追加募集馬の気になるシリーズもあと2頭を残すのみ。期せずしてダート路線狙いの2頭が残ってしまいましたが、最初からそういう意図があったわけではありません(^^ゞ
■ソヴールトウショウ'19
◇牝1歳 青鹿毛 2019.03.29生 新冠産(中山高鹿康牧場)
◇父:パイロ 母:ソヴールトウショウ (母の父:スズカフェニックス)
◇プラスビタールスピード遺伝子:CT型
◇美浦・和田雄二厩舎
◇販売総額 1,200万円 / 総口数 2000口
◇POINT!:本世代も名門ソシアルバターフライの血を継ぐ良質馬が登場。現時点ではやや小柄ながら、全体的に調和のとれた馬体は筋肉質で十分な胴回りがあり、前駆の発達も顕著。環境の変化に対する順応性が高く、性格は穏やかで飼葉をしっかりと食べてくれるため、良好な健康状態を維持できる点も強調材料のひとつと言えよう。適性はダートの短・中距離あたりと推測されるが、そのスムーズな身のこなしや伸びゆく余地などから、マルチな活躍があっても何ら不思議ではない。
◇最新近況(11/6更新):北海道・むかわ町のエクワインレーシング在厩。騎乗馴致を順調に消化しています。馬体重415kg、体高155cm、胸囲180cm、管囲20cm(11月初旬測定)
◇エクワインレーシング・瀬瀬代表のコメント:「現在はロンギ場でハッキング3000m程度、トレッドミルでハッキングキャンター1000~1500mを消化中。坂路入り後はすぐにでもハロン18~20秒ペースでやり始めたいですから、まずはそれに対応できる体力づくりを入念に進めているところです。ここまでは大人しく真面目に物事に取り組んでくれており飼葉喰いも問題なし。段々と目方が増え、体つきにゆとりが出てきたのは良い傾向だと思います」
◇募集時写真:2020/10/26
この馬も馬体から受ける印象はなかなか良いです。ややコンパクトにまとまり過ぎている感はありますが、バランスが良くて欠点もなく、確かにダート一辺倒といったイメージではありません。まあ、それでも勝負はダートだと思いますが、今後の成長次第で面白い存在になるかもしれません。今現在はまだ415kgとのことですが、体高が155cmで管囲が20cmありますから、きっとこれから大きくなっていくでしょう。
歩きについては、『パイロ産駒にしては落ち着いているな』というのが第一印象。すごく目立つ特徴があるワケではないですが、気性面での苦労がなさそうなのは良いと思います。いや、父のパイロはダーレーさんで見せて頂いたことがありますが、気性が荒すぎて『近くに寄る行為厳禁』の中での見学でしたから(^^;)。。(下の写真は2014年11月に撮影したパイロさん)
血統的にはソシアルバターフライ系の母にパイロの配合で、とにかく早め、2歳戦から勝負をかけたいタイプに思えます。募集のPOINT!には「(芝・ダートの)マルチな活躍があっても不思議はない」とありますが、この血統なら最初からダート一本で頑張って欲しい気がします。
パイロ産駒は地方はもちろん、中央でもなかなかの好成績を残していますし、ターゲットがハッキリしているのがイイですよね。さすがにこの馬でダービーをめざすのはいかがなものかと思いますが、ダービーなんて、どんなに本格的な芝血統の馬に出資をしようが、大半は出ることすら叶わないワケですから…。それなら考え方を変えて、パイロ産駒でダート戦を楽しむというのも悪くないかもしれません。
■アラマサクロフネ'19
◇牡1歳 黒鹿毛 2019.05.01生 新ひだか産(金球美牧場)
◇父:ダノンレジェンド 母:アラマサクロフネ (母の父:クロフネ)
◇プラスビタールスピード遺伝子:CT型
◇美浦・中舘英二厩舎
◇販売総額 900万円 / 総口数 1000口
◇POINT!:脚や胴をスラリと長く見せていた幼少期を経て、成長が進むにつれて腹まわりを中心に厚みが増し、グングンと力を付けてきており、放牧地では大きなアクションで楽にスピードに乗り、軽やかに推進。随所に力強さや運動神経の良さを窺わせるなど、伸びしろを多分に残しつつも、5月生まれのビハインドを感じさせない点が心強い。普段の気性は穏やか。その血統構成からダート適性の高さは疑いようもなく、早期デビューからの台頭も決して無茶な注文ではなさそうだ。
◇最新近況(11/6更新):北海道・日高町の坂東牧場在厩。初期馴致をスムーズに終え、現在はおもにトラックでダク1000m、ハッキングキャンター2500mを乗られています。馬体重422kg、体高156cm、胸囲174cm、管囲19.5cm(10月中旬測定)
◇坂東牧場・荒木マネージャーのコメント:「初期馴致を難なく消化してくれたように、ピリッとしたところはあっても扱いにくいタイプではなく、人に対しての当たりもキツくない馬。性格的にストレスを溜め込む方ではありませんので、心身ともに健全なコンディションで育成調教に臨んでくれています。目下は現行のメニューをしっかりと継続して基礎づくりに専念。5月生まれでも完成度は高い印象を受けています。ダートで面白いのではないでしょうか」
◇募集時写真:2020/10/26
パイロ産駒のソヴールトウショウ'19が1,200万円なのに対してダノンレジェンド産駒の本馬が900万円。値付けについてはいろいろな要素があるでしょうが、父ダノンレジェンドがパイロ以上に地方競馬向き種牡馬だから、ということはあると思います。
そんなアラマサクロフネ'19ですが、写真で見る馬体は決して100%ダート馬といった印象ではありません。バランスも良く適度に胴が伸びがあり、父の名前を言われなければ本格的な芝馬かと思うぐらい。。ただ、歩きの動画を見ると各所の頑丈そうな造りが目立つので、『この馬はダートを走らせたら動くだろうなぁ』といった感想を持つ人が多いかもしれません。
血統的には(竹内さんによれば)ダノンレジェンド×クロフネはダートに的を絞った配合ながら、ダノンレジェンド、アラマサクロフネの近親までを考えると、「一概にダート馬とくくってしまうのは勿体ない血統」なのだそうです。ただ、この馬もソヴールトウショウ'19同様、中途半端に『芝でもやれるかも…』などと考えず、最初からダートで結果を出す方向で頑張った方がわかりやすい気がします。
今のところ、(自分の出資スタイルとして)同じダート路線で勝負をするにしても、最初からダート狙いの馬に出資をすることはあまり考えていません。そうなると自然にソヴールトウショウ'19、アラマサクロフネ'19は検討対象外になるのですが、広尾TCにしては珍しくダートに振り切った募集馬ですし、これが好結果に繋がれば募集馬のバリエーションが増えるかもしれません。そう考えると、是非とも成功して欲しい馬たちですから、今後に注目しつつ応援していきたいと思います。