今日の山田詠美作品は'03年の「PAY DAY!!!」です。第一章「Robin」、第二章「Harmony」、第三章「Robin」、第四章「Harmony」、第五章「Robin, and Harmony」、解説は豊崎由美さんです。
黒人の父とイタリア系アメリカ人の母が離婚し、当時16歳の双児の兄ハーモニーと妹ロビンは、ハーモニーが父と一緒にニューヨークから南部のサウス・キャロライナの父の実家に住むことに、ロビンが母とニューヨークに残ることになります。父の実家には、湾岸戦争から帰還して以来一日中飲んだくれて、ポーチに座って庭をアライグマのラッキーが通り過ぎるのを見守るウィリアム伯父さん、信仰心の強い祖母、二人の逞しい従兄弟と共に暮らす生活は暑い気候を除けばささやかな幸せに満ちています。ハーモニーは中古車センターの経営者の妻である黒人のヴェロニカと恋仲になり、ロビンには父の実家にいる間にバーテンダーをやっている白人の恋人ができますが、ロビンがニューヨークに帰ってしばらくした9月11日、同時多発テロに会い、母を失います。ロビンは父の実家で暮らすことになり、それぞれの家族の間で様々なことが語られ、物語りが展開して行きます。最後はウィリアム伯父さんの女友だちのシャーリーンが旅立つところで、死んだと思っていたラッキーが、生きた姿で目の前に現れて、皆が狂喜し、ハーモニーは「今日は給料日だ(イッツ・ペイデイ)」と叫びます。給料日は喜びの象徴なのです。最後の文は「少なくとも、給料日には幸せになれる。そんな人生が、たった今、始まったばかりだ。」といいうもので、希望を残して、この小説は終わります。
普通の家庭を描いた、なんて言うこともない小説なのかもしれませんが、かなりの長篇であり、同時多発テロを盛り込んでいる等、見様によっては大河小説と言えるかもしれません。
限られたキャラクターで、これだけ内容豊富な小説というのもなかなか巡り会えないと思います。未読の方には、ぜひ読まれることをオススメします。
黒人の父とイタリア系アメリカ人の母が離婚し、当時16歳の双児の兄ハーモニーと妹ロビンは、ハーモニーが父と一緒にニューヨークから南部のサウス・キャロライナの父の実家に住むことに、ロビンが母とニューヨークに残ることになります。父の実家には、湾岸戦争から帰還して以来一日中飲んだくれて、ポーチに座って庭をアライグマのラッキーが通り過ぎるのを見守るウィリアム伯父さん、信仰心の強い祖母、二人の逞しい従兄弟と共に暮らす生活は暑い気候を除けばささやかな幸せに満ちています。ハーモニーは中古車センターの経営者の妻である黒人のヴェロニカと恋仲になり、ロビンには父の実家にいる間にバーテンダーをやっている白人の恋人ができますが、ロビンがニューヨークに帰ってしばらくした9月11日、同時多発テロに会い、母を失います。ロビンは父の実家で暮らすことになり、それぞれの家族の間で様々なことが語られ、物語りが展開して行きます。最後はウィリアム伯父さんの女友だちのシャーリーンが旅立つところで、死んだと思っていたラッキーが、生きた姿で目の前に現れて、皆が狂喜し、ハーモニーは「今日は給料日だ(イッツ・ペイデイ)」と叫びます。給料日は喜びの象徴なのです。最後の文は「少なくとも、給料日には幸せになれる。そんな人生が、たった今、始まったばかりだ。」といいうもので、希望を残して、この小説は終わります。
普通の家庭を描いた、なんて言うこともない小説なのかもしれませんが、かなりの長篇であり、同時多発テロを盛り込んでいる等、見様によっては大河小説と言えるかもしれません。
限られたキャラクターで、これだけ内容豊富な小説というのもなかなか巡り会えないと思います。未読の方には、ぜひ読まれることをオススメします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます