えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

西巻真の「横浜」

2017-11-09 15:06:54 | 歌う
11月8日朝日夕刊の🚶あるきだす言葉たち🚶は西巻真の「横浜」八首
1978年生まれの彼は「未来短歌会」に所属し未来賞など未来の三賞を受賞している。私の結社の後輩なのに今は先輩の歌人である。

「横浜」というタィトルは素っ気ない。でも「港町横浜」だったら歌謡曲だ。生活している町を詠みたかったのだろうか。連作8首から私の好きな4首を取りあげてみる。

⚡通勤終へて夜へ赴けばひろがりぬ開港祭りのひかりの花火

(夜へ赴けばひろがりぬ)が港の花火を鮮やかにしている。

⚡人のゐる窓から順に点りゆくみなとみらいの大きな団地

団地の窓の灯が庶民の生活を伝える

⚡港北といふこの町に船はなく思ひ思ひに窓開きをり

(港)とう言葉は旅をおもわせ哀愁が漂うが、横浜の港北区の人々はそれぞれの生活に追われている。

⚡まぼろしに白き船あらば春だろううつつにあらばさみしさだらう

港のかなたには茫洋とした空間がひろがる。詩人はその海原に白い船を浮かべたくなる、春の海原に。

西巻真さま、 春は遥か彼方ですね。