えくぼ

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井の頭公園に太宰治が

2016-11-24 09:23:40 | 歌う

              井の頭公園に太宰治が

 ♠ 読まれないとき本棚の本はみな直立不動、太宰治も  松井多絵子                            

  三鷹市は22日、井の頭公園に私立太宰治文学館を開設すると発表した。太宰没後70年の記念事業の一環として2019年4月のオープンを目指す。太宰は1939年に三鷹市に転居。下連雀の借家で執筆に取り組んだ。39歳の誕生日を目前に控えた48年6月、玉川上水で入水自殺した。

 文学館は、遺族から市が寄託されたり、市が収集したりした資料や遺品を展示する。太宰自ら筆で書いた表札や、古書店主とやりとりした書簡、絵画など80点以上になる見込み。2階建ての規模を想定している。太宰治賞の第2回受賞者・吉村昭は1969年から井の頭公園に隣接する住宅街に住み、庭に約30平方mの書斎を建て、執筆した。この書斎を市が移転し太宰館と共に開設するらしい。

 三鷹市は基本計画を来年6月までにまとめ、2018年3月までに設計を終え、同年7月に着工する考え、約3100万円の補正予算案を30日に開会する市議会定例会に提出する。

    ♠ あの冬のきりりと冷えた夜だった『斜陽』の扉をひらいたときは 

                      11月24日  松井多絵子 

 

 短歌情報 ♦ 新刊歌集

   ✿ 大河内惇行歌集 『鷺の影』  不識書院・本体3000円

      「生きて帰りて一夜の明けむ朝なれば凍る枝々に光るその雪」

   ✿ 松村正直評論集 『樺太を訪れた歌人たち』 ながらみ書房・本体2500円

     北原白秋、斉藤茂吉、土岐善麿、、なぜ樺太にひかれたのか。 


あれから5年8か月

2016-11-23 09:51:08 | 歌う

               あれから5年8か月

 東日本大震災で市街地の65%が浸水した宮城県東松島市。昨日午前6時過ぎに津波注意報が発令。2分後には避難指示。今回の地震はM7・4と推定。10回目の余震。
今回は仙台港に1・4メートルの津波が到達した。高さ1mの津波の破壊力の動画がツイツターに転載されたそうだ。私は歯科医院で治療を受けていた頃である。

 動画の津波は、巨大な水路で大波が発生、そのまま障害物に衝突し轟音を立てる。水しぶきが高台にまで飛ぶ。高さが20~30センチの津波でも多くのひとが転んで流される。津波は非常に大きなエネルギーであり、1mとなると全く抵抗できなくなるらしい。

               津波が迫る 七首   松井多絵子

     津波より逃れてくれよあのひとは山へ登ったことなどなかった

     あたらしきテレビがリアルタイムにて家々呑みこむ津波を見せる

     手をのべて流れる家もトラックも掴めそうなりテレビへ寄りゆく

     十メートルの津波をおもう電柱の高さの津波の迫りて来るを

     海近き二階の家のその屋根に乗り上げし船には人影あらぬ

     海の怒りの鎮まりしのち親を子を瓦礫のなかに探すひとびと

     壁のごと迫る津波を語るとき海辺の女は瞼をとざす

 

 東日本大震災はM9という巨大な規模だった。そのエネルギーは今もプレートにひずみをもたらし地震を起こしている。私たちは滑り落ちそうな島で暮しているのだろうか。  

                    11月23日 松井多絵子、


本日の朝日歌壇より

2016-11-21 09:15:25 | 歌う

              本日の朝日歌壇より

 30分前に読んだ新聞記事について書くなんていかにも「拙速」かもしれない。でも私は情報は新鮮なのが何よりだとおもう。正確な情報を心がけながら、本日の朝日歌壇を。

 ★初めての選挙で知ったこと一つ投票用紙は鉛筆で書く (富山市) 松田梨子

 朝日歌壇の子供歌人として親しんでいる松田梨子はいつの間にか大人になってしまった。選挙で投票した梨子は貴重な1票を鉛筆で書くことに驚く。誰かが消しゴムで消して別の候補者の名を書くことだって、、アメリカも鉛筆なのだろうか。とあらためて私は気づく。

