えくぼ

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冬眠したい

2014-11-26 09:02:06 | 歌う

           ・・・・ 冬眠したい ・・・・

❤ 貴女だって冬眠したらいいのにと夢の草葉の鈴虫が言う   松井多絵子

 寒くなってきた。さらに寒くなるだろう。夜更けの鈴虫のなき声は全く聞こえない。すでに冬眠しているのだろう。哺乳類や鳥類の一部は食糧の少ない冬は冬眠する。爬虫類や昆虫は極めて不活発な状態で「冬越」する。うとうとしているのだ。地下はやや暖かいから。

 紅葉が燃え尽き散りはじめる頃から寒さが厳しくなる。私の歩く距離か短くなる。家で本を読んでいると居眠りしてしまう。冬は無気力になる。人間だって冬眠したらいいのに。昆虫のように冬越できる処があればいいのに。例えばケアーホームやカプセルホテル。ベッドだけあればいい。食べないのだから安上がりだ。室温22度は人間が最も心地よい温度らしい。その部屋で眠って越冬する。三月の下旬にモーニングコール。桜が咲きはじめている。菜の花がすでに野を黄色に染めている。

 ♠ A面とB面のわれが添いながら眠りの森を歩きはじめる

 ♠ いくつもの鍵に守られ眠る夜の耳に寄せては遠のく風波

 ♠ 濃くなりし深夜の闇に横たわり海底の魚になりゆくような

    昨日の深夜から私は人魚になり海の底で眠っていたのに、現実に戻されて、、。

 ♠ まだ生きていたのか時計のアラームに目ざめて今日の朝(あした)がひらく

    もし人間が冬眠したら、そのまま永遠の眠りになるかもしれませんね。

                           11月26日  松井多絵子

           ※      ※      ※      ※      ※

 ◆ 俳句情報

  七田谷まりうす句集 『通奏低音』 第4句集。角川学芸出版・本体2200円

              ✿ 折鶴の折り方忘れ雪の暮

  奥田好子句集  『陽だまり』 第1句集 日本伝統俳句協会・税込2500円

              ✿ 勝敗の汗拭きながら泣きながら