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マーティン・スコセッシ監督『アビエイター』その11

2017-09-23 05:57:00 | ノンジャンル
 また昨日からの続きです。
 ブリュースター「とりわけムダな巨大プロジェクトについて。空飛ぶ物置場のような飛行機について。“木のガチョウ(スプルース・グース)”だ。召喚する」。
 スクリーンを見て「美しい風景だ。砂漠が好きだ。砂漠は暑いがクリーンだ。眠らないと。その前に何か飲もう」。6本の並べられたミルク瓶にスポットが当たっている。「待てよ。酸っぱいかも。もし腐ってたら? ミルク瓶を右手で取るな。右手はダメだ。左手で瓶のふたを取ってはいけない。ポケットに入れとけ。左のポケットに」。ドアにノック。「ハワード、ケイトよ。話があるの。聞こえる? 入るわよ。今すぐ」。ドアには鍵がかかってる。「ドアを開けて」「それはできない」「嫌なの? 顔を見せて」「ヒゲを剃ってない」「私だってノーメイクよ。お願い。中に入れて」「声は聞こえる。エンジンのうなる操縦席にいても」「私の声がバカでかいからね。お礼を言いたいの。彼と私のために密会写真を買い占めてくれて」「愛してるのか?」「彼は私の全てよ」「役に立ててうれしいよ。もう帰ってくれ」「お願い、開けて」「帰ってくれ。きっとすぐにまた会えるさ。また一緒に遊ぼう」「そうね。また飛行機に乗せて。私が操縦するわ。そこにいる? ハワード? いるの? 返事して。聞いてる?」
 サンドイッチにたかる蟻たち。
 荒れ放題の試写室。「ミルクを持って来い。ミルクを持って来い。ミルクを持って来い。ミルクを持って来い。(髭面)ミルクを持って来い。ミルクを持って来い」。
 「右手でバックを開ける。45度の角度でバッグを差し出せば、バッグの中に手が届く。紙に触れずに済む。最初から繰り返せ。最初から繰り返せ。最初から繰り返せ。(全裸)これらの指示にたとえわずかでも変更がある場合には、全ての手順を繰り返せ。最初から。繰り返せ、最初から。ミルクを持って来い」。ミルクの空き瓶の列。「R・N・T・Q・U・E・I・N・E・N・E・E・I」。「ハワード」「誰だ?」「ホアン・トリップだ」「ホアン、ホアンか?」「会う約束だったな」「覚えてるさ。風邪をこじらせて、うつすと困るから外で座ってくれ」「座ったよ。会計報告を持ってきた。パンナムの株価は13ドル63セント、TWAの株価は4ドル25セント」「やめてくれ。株価の話はやめろ! TWAも売る気はない。君に買えるもんか。国内線は2倍の価値がある」「パンナムの株価はTWAの3倍だぞ」「君の言い分は通らない。僕が言っているのは君には国内線がないことだ。地球を支配する気か? 僕は売らない。絶対に。忘れるな。ブリュースターが味方だろ?」「私の力じゃない。メーン州の有権者のお陰だ」。パイプに火をつけるトリップ。鍵穴から煙。「僕が公聴会に出たら厄介なことになるぞ。みんなにとって」「困るのは君だろ? 米国兵士が戦死している間に君はハレンチな映画を撮り、飛ばない飛行機を造った」「フェアじゃない。XF—11は1時間45分も飛んだぞ。君も乗ればよかったな。爽快な空の旅さ」「“木のガチョウ”の言い訳か?」「“ハーキュリーズ”だ! ちゃんと飛ぶぞ!」「そう願うね。1300万ドルは国民に還元すべきだ」「TWAは絶対に売らないぞ!」「だろうな。分かるよ。だが必ず手に入れる。君は公聴会で名誉を失い債務不履行に。TWAへの追加融資は受けられん。ヒューズ・エアクラフト社の経営ミスも暴かれる。倒産の憂き目だ。だがヒューズ・ツール社がある。ヒューストンで再建しろ。君のためだ。パンナムはTWAを買収する。“コンステレーション”はブルーと白に塗られ、君が戻る頃にはパンナム機になってる」「追いつめる気だな。僕を苦しい立場に」「公聴会ではもっと苦しいぞ。さらし者だ。カメラの放列。記者ども。君は人込みが大嫌いだろ? その点は何とかしよう」「気を遣わせて悪いな、ホアン。親切だな。感動するよ。嬉しいよ。ノアが空港まで送る。安全な旅を。無事で」「君も早く風邪を治せ」「心配するな。すぐ治るさ」。トリップ、去る。
 「公聴会に出れば世界中に知られるぞ。彼は正気じゃない。公聴会は3日続く。部屋から引きずりだせ」。
 カラーの画面。マシンガン。空中戦。床で苦しむハワード。
 ハワード、試写室の外へ。髭ボウボウ。女性「ヒューズ社長?」「靴がない。用意しろ」「靴を。オーケイ」。(また明日へ続きます……)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/