東大を出ると社長になれない
タイトルだけ聞いて、最近流行りのあおり文句系の新書かと思っていたら、中身は小説仕立てで経済学のエッセンスを易しく解説してくれている。
ビジネスプランがないのに起業志望の若手サラリーマンをバーのマスターが思いとどまらせるところから始まり、学園祭での出店の場所選択を経て、後半はバーの看板バイト娘の従姉が苦労しながらも古着屋を出店して成功するストーリーとなっている。
「ノーフリーランチ」や為替の話、屈曲需要曲線、出店の立地、「ビジネスの目的は利潤獲得」、機会費用、ダッチ・オークション、ポイントカードの使い方など、実際の経営に密着したものから理論的な事柄まで、硬軟織り交ぜた内容で経済学・経営学への興味をそそられる内容である。
タイトルの「東大を出ると社長になれない」は機会費用のところで解説される。上場企業のような大企業に東大生は行くけれど、会社は大企業だけじゃないってことですね。
小説の雰囲気は「女子大生会計士の事件簿」みたいな感じかな。
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