3月例会のご案内(第一報)
開催日時と場所
3月19日(月曜日) 午前10-12時
喫茶店「蔵」
話題は「地方史料を通してみた近世中期沼隈郡今津村における”四季の移ろい”」
予定を変更し『田盛庄司安邦考』を引き合いに出しつつ『村史』成立の歴史的背景とその第一巻のコンテンツ(年中行事)紹介を行った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/52/b0e68f440aa2ca064d3de638fefe2ab4.jpg)
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今回は歴史民俗学的なコンテンツを含む2種類の地方史料(「文化期の『当村風俗御問状御答書」&寛政期の「村史」・第1巻)を俎上にあげる。”四季の移ろい”といった文芸的タイトルにしているが、中身的には単に「歳時習俗考」(平山敏治郎)ということではなく、いくつかの分析上のステップを踏んだ後、最終的には時間的枠組みの中に民衆生活を規律化し、閉じ込めるといった近世社会の在り様を沼隈郡今津村に軸足を置きながら、権力論的な視点から読み解く。
参考記事:幕末期沼隈郡今津村の農村年中行事ー庶民生活資料紹介ー
これまでの松永史談会での話題提供の中では歴史民俗学的or文化史的な事柄として、とくに2017年4月例会時において①近世のムラの年中行事の中には平安末期の年中行事絵巻に記載された事柄にさかのぼれるような要素を持っていること。また②祭礼具である鉦鼓類の中には獅子舞の獅子頭がそうであるように東アジアから東南アジアにかけて分布するものとの類似性があると指摘した。
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京都大学附属図書館所蔵 谷村文庫 『当村風俗御問状御答書』
![](http://img-origin.yaplog.jp/img/18/pc/t/e/k/tek_tek/1/1510.jpg)
『村史』第一巻
参考資料
平山敏治郎, 竹内利美, 原田伴彦編『日本庶民生活史料集成』 第九巻 風俗、三一書房 1969.9
平山敏治郎『歳時民俗考』法政大学出版、1984など。
『沼隈郡誌』、府中市史・資料編Ⅳ地理篇(府中市旧府川村・栗柄村の風俗書上を所収)、三原市史・民俗編、上下町史、岡山県の矢掛町史・民俗編
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供物・祭神・祭礼方法とその頻度に関して異様に感じられるほど詳細で今津村民の習俗としては煩瑣すぎる。したがって村の祭祀という面と記述者:河本四郎左衛門(1792-1845、文化15年は四郎左衛門26歳時、神主)家の習俗という両面から読解するのが良いだろう。『福山領風俗問状答』や庄屋笠井氏が記述した沼隈郡浦崎村のモノに比べても『当村風俗御問状御答書』においてかなり記述内容に特異性が認められるのは神職的な立ち位置からの記載が勝っているからだろうと思う。「惣先人」に関しては不詳だが「道了権現」とは、文字通り八百万の神々が信仰対象であったのだろう。この部分のような記述は『福山領風俗問状答』や庄屋笠井氏が記述した沼隈郡浦崎村の風俗答書上にはない。
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菘(すずな)・・・春の七草(七草粥)
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河本四郎左衛門の時代に河本家の過去帳(孫左衛門夫人が古志清左衛門盛長長女だったとか、河本家の祖は白鳳期の田盛庄司だとか、過去の偽造を繰り返している)・剣大明神(本社を備後国総鎮守だと神社書上帳に記載)に関する偽文書が集中的に作成されている。したがって、四郎左衛門作成の文書に関しては、我々としてはつねに頭の片隅にそういう人物であったことを念頭に置いておく必要がある。『当村風俗問状答書』の記載内容に関しては神主家固有のもの(1月27-28日の田盛大明神御祭・・偽造された河本家の祖を祭神とした田盛大明神の祭礼)と村民一般のものとが混在しているのか過剰と思えるほど詳細である。
開催日時と場所
3月19日(月曜日) 午前10-12時
喫茶店「蔵」
話題は「地方史料を通してみた近世中期沼隈郡今津村における”四季の移ろい”」
予定を変更し『田盛庄司安邦考』を引き合いに出しつつ『村史』成立の歴史的背景とその第一巻のコンテンツ(年中行事)紹介を行った。
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参考記事:幕末期沼隈郡今津村の農村年中行事ー庶民生活資料紹介ー
これまでの松永史談会での話題提供の中では歴史民俗学的or文化史的な事柄として、とくに2017年4月例会時において①近世のムラの年中行事の中には平安末期の年中行事絵巻に記載された事柄にさかのぼれるような要素を持っていること。また②祭礼具である鉦鼓類の中には獅子舞の獅子頭がそうであるように東アジアから東南アジアにかけて分布するものとの類似性があると指摘した。
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京都大学附属図書館所蔵 谷村文庫 『当村風俗御問状御答書』
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『村史』第一巻
平山敏治郎, 竹内利美, 原田伴彦編『日本庶民生活史料集成』 第九巻 風俗、三一書房 1969.9
平山敏治郎『歳時民俗考』法政大学出版、1984など。
『沼隈郡誌』、府中市史・資料編Ⅳ地理篇(府中市旧府川村・栗柄村の風俗書上を所収)、三原市史・民俗編、上下町史、岡山県の矢掛町史・民俗編
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供物・祭神・祭礼方法とその頻度に関して異様に感じられるほど詳細で今津村民の習俗としては煩瑣すぎる。したがって村の祭祀という面と記述者:河本四郎左衛門(1792-1845、文化15年は四郎左衛門26歳時、神主)家の習俗という両面から読解するのが良いだろう。『福山領風俗問状答』や庄屋笠井氏が記述した沼隈郡浦崎村のモノに比べても『当村風俗御問状御答書』においてかなり記述内容に特異性が認められるのは神職的な立ち位置からの記載が勝っているからだろうと思う。「惣先人」に関しては不詳だが「道了権現」とは、文字通り八百万の神々が信仰対象であったのだろう。この部分のような記述は『福山領風俗問状答』や庄屋笠井氏が記述した沼隈郡浦崎村の風俗答書上にはない。
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菘(すずな)・・・春の七草(七草粥)
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