gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ジャン=ピエール・メルヴィル監督『賭博師ボブ』その2

2011-07-17 06:14:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 有り金全てを賭けですってしまい、ロジェに諌められるボブ。しかしボブは、ロジェの旧友でカジノの従業員になっていたジャンの情報で、グランプリ前のカジノの金庫に8億フランの金が用意されることを知ると、その金を強奪する決心をして、ロジェもそれに協力することになります。
 かつての仕事仲間に声をかけ、着々と準備を進めるボブとロジェ。しかしポーロはアンヌの気を引こうとして、その計画をアンヌに話してしまい、アンヌはマークにナンパされて寝ると、そのことをマークに漏らしてしまいます。
 アンヌはマークがボブをはめようとしていることに気付くと、すぐにボブのところへ行って、自分がマークに計画のことをしゃべってしまったと告白します。ボブはマークの元へ急行しますが、既にマークは署長と姿を消した後でした。
 マークは署長にボブが何か大きなことをやるらしいとだけ述べ、裏が取れたら詳しいことを話すと言って一旦署長と別れます。ボブからアンヌがマークに計画をしゃべってしまったことを聞いたポーロは、責任を感じ、マークを射殺します。すると今度はジャンの妻が計画に気付き、自分たち夫婦だけで上前をはねようと考え、署長に匿名の密告電話をかけます。ボブと付き合いの長い署長は、ボブに計画の実行を思いとどまらせようとしますが、ボブは既にドーヴィルへ向けて出発した後でした。
 先にカジノに着いたボブは、仲間を待つ間、ロジェとの約束を破ってカジノで賭けを始めてしまいますが、「賭博師ボブ」の本領を久しぶりに発揮して勝ち続けます。そして仲間がカジノの前に到着すると、署長率いる警察隊もちょうどその場に到着し、双方の間で銃撃戦となり、ポーロはそれで命を落としますが、ボブは既に賭けで一財産作っていました。署長に逮捕され彼のパトカーに乗ったボブとロジェでしたが、儲けた金で優秀な弁護士を雇えば、刑務所に入らず済むだろうとロジェが言うと、ボブも署長も笑みを浮かべ、映画は終わります。

 場面転換に左右や上下のワイプ、オーバーラップ、フェイドイン・フェイドアウトなど様々な技法が速度を変えて使われていて、時々現れる室内の俯瞰の画面なども新鮮で飽きさせず、アンリ・ドカの魅力的な「夜」の画面にも魅せられました。ラストの賭けで勝ち続けるシークエンスは、少し冗長ながらも、明らかにジャック・ドミの『天使の入り江』へと続いていく素晴らしく幸福なラストシーンであり、私は図らずも涙してしまいました。知る人ぞ知る名作だと思いますが、改めてメルヴィルの代表作として紹介させていただきたいと思います。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

最新の画像もっと見る

コメントを投稿