井の頭公園に太宰治が
♠ 読まれないとき本棚の本はみな直立不動、太宰治も 松井多絵子
三鷹市は22日、井の頭公園に私立太宰治文学館を開設すると発表した。太宰没後70年の記念事業の一環として2019年4月のオープンを目指す。太宰は1939年に三鷹市に転居。下連雀の借家で執筆に取り組んだ。39歳の誕生日を目前に控えた48年6月、玉川上水で入水自殺した。
文学館は、遺族から市が寄託されたり、市が収集したりした資料や遺品を展示する。太宰自ら筆で書いた表札や、古書店主とやりとりした書簡、絵画など80点以上になる見込み。2階建ての規模を想定している。太宰治賞の第2回受賞者・吉村昭は1969年から井の頭公園に隣接する住宅街に住み、庭に約30平方mの書斎を建て、執筆した。この書斎を市が移転し太宰館と共に開設するらしい。
三鷹市は基本計画を来年6月までにまとめ、2018年3月までに設計を終え、同年7月に着工する考え、約3100万円の補正予算案を30日に開会する市議会定例会に提出する。
♠ あの冬のきりりと冷えた夜だった『斜陽』の扉をひらいたときは
11月24日 松井多絵子
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