪感」としたことを評価する声がある一方、「差別に基づく犯行という意味づけがなされていない」との批判もあるという。
 本紙森田真奈子記者との面会や手紙で、有本は東日本大震災で「韓国が地震を天罰として称賛した」という情報に触れて「敵対感情」を持つようになり、「在日特権がある人は、医療や教育、就労の保障も受けられる」「植民地支配という捏造(ねつぞう)、慰安婦の嘘(うそ)。韓国人の被害妄想で日本は不当な賠償を払った」などと主張していた。ネットに溢(あふ)れるデマが差別感情を増幅させ犯罪へ駆り立てた。本当の原因は日本の社会に根深く巣食う差別だ。
 しかし日本の政治は差別に立ち向かわず、差別を容認し、時に利用さえする。デマに煽(あお)られた差別が虐殺にまで至った関東大震災から99年。小池都知事は今年も朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を送らなかった。こんな政治家が権力を握っている限り差別はなくならない。小池氏には「過去に目を閉ざす者は現在も見えなくなる」というワイツゼッカーの言葉を贈ろう。」

 そして、9月7日に掲載された「撮影させて!」と題する斉藤さんのコラム。
「読書の秋だ。文学館巡りはいかがだろう。関東の文学館をいくつか。
 『土』で知られる長塚節の生家は茨城県常総(じょうそう)市にある。夏目漱石も激賞した『土』は近代文学唯一の貧農小説だが、作者自身は豪農の出だ。車で数分の常総市地域交流センター(こんな名称だけれど外観は城で中は博物館)にはデジタル技術を駆使した長塚節展示室もあって楽しめる。
 牛久沼のほとりに立つ牛久市住井すゑ文学館(茨城県)は昨年オープンしたばかりである。住井すゑは奈良出身だが、部落問題を描いた社会派長編小説『橋のない川』はこの地で執筆され、旧居を改修した館内には書斎も再現されている。
 千葉県山武(山武)市には純愛小説『野菊の墓』の伊藤左千夫の生家がある。隣接する山武市歴史民族資料館は事実上、伊藤左千夫文学館と呼び得る充実ぶりだ。『野菊の墓』の舞台といえば江戸川の矢切の渡しが有名だけど、山武もおすすめ。
 と褒めておいて言うのだが、三館とも情報発信力が弱い。HPも地味めだし、このインスタ時代に館内が撮影禁止なのである。いかに優れた展示でも、これじゃ宝の持ち腐れ。死蔵に近い。
 著作権がからむ資料は除き、博物館内の撮影は近年急激な勢いで解禁されている。情報はみんなのものだ。自治体関係者のみなさま、お願い、文学館・博物館を撮影可にして!」

 どれも一読に値する文章だと思いました。


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