丁酉倫理会(以下全文引用)
◆概要
□「日本で最初の倫理学研究会。1897(明治30)年に姉崎正治・大西祝・横井時雄・浮田和民・岸本能武太らが設立した丁酉懇話会を母体として、1900年に発足した。「保守的国家主義に対して人格主義を主張し、宗派争いや神学や教理論争以外に人間の道を求める」(姉崎)★をモットーとした。月1回の研究会や講演会を開催し、さらに全部で535集にも及ぶ講演集を発行した。02年の哲学館事件では罷免された中島徳蔵の弁護をするなど、穏健な立場を維持していた。47年(昭和22)に解散したが、会員の多くは50年設立の日本倫理学会に引き継がれた」(日本思想史辞典[2009:674])
★姉崎正治「思想家としての大西博士の人格」『丁酉倫理会倫理講演集』340集、1931.
▼参考文献
■宮川透、1980『日本精神の課題 〔新装版〕』紀伊國屋書店.
▼参考文献引用
□「その「趣意書」には(丁酉倫理会「趣意書」:引用者補足)つぎのように謳われた。「道徳の大本は人格の修養にあり。忠君愛国は国民道徳の要素なりと雖も、而かも人生の本然に稽へて其自覚心を覚醒し其衷心に訴ふるに非ざれば、恐らくは生命ある活動を庶幾すべからざむ。」この文章は《修養》思想台頭の背景とその思想のあり方を考察する上できわめて示唆に富む」(宮川[1980:135])
□「それ(丁酉倫理会「趣意書」:引用者補足)はイデオロギー的には国家権力による忠君愛国思想の国民への注入に呼応する姿勢をしめしながら、しかしそれを単に受注するだけではなく、「人生の本然に稽へて」国民個々の《自然支配》の自律的要求へと切り換えていこうとする日本の知識階層の姿勢を示しているという点である」(宮川[1980:137])
◆概要
□「日本で最初の倫理学研究会。1897(明治30)年に姉崎正治・大西祝・横井時雄・浮田和民・岸本能武太らが設立した丁酉懇話会を母体として、1900年に発足した。「保守的国家主義に対して人格主義を主張し、宗派争いや神学や教理論争以外に人間の道を求める」(姉崎)★をモットーとした。月1回の研究会や講演会を開催し、さらに全部で535集にも及ぶ講演集を発行した。02年の哲学館事件では罷免された中島徳蔵の弁護をするなど、穏健な立場を維持していた。47年(昭和22)に解散したが、会員の多くは50年設立の日本倫理学会に引き継がれた」(日本思想史辞典[2009:674])
★姉崎正治「思想家としての大西博士の人格」『丁酉倫理会倫理講演集』340集、1931.
▼参考文献
■宮川透、1980『日本精神の課題 〔新装版〕』紀伊國屋書店.
▼参考文献引用
□「その「趣意書」には(丁酉倫理会「趣意書」:引用者補足)つぎのように謳われた。「道徳の大本は人格の修養にあり。忠君愛国は国民道徳の要素なりと雖も、而かも人生の本然に稽へて其自覚心を覚醒し其衷心に訴ふるに非ざれば、恐らくは生命ある活動を庶幾すべからざむ。」この文章は《修養》思想台頭の背景とその思想のあり方を考察する上できわめて示唆に富む」(宮川[1980:135])
□「それ(丁酉倫理会「趣意書」:引用者補足)はイデオロギー的には国家権力による忠君愛国思想の国民への注入に呼応する姿勢をしめしながら、しかしそれを単に受注するだけではなく、「人生の本然に稽へて」国民個々の《自然支配》の自律的要求へと切り換えていこうとする日本の知識階層の姿勢を示しているという点である」(宮川[1980:137])