えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

殻ちゃん~29回

2014-11-13 09:17:18 | 歌う

             ・・・ 殻ちゃん~29回 ・・・

 明日から夏休み、「海を見たいなあ、泳ぎたいなあ」と殻ちゃんは張り切っていた。でも学校から帰ると、成績表をアキに渡して部屋にこもったままである。アキはそれを開いてぞっとした。5段階評価ですべてが2、つまりオール2だ。やはり神山中学はキビシイなあ。落ちこぼれか。担任の泉先生の言葉が添えてある。「この夏休みは水口殻の試練の休暇です。英語と数学、国語の古文の1月期の復習をしかるべき指導者のもとで実行してください。極めて厳しい現状を認識しなければなりません。 まるで活字のような字で書かれている。 

 アキはタレントの頃に奈落の底へ落ちた時の、失意と不安が蘇る。あの奈落の底から立ち直れたのだ。何とかなるさ。やはり川上先生に縋ろう。電話をする。女神の先生に。

 アキ ♠ 「ごぶさたしてます。今日、成績表を頂きましたがとても厳しくて、、。」

 川上 ♠ 「神山中学は超一流ですから。この夏休みに何とかしましょう。神山中学のカリキュラムに沿った補修教室がこの近くにありますのでこれから聞いてみます」

 部屋から出てきた殻ちゃんはさほど落ち込んでいない。「お腹が空いた。ピザパイが食べたい」なんて言う、飛鳥もさやかも4はなかったと言う。タワー君は4が多かったらしい。そのとき川上先生から電話がかかる。やはり縋れる女だ。

 川上 ♠ 「いまQA会の先生と連絡がつきました。今日の3時半に殻ちゃんと一緒に私の塾へいらしてくださいませんか。QA会はこの塾から歩いて5分、ビルの中にあります。神山中1の殻ちゃんのクラスの方で、ファッション、ライターのユイさんの息子さんもいるそうですよ。この3月から、ですから合格発表の直後から英語、数学、古文を、、。」

 成功する人はぬかりがないなあ。ユイは自分の仕事も子供の教育もしっかりやっている。
林真理子の語録のひとつをアキは思い出していた。

      ✿ あれこれ迷う前に一歩でも前に進んだほうがいい。 林真理子

            まだ続きます、どうぞよろしく 11月13日 松井多絵子