松永史談会2月例会のご案内
2月例会(2月の最終金曜日が天皇誕生日のため、開催日を一週間後ろへずらす)
3月1日 午前10-12時 蔵2階
話題:賴山陽の修史事業に影響を与えた、史志(or 地誌)編纂家古川古松軒(1726~1807)の行動と精神(=学的方法論)について
その他、例えば古川古松軒『東遊雑記』平凡社・東洋文庫版、「四国道之記」翻刻版 岡山県立博物館研究報告10…国会図書館は利用登録をすれば簡単にデジタルコレクション内の書籍閲覧が可能。古松軒の年譜は岡山県立博物館研究紀要1(古川古松軒史料--日記・雑記 / 竹林栄一/p23~46)、1978が掲載。
関連記事➊「湊・市・宿駅―近世剣大明神界隈の風景―」松永史談会2017年5月例会
関連記事➋「偽史言説(0r fakelore)としての「高諸神社」@福山市今津町」(論文化予定のため非公開)
これまでの古松軒に関する研究上の論点を抑えたうえで、本年度公開の市民雑誌投稿論攷に続編という位置づけでの話題提供となる。古松軒を京都帝国大学の経済学者黒正巌(1922年)は江戸時代の「地理学者(geographer/geographical-lorist)」だとしたが、正確にいえば当時としてはgeographical-loristとしての傑出した「地理学者」だった。学術的には地理学者野間三郎・辻田左右男の業績等も一応頭の片隅には置いたものとはなるが、ここで今回注目するのは新井白石/貝原益軒-長久保赤水/林子平/古川古松軒→・→(我が国の読史地図研究=今日の読史地図派歴史地理学や地名考証学に道筋をつけた)吉田東伍・河田 羆(高橋淡水の地理学の先生)へと繋がる(和漢混淆/和洋折衷ということにはなるが)我が国に根付いていた、一昔前の”Historiography”の水脈にも光を当ててみる。
3月例会
開催日時 3月29日 午前10-12 開催場所 蔵
話題:『西備名区』(西備図絵を含む、文化元年~5年、1804~1808)に見る馬屋原重帯の地理事蹟研究及び古学研究の在り方(学知的傾向とその水準)について(菅茶山『福山志料』・弁説の中身に関しても必要に応じて言及)<要旨は2025年度の市民雑誌(無査読)投稿予定>
『西備名区』@国会図書館(簡単な利用者登録が必要)。
岩橋清美『近世日本の歴史意識と情報空間』、名著出版、2010。佐竹昭「地誌編さんと民衆の歴史意識」、広島大学・地誌研年報5,1996、59-76頁など一応視野に入れておくが「空間認識」「歴史意識」ではなくknowledge(知→geosophy:前近代的地理思想)上の問題として定式化していく。なお、副次的な問題に過ぎないのだが、佐竹論文はlocal historyがnational historyに包摂される過程を構想した論攷だが、わたしの理解では事柄の本質は佐竹論文の真逆、すなわちnationalなもの(例えば尊王思想、瀟湘八景といった類の「思考の鋳型」)がどのような形で「地元化」=regional/localなもの中に拡散/浸透(=定着)して行っていたのかという側面の見極めにあると考えており、その方面からの言及予定。
参考文献:西向宏介「近世芸備地方の地誌」広島県文書館収蔵文書の紹介
国土地理院・地形陰影起伏図
等高線図(一〇メートル~一〇〇メートル間隔)
色別標高図
表層地質図@国土地理院
2月例会(2月の最終金曜日が天皇誕生日のため、開催日を一週間後ろへずらす)
3月1日 午前10-12時 蔵2階
話題:賴山陽の修史事業に影響を与えた、史志(or 地誌)編纂家古川古松軒(1726~1807)の行動と精神(=学的方法論)について
その他、例えば古川古松軒『東遊雑記』平凡社・東洋文庫版、「四国道之記」翻刻版 岡山県立博物館研究報告10…国会図書館は利用登録をすれば簡単にデジタルコレクション内の書籍閲覧が可能。古松軒の年譜は岡山県立博物館研究紀要1(古川古松軒史料--日記・雑記 / 竹林栄一/p23~46)、1978が掲載。
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関連記事➋「偽史言説(0r fakelore)としての「高諸神社」@福山市今津町」(論文化予定のため非公開)
これまでの古松軒に関する研究上の論点を抑えたうえで、本年度公開の市民雑誌投稿論攷に続編という位置づけでの話題提供となる。古松軒を京都帝国大学の経済学者黒正巌(1922年)は江戸時代の「地理学者(geographer/geographical-lorist)」だとしたが、正確にいえば当時としてはgeographical-loristとしての傑出した「地理学者」だった。学術的には地理学者野間三郎・辻田左右男の業績等も一応頭の片隅には置いたものとはなるが、ここで今回注目するのは新井白石/貝原益軒-長久保赤水/林子平/古川古松軒→・→(我が国の読史地図研究=今日の読史地図派歴史地理学や地名考証学に道筋をつけた)吉田東伍・河田 羆(高橋淡水の地理学の先生)へと繋がる(和漢混淆/和洋折衷ということにはなるが)我が国に根付いていた、一昔前の”Historiography”の水脈にも光を当ててみる。
3月例会
開催日時 3月29日 午前10-12 開催場所 蔵
話題:『西備名区』(西備図絵を含む、文化元年~5年、1804~1808)に見る馬屋原重帯の地理事蹟研究及び古学研究の在り方(学知的傾向とその水準)について(菅茶山『福山志料』・弁説の中身に関しても必要に応じて言及)<要旨は2025年度の市民雑誌(無査読)投稿予定>
『西備名区』@国会図書館(簡単な利用者登録が必要)。
岩橋清美『近世日本の歴史意識と情報空間』、名著出版、2010。佐竹昭「地誌編さんと民衆の歴史意識」、広島大学・地誌研年報5,1996、59-76頁など一応視野に入れておくが「空間認識」「歴史意識」ではなくknowledge(知→geosophy:前近代的地理思想)上の問題として定式化していく。なお、副次的な問題に過ぎないのだが、佐竹論文はlocal historyがnational historyに包摂される過程を構想した論攷だが、わたしの理解では事柄の本質は佐竹論文の真逆、すなわちnationalなもの(例えば尊王思想、瀟湘八景といった類の「思考の鋳型」)がどのような形で「地元化」=regional/localなもの中に拡散/浸透(=定着)して行っていたのかという側面の見極めにあると考えており、その方面からの言及予定。
参考文献:西向宏介「近世芸備地方の地誌」広島県文書館収蔵文書の紹介
国土地理院・地形陰影起伏図
等高線図(一〇メートル~一〇〇メートル間隔)
色別標高図
表層地質図@国土地理院