ケン・ローチ監督『麦の穂をゆらす風』

　スカパーの260チャンネル「洋画シネフィル★イマジカ」で、ケン・ローチ監督の'06年作品「麦の穂をゆらす風」を見ました。
　「アイルランド 1920年」の字幕。医者のデミアンがロンドンへ旅立とうとして見送りの人が集まってきますが、集会は禁止だと英国軍が乱入し、反抗した青年を殺します。駅のホームで英国軍が無理矢理乗り込もうとして乗務員に暴力を働いているのに出くわし、デミアンはロンドン行きをあきらめ、兄のテディがリーダーを務めるIRAの義勇軍に加わります。兵舎を襲撃して武器を奪い、捜索に来た兵士たちを射殺すると、大挙して押し寄せた英国軍に皆逮捕され、テディは拷問を受け、デミアンも死刑を宣告されますが、アイルランド人の英国軍兵士に仲間と共に助けられます。デミアンらは密告した農場主を脅迫して、まだ牢にいるIRAのメンバーの助命嘆願書を書かせ、裏切った少年とともに銃殺します。やがて全国に独立運動は高まり、デミアンの恋人のシネードは裁判長となって高利貸を告発しますが、テディは武器の資金源として高利貸をかばい、デミアンらと対立します。車で移動中の英国軍を虐殺して帰ると、シネードの家が燃やされ、彼女も髪を切られて拷問を受けていました。やがて休戦の指令書が届き、お祝いのダンスパーティの後、ニュース映画を皆で見ますが、英国との講和条約の内容を知って憤慨します。条約を指示するテディらは自由国軍に加わり、デミアンら多数派は共和派として今度は自由国軍相手に戦うことになります。教会で同席したテディはデミアンに協力を要請しますが、デミアンは拒否します。そしてテディらは共和派のアジトを襲撃し、デミアンは捕えられ、テディの命令のもと銃殺され、テディは泣き崩れます。そしてテディのことを頼むと書いてある遺書をテディはシネードに届けるのでした。
　役者の演技が紋切り型で、今までのケン・ローチ作品の中では一番面白くありませんでした。それがカンヌ映画祭のパルムドールを取ったというのですから、世の中分かりません。血で血を洗うIRAの歴史を知りたい方にはオススメかも。