う~ん、よくわかりませんでした。監督は『青いパパイヤの香り』や『シクロ』『夏至』のトラン・アン・ユン。ヨーロッパ映画的な映像美を狙ったのか、それとも自分には理解できない壮大なモチーフが隠されているのか。
キリスト教が大きな意味を持っているのだとは思うけれど、自分にはそっち方面の知識はなく、ただ「へえ」とか「はあ」とか、ぽかーんとしているばかり。
木村拓哉にイ・ビョンホン、ジョシュ・ハートネットの3大スター共演!とあったけど、我らが余文楽(ショーン・ユー)も香港代表で出てるじゃないですか。途中で入院しちゃって出番なくなるけど。4大スター共演にしてほしかったな、GYAOさん。
そして香港舞台ならお約束のカーチェイスもありますが、やっぱり香港映画のカーアクションと比べると構図から何から迫力が違うんだよね。香港映画は地元ならではの見せ所を押さえているっていう感じかな。
クライン(ジョシュ・ハートネット)はL.A.で刑事をしていたんだけど、24人を殺した猟奇殺人鬼を射殺したあと精神的にきちゃって、今は退職して探偵をしている。そのクラインに依頼が入る。フィリピンのミンダナオ島で消息が途絶え、香港に手がかりを残したシタオ(木村拓哉)を連れて来てもらいたいと。
まずミンダナオ島へ向かったクラインは、前任の探偵にシタオの消息を尋ねるが、彼は「シタオは殺されて埋められたはずだ」という。そこでシタオの写真を手に入れたクラインは、次なる手がかりの地、香港へ飛ぶ。旧知の香港警察の刑事ジョー(余文楽)と会ったクラインは、彼の助力を得ながらシタオを捜すが見つからない。
シタオは他人の傷を自らのものとして受け入れてその人を癒す特殊能力を持っていて、広大な空き地の草むらの一隅にバラックともいえないようなテント小屋をたてて暮らしている。その空き地に突然突っ込んできたのが香港マフィアのボス、ドンポ(イ・ビョンホン)の女でヤク中のリリ。リリのクスリを抜くためにシタオはつきっきりでみてやり、リリは無事にクスリも抜けてドンポの元へと帰る。しかしシタオのことが忘れられないリリに気づいたドンポは、シタオを磔にする。。
木村拓哉、存在感ありましたね。不思議なシタオ役を体張って演じてました。顔面に蛆虫が這い回るところなんて、よくやったって感じ。イ・ビョンホンも切れてました。『チェイサー』観たばかりだったから、あの金槌で殴るところがヨンミンとだぶったりしてちょっと恐怖を感じました。
クラインがフラッシュバックで苦しむところは、過去の忌まわしい出来事がクラインのトラウマになってるんだなってことはわかるんだけど、それが映画の筋の中でどんな意味を持つのかはさっぱりわかりませんでした。あと余文楽が不倫?みたいなことをするアバンチュールな場面、あれも唐突で流れがわかりません。あれきり余文楽は出番ないし。せっかくの地元代表なんだからもっと活躍させてよっていうのが華流ファンの気持ち。だって自分の庭ですよ、庭。そこで日本と韓国のスターが活躍してるんだから、香港スターも活躍したっていいじゃない。
『青いパパイヤの香り』のあのぬめりとした東南アジア特有の空気感は凄く印象的だったことを覚えているし、『シクロ』では梁朝偉(トニー・レオン)が主役だったこと、『夏至』も結構おもしろかったと記憶しているけれど、この作品はストーリーを楽しむというより俳優を見る映画でした。
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6/7 TOHOシネマズ川崎
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