勝間さん、努力で幸せになれますか
香山リカが『しがみつかない生き方』の最終章で「をめざさない」というタイトルをつけたことがきっかけで、二人の対談が実現した。
アメリカ型合理主義、そしていまや“できる女性”の代名詞として輝ける成功者のアイコンとしての勝間和代と、単純な二分法を是とせず、「勝ちか、負けか」の市場万能主義に押しつぶされた人と接してきた精神科医でもある香山リカ、議論はなかなか噛み合 . . . 本文を読む
日本経済の真実―ある日、この国は破産します
日本テレビ系列土曜日朝8時からの「ウェークアップ!ぷらす」キャスターの辛坊治郎氏が書いた本ということで、興味を持って読んだ。共著者の辛坊正記氏は実兄で、住友銀行でMBAをとったりした経済畑の人。
本書の半分以上は、暴論に騙されないための日本経済入門、と題してGDPの解説から始まり、三面等価の原則(生産、分配、支出の額はGDPを3つの側面から見たもの . . . 本文を読む
35歳からの生きかたの教科書
人生の分かれ道、とでもいうべき35歳を迎えて、悩む読者に贈られる、10年先輩の著者の経験を踏まえたアドバイスが70個並ぶ。
うまくいかない原因を「生き方」にある、と看破し、著者がどうやって7つの壁を乗り越えて「生き方」を変えてきたか、が平易だが深い文章で綴られている。
7つの壁とは、
1.心配事が頭から離れない
2.最初の一歩が踏み出せない
3.決めたことを . . . 本文を読む
それでも、日本人は「戦争」を選んだ
東京大学で日本近現代史を研究する著者が、高校生を相手に日本の近代を戦争を軸に講義した内容をまとめた本です。
時期は戦争を単位にして、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変と日中戦争、太平洋戦争、と戦争を区切っていて、改めて振り返ってみると、10年ごとに日本が戦争をしていたことが一目瞭然です。時代を戦争で区切るって、近現代では何か新鮮ですが、江戸時代ま . . . 本文を読む
失踪日記
有名漫画家が、ある日煮詰まって締切をすっ飛ばし、ふらっと職場放棄してホームレス生活を始める。
ホームレス、そしてガス配管工、アル中での入院と3部にわかれていて、それぞれ本人とっては(家族にとっても)深刻な状況のはずなのに、客観的に見つめてユーモアすら感じさせる筆致で描いている。
ホームレス時代の凍死寸前の関節が軋む音やゴミあさりでの食料品集め、夏の暑さや冬の寒さ(ある朝起きたら一面 . . . 本文を読む
ゴールデンスランバー
この映画の原作本を読みました。これを読むと、映画がかなり原作を忠実になぞっていることに驚きます。伊坂幸太郎作品の特徴であるしつこいまでの細かい描写をしっかり映像化しているところはすごいな、と思いました。
一方で、ショットガン警官の出番が映画ではちょっと少なくなってたかな、というイメージがあり(なんせ半年以上前に観たので細かいところは憶えていません)、20年後の後日譚 . . . 本文を読む
経済成長って何で必要なんだろう?
シノドスの芹沢一也と荻上チキが企画した、応用経済学者の飯田泰之をホストに迎えた対談集。対談の相手は、経済学者の岡田靖、『希望は、戦争』のフリーライター赤木智弘、NPO法人もやいの事務局長で年末派遣村村長の湯浅誠で、はたして経済学の言葉が現実に通じるのか?がひとつのみどころ。
そして自分にとっては岡田靖との対談で戦後経済史をざっと眺めることができたのが大き . . . 本文を読む
景気ってなんだろう
この本では、マクロ景気の指標として国内総生産を取り上げて、国内総生産の変動と在庫投資、設備投資、住宅投資、消費の関係を説明し、外需と景気、実質賃金やデフレ不況、景気安定化策としての財政政策と金融政策、インフレ目標などにも言及している。
経済学をやっている人から見たら基本のキなんだろうけど、中途半端にしかかじっていない自分としては、丁寧に説明してもらって何となくわかった気に . . . 本文を読む
東大を出ると社長になれない
タイトルだけ聞いて、最近流行りのあおり文句系の新書かと思っていたら、中身は小説仕立てで経済学のエッセンスを易しく解説してくれている。
ビジネスプランがないのに起業志望の若手サラリーマンをバーのマスターが思いとどまらせるところから始まり、学園祭での出店の場所選択を経て、後半はバーの看板バイト娘の従姉が苦労しながらも古着屋を出店して成功するストーリーとなっている。
. . . 本文を読む
人づきあいのレッスン―自分と相手を受け入れる方法
言葉と行動、心の持ち方あわせて66個のレッスンがある。ひとつひとつ実践していけば、きっと効果があるのだろうな、という内容がたくさん。
たとえば「ありがとうで返事をする」や「うそー?よりほんとう?で答える」「苦手な人にはあだ名をつけて楽しむ」なんかは、印象が強くて簡単そうですぐに実践できそう。
言葉と行動のレッスンは目に見えるけれど、心の持ち . . . 本文を読む
この世でいちばん大事な「カネ」の話
西原理恵子のお金にまつわる半生記みたいな本。西原理恵子を知ったのは、「ぼくんち」だったか「鳥頭紀行」だったか定かではないけれど、銀玉親方とギャンブルやってた頃はリアルタイムで読んでたんじゃないかな。
貧困と暴力は連鎖する、ということがこれでもかとばかりに書いてあって、借金やギャンブルのこともさらっと書いてあるけれど、実はとんでもなく深刻で残酷なことなんだよ . . . 本文を読む
「場回し」の技術
「場回し」はあまり聞かない言葉だが、例えばフジテレビの高島アナが場を仕切るのが上手い、というのはよく聞く話である。
この本では「場回し」の定義を、3人以上、全員参加、ポジティブ、の3要素として、会議、セミナー、チーム、飲み会のそれぞれで具体的に使えるテクニックを紹介している。
この具体的、というのが徹底していて、実際に場回しの名人と著者が思った人たちが実践しているテクニ . . . 本文を読む
デフレと円高の何が「悪」か
経済学がまったく素人の私にも、デフレで経済が収縮していくのは悪いこと、だって資本主義は成長を前提としているのだから、ということくらいは分かっていたけれど、この本ではある程度噛み砕いて世間の「デフレもいいんじゃない」という非常識を喝破してくれている。
勝間和代さんが菅副総理に「デフレを止めよう」プレゼンをしたけれど、その政策手段がいまいちわからないというか、政府が何 . . . 本文を読む
チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術
チームの生産性は、メンバーがチームのビジョンやミッション、お互いの予定や実績、アイデア、感情、ちょっとしたハックスなどすべてを『共有』することがキモである。共有の手段やちょっとしたコツをWikiやGoogleカレンダーも含めて自らがこの本を著すにあたって経験したことをもとにふんだんに盛り込んでいる。
一番大事なのは、チームのビジョンを共 . . . 本文を読む
生きさせろ! 難民化する若者たち
非正規雇用の若年層にスポットを当てて、『働くこと』と『生きること』が今の世の中でいかに歪んでいるかを、実際の取材をもとに丁寧に書いている。
フリーター、派遣社員や請負社員、アルバイトやパートとして企業に低賃金で使い捨てにされる商品としての労働力、その姿は悲劇的で悲惨である。不安定な雇用形態のために労災保険や雇用保険、社会保険にも加入されず(雇用主には加入させ . . . 本文を読む