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宮田珠己『スットコランド日記 深煎り』その1

2011-10-01 08:40:00 | ノンジャンル
 フルーツ・チャン監督の'09年作品『JOYUREI~女優霊~』をWOWOWで見ました。高橋洋君脚本の『女優霊』のアメリカ版映画でしたが、フィルムに霊が映るところなどは日本版のままで、その部分は楽しく見させてもらいました。

 さて、宮田珠己さんの'10年作品『スットコランド日記 深煎り』を読みました。WEB本の雑誌連載の「スットコランド日記」に加筆修正されてできた本です。
 この本で初めて知ったこと(あるいは忘れていたこと)は、宮田さんが福知山線脱線事故を起こした列車に乗り合わせていたこと、渋滞の高速道路は、追い越し車線より走行車線のほうが速いということ(実際、この夏、西伊豆への旅行の時に東名高速上りでこの知識が役に立ちました)、秩父にある「珍石館」は人面石だけでも1000個以上も集められていて、下ネタもあり面白そうなこと、宮田さんの血液型が私と同じB型であること、日本史では男色が蔓延していたということ。
 なるほどと思ったのは、「(自分の)子どもというのは、とくに何も問題がなくても、基本不憫な感じがする」ということ、「人間、何日かに1回ぐらいは自然に徹夜してしまう生き物ではないか」ということ、「夜の海を眺めるのは、素敵だ。妄執煩悩いろいろあるが、自分は宇宙の一部なのだった」ということ、幼稚園の運動会では、なるべくトラック近くの観覧席が人気があるが、小学校の運動会は、6学年もあるから出番も少なく、木陰に人気があるということ、フリーランスで働くなら「仕事で金を稼がないぐらいの気概というか達観というか、その仕事を続けるためにバイトするみたいな道楽者的な立ち位置にいないと、難しいのではなかろうか」ということ、「サンゴの白化現象の深刻さに比べれば、住宅購入など実にちっぽけな問題だ。不動産屋も銀行も、早く帰れとか金貸さないとか、何を小さいこと言っているか、グダグラ言ってないで、一度みんなで、海にプカプカ浮かんでみたらどうか」という提言、(テントで6泊もしてると)「もう家なんか買えなくてもどうでもいいような気がしてきた。このままずっとテントでも生きていけそうな感じがする」という実感、「子どもの頃に憧れた、どーんとでっかい夏とは、(中略)カヌーで激流を下り、ときにはライフジャケットを着て体ひとつで濁流を下り、橋から飛び込み、海に潜って、不思議な生き物を探す。家よりまずそっちだろう、人生の優先順位は」という、これまた提言、「一般的な会社勤めのお父さんたちは、自宅の周辺についてほとんど何も知らないのではあるまいか」という疑問、「人生でやるべきことって、ただとにかく生きることではないのだろうか、生きていればそれでいいなじゃないか、という悟りにも似た境地」、「芸術において、教訓はおおむね蛇足である」ということでした。(明日へ続きます‥‥)

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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