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ルイ・フイヤード監督『ファントマ』

2023-05-01 21:43:31 | 日記
ルイ・フイヤード監督『ファントマ』

 ルイ・フイヤード監督の1913年作品『ファントマ』をDVDで観ました。 
リフレットの「映画版の構成」に一部を修正加筆させていただくと、
「第一章 ファントマ」こと船主、ナヴァールがミディアム・クロースアップで紹介され、彼が続く三つの挿話でなりすます三人の人物が提示される。つまり、シャレク医師、ホテルのボーイ、ブルジョワ紳士グルンに変装したファントマの姿が次々に示されるわけであるが、これはまず観客に変装した怪盗の姿を憶えておいてもらい、のちほど見分けがつきやすくなるよう配慮した処置であろう。同時に、この悪漢が全編にわたってアイデンティティを偽り続けること、その変幻自在ぶりを予告するものであるはずだ。(中略)
 ある夜、パリのパレス・ホテルに公女ダニドフが到着する。その後、シャレク医師すなわちファントマが公女の滞在する部屋に忍び入り、物色を始めるが、物音に気づいて身を隠す。部屋に入ってきた公女の前に姿をあらわしたシャレクは、その柔らかな物腰で彼女を魅了し、何も書かれていない名刺を差し出す。もちろんこの間に、彼は公女が所有する金品を盗み出している。シャレクが投げキスをして出て行ったあと、ようやく公女はホテルのフロントに電話をして被害を訴える。ボーイがエレベーターに乗り込んで四階の婦人の部屋へ向かう途中で、シャレクに掴まる。エレベーター内でボーイを気絶させ、その制服をまとったシャレクは、支配人を騙してまんまと逃げおおせる。その後夫人が名刺を改めて確認すると、真っ白な画面に「ファントマ」の黒い文字が浮かび上がる。
 第二章 その後描かれるのは、ファントマがなりすましているグルんという名の紳士の部屋で、ベルサム卿の死体が発見された(船荷のトランク内に詰め込まれていた)ことをきっかけとし、ジュ―ヴ警部が前者を逮捕するにいたる経緯である。そして三章の「死刑台の近く」では、グルン=ファントマの愛人となっていたベルタム卿夫人が、刑務所の看守ニベに(死刑になる前に密かに愛人に会わせてもらいたいと懇願して)刑務所からファントマを脱出させる→グルンそっくりの扮装をして舞台に立っていた俳優ヴァルグランをおびき寄せたうえ麻薬を使って酩酊状態にしておく→ファントマとヴァルグランを密かに入れ替え、ニベには(そうと知らせずに)後者を刑務所に連れ戻させる。しかし死刑執行寸前に、ジュ―ヴの慧眼によって「囚人」の正体が見破られ、おかげでヴァルグランは間一髪でギロチン刑を免れる。」

 ショットがすべて固定ショットでした。