まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
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ヘルタースケルター

2012-08-31 23:13:01 | 日本映画(は~わ行)

噂の沢尻エリカ主演映画を観てきました。監督は『さくらん』の蜷川実花。鮮やかな色づかいに期待します。

完璧な顔とスタイルを持つトップモデルのりりこ(沢尻エリカ)、しかしりりこの美は全身整形で作られた人工のもので、常にメンテナンスが必要な身体だった。人気絶頂でほとんどすべての雑誌の表紙を飾ったが、そこは浮き沈みの激しい芸能界、事務所では後輩(水原希子)が伸びてきて、りりこに人気にも少しずつ翳りが見え隠れしていた。危うい均衡の上で何とかバランスを保っていたりりこの心は、メンテナンスの薬の影響もあり、徐々に壊れていく。。。

沢尻エリカのヌードと濡れ場が話題になっていて、たしかにスクリーンに出てきた瞬間には目を瞠ったけど、何度も画面に出てくると美人は3日で飽きるではないけれど、だんだん慣れてきて大して気にならなくなりました。桃井かおりが、見たまんま海千山千のあくどい事も平気でするような女社長役で迫力があり、寺島しのぶのマネージャー役も情けなくどんくさいダメ女の雰囲気をうまく出していて、さすが芸達者です。でも、いきなりマスコミにりりこの暴露資料を送りつけるところの動機がよく分かりませんでした。話の流れから、羽田ちゃん(寺島しのぶ)がりりこの全身整形のことは全く知らなかったとしか思えないんだけど、それにしてはりりこを妹のところに会いに行かせたり、ちょっと展開が微妙です。

大森南朋は語り部的な役柄なんだろうけど、小難しく哲学ぶってる台詞が平板な感じ。もしかしたら、それを狙っていたのかもしれないけどね。水原希子のナチュラル美人さは、りりこの人工的な感じと対照的で役者のイメージどおりです。メイク役の新井浩文が、オネエだけども主な登場人物の中では一番まともで人間的な感じがしました。

トップモデルが主人公ということで、写真撮影シーンがやたらと多いのも印象に残りました。蜷川監督は、写真は自分の世界だから演出しやすかったのかもしれません。でもきっと、本当の撮影現場もあんな様子なんでしょうね。

ピンク系の赤色に包まれたりりこの部屋や、その壁一面を飾るりりこの写真、りりこが湯船やスタジオで幻覚を見る場面の色彩や装飾のセンスも、蜷川監督の独特さを感じました。カラフルなカプセルが湯船の底からぼこぼこと出てくる演出は、なかなか楽しかったです。一方で、薄日が射し込んでほこりが舞う大森南朋の部屋は、あまりに平凡でありきたりなもので、その落差は狙ったものなのかな。

渋谷の女子高生たちの賑やかで傍若無人な振る舞いをテンポよく切り取っているのも、蜷川監督ならではの視点でしょう。原作の岡崎京子が15年前にこの作品を描いていたことに驚きます。

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8/1 川崎チネチッタ
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