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山田詠美『ぼくはビート』

2006-08-03 16:40:53 | ノンジャンル
 亀田のインチキ判定の翌日の朝日新聞の朝刊に、文部科学省が児童・生徒の自殺を防ぐための専門家による研究会を今月中にも設置し、自殺予防教育に本腰を入れる、と書かれていました。あまりにも遅すぎませんか?イジメにより中学生が自殺したことが大々的に報道されたことがありましたが、あれはもう10年以上前の話ですよね。それ以降イジメを苦にして自殺した子供が何人いたと思ってるんですか?「風葬の教室」を読んだばかりなので、普段よりも怒りのボルテージが上がる私でした。

 さて、今日の山田詠美作品は「ぼくはビート」です。10編の短編集で、短編の題名はすべて英語。どれも男女関係を描いたものですが、一番しゃれているのは本の題名にもなっている「I AM BEAT」で、元彼の帽子が狂言回しの役を果たすハッピーエンドの話です。最も濃厚な愛情描写がお望みなら「TASTE 0F‥‥」、酔っぱらいの会話で楽しみたいなら、日本の小説家や編集者がバーでくだを巻く「BIRTHDAY PARTY WAS MAD」です。短いもので9ページ、長いもので38ページ、電車の中での暇つぶしにはちょうどいいのではないでしょうか? 深刻なものはないので、気軽に読める短編集です。

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