 この歌は次の3人の選者が選んでいる。

 永田和宏 第2席に、{評} 松田さん、実際に経験してみないと分からない事がある。鉛筆への気づきが秀逸である。

 馬場あき子 第1席 {評} 十八歳となってはじめて選挙権を得た作者の面白い発見。意外な手軽さだったか。

 佐佐木幸綱 第8席 {評}はない。

 朝日歌壇でおなじみの松田梨子と松田わこは姉妹である。彼女たちは朝日歌壇のペットみたいだ。梨子は犬、わこは猫、のようにも思えるその作品は。今日は妹の「わこ」の歌は載っていない。わたしは「わこ」の作品の従来の短歌から外れた面白さ、楽しさ、妖しさを楽しんでいるが、今日の梨子の歌はスゴイ、「ホームランを打ったな」と感服、私は全く気が付かなかった「えんぴつ」に気が付いている。梨子は初めての選挙だったから気が付いたのか、いや、彼女はつねに「発見」を心がけているのだ。

 梨子とわこ ふたりの今後をおもう。ペアーで歌壇で活躍するか。ふたりは今後、異なる結社に所属するか、おなじ結社に所属するか、

 もし、たとえば私の結社に梨子が入り選者になった場合、わたしが長生きしたら、松田梨子先生に師事するということだってある。梨子先生から「日常生活でつねに発見を心がけなさい」と言われかねない。私は梨子先生の顔色を見ながら詠む。でも長生きしてボケなかったった場合のこと。 さてこれから珈琲を飲んで また朝刊をひらきます。

               11月21日  松井多絵子

らの 

 


ある校閲ガール

2016-11-20 09:29:30 | 歌う

               ある校閲ガール

 ♠ つり革につかまり重きカバン持つわたしの腕はわたしの履歴  松井多絵子

 「地味にスゴイ!校閲ガール」 こんなテレビドラマが注目されているらしい。実話であり、ヒロインの河野悦子は新潮社校閲部員丸山有美子というひと。42歳。大学の教育学部卒業後、新潮社入社。校閲部で美術、政治経済、小説の各月刊誌を経て、2002年より文庫担当。歴史からSFまであらゆる分野の書籍に携わっている。

 ドラマでは破天荒な仕事ぶり、実際の校閲部員はどんな感じか、昨日夕刊朝日 「ぶっちゃけ聞いてみた」 の記事を引用してみる。「わたしたちの仕事が注目されています。うれしいですが、こういう風が吹いている時に、びっくりするような失敗をしたりするかもしれない。気を引き締めていかないと」。

 ※ そうですよ。丸山さん、好調な時こそ注意すること。人が寄ってくる。ホメられるとほろ酔い気分になり、気軽に喋る。落ち込んでいる人に「私だってあの手この手でやってきたのよ」などとオーバーに話す。サービス精神が過剰になりがち。それが誇張されて伝わり仲間の反感を買う。なにげなく云った言葉も深読みされ、誤解されたりしますよ。

 丸山有美子は 「ノーミスというより原稿を正確に一番伝わる形にして送り出すことを目指す。チェックは初校、再校、念校と3段階。再校まで2人1組で仕事をし、別の人の目も入れる。印刷所に回し、製本前の刷りだしと製本後の見本を確認して終了です」。

 「読書が好きで、校閲部なら本読んで給料をもらえると就職先を選んだが校閲と読書とは全く違う、自分のミスは会社のミスに直結します。ドラマの河野悦子みたいな、超前向きな仕事ぶりは、まねしようと思っても、私はちょっとできませんね」

   丸山有美子さま 私はあなたのマネをしょうと思っても、ちょっとできませんね。

                               11月20日  松井多絵子


山ガールへの情報

2016-11-19 09:17:51 | 歌う

             山ガールへの情報

 ▲ 冬山の気象を学ぼう

 「冬山の気象講習会」が24日午後7時~9時、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で開かれる。講師は山岳気象予報士・猪熊隆之氏。冬山の山岳気象の基礎と特徴、予報の方法などを実践的に学ぶ。一般参加の受講料は2200円で、定員80人。申込みと問い合わせは主催する都山岳連盟事務局に電話(03・3526・2550) 平日午後1時~5時
メール koshu@togakuren.com

                        

               されど雪山 七首     松井多絵子

      あの雲はやせてしまった空言を考えながら登っていたら

      俯いてうつうつ登る、がんばるという意思すでに縮みていたり

      空へゆくように登りし山道を中腹あたりで下りはじめる

      山道を下る右脚左脚それぞれ我を支えてくれよ                  

      山頂のするどき牙がわれに向くアルプス連峰深夜映像

      冬山を登るひとりの山ガール、恋に破れた瘦身のひと

      見たくない山にて自死する女など、テレビを消して、されど雪山  

                                             

                      11月19日小雨  松井多絵子