えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

小林凛は中1俳人

2014-06-25 09:21:28 | 歌う

               「小林凛は中1俳人」

❤ いじめられ行きたし行けぬ春の雨  小林凛

 「ランドセル俳人・小林凛」のことをブログに書いたのは1年前の5月である。中学生になった凛クンをランドセル俳人と呼ぶわけにはいかない。もうイジメられることもないだろう。昨日の朝日夕刊に、米国総領事と握手する小林凛のカラー写真入りの記事。パトリック・J・リネハン米国総領事は高校の頃にいじめに遭ったので、俳句を支えにいじめと向き合う凛クンに会いたくなったらしい。大阪市の米国総領事館に凛クンを招き、「会えてうれしい。凛さんの強さ、力を感じる」と語り握手。凛クンの総領事へのお土産は ✿ 冬の薔薇 立ち向かうこと 恐れずに  厳しい寒さのなかで咲く花の姿に、逆境に負けまいとする気持ちを重ねた句だ。彼は別れのあいさつを英語で交わした、練習してきた英語を使って。

 小林凛という名は本名ではないそうだ。小林一茶が好きだからだ。既に一茶が驚く句を作っている。

❤ 春の虫踏むなせっかく生きてきた

❤ かき氷含めば青き海となる

 わたしは1年前のブログで、凛クンに 「向日葵の句をたくさん作ってね」 と書いた。8月に新しい句集を刊行するそうだ。中学生になった凛クンは、子ども俳人ではない。中学生でなければ作れない俳句を、向日葵の句を、期待している。今年も前半が終わる。八月の波が押し寄せてくる。

         小林凛サマ   富士山に登れよせっかく生きてきた

                              6月25日  松井多絵子

   


バラにはなれない

2014-06-24 09:15:58 | 歌う

                「バラにはなれない」

 旅行社から送られてきたPR誌には。バラの名園をまわるツアーは見当たらない。あれほどたくさんあったのに、7月にはバラのツアーはない。花屋には色とりどりのバラがあふれている。贈り物のバラなのか

✿ 怖いこと言ってくれるな紅バラは紅バラの木にしか咲かないなんて

 10年も前のわたしの歌である。この歌に共感してくれた歌友が何人かいた。著名な歌人の子息、妻、孫などの作品が高く評価されることへの、私の批判だとおもわれたようである。成功したひとの子供たちは、一般の人とはちがうスタートラインから出発する。そのことへの不満は大きな声では言はないが、ひそひそ話。反発してガンバル人は有名な歌人になれるかもしれない。グルメやおしゃれ、おしゃべり、テレビにも付き合わず、読んで詠みまくることができたなら、でも、頑張りたくない人は、「やはり、才能なのよ」。「バラはバラの木にしか咲かない」 と言う。わたしもその一人だが、、。

 わたしの歌集を開いてもバラの歌はなかなか見当たらない。才色兼備のおんなのようなバラ、しかもひそかに棘を備えている。わたしを落ち着かせてくれない花である。わたし蕩けさせてくれる紫陽花が大好きだ。でも紫陽花の泡はいま消えつつある。向日葵はわたしをヤル気にさせてくれる。この花を見ていると食欲旺盛になる。サルスベリもいい。とくに白サルスベリの下に立つとウエディングのベールを被るようだ。

✿ 花壺の白バラいつまで生きるのか切られてもなお青春の肌

 もう5年も前のこと、妹の葬儀の後、一抱えの白バラを持ち帰った。居間に飾ったが夜、電気を消すとバラの白さがするどくなる、もしカーネーションだったら、白さがやわらかいのに、あたたかな白なのに、 あの秋から私はバラを買わない、贈らない。 贈られることもない、バラの花束。

  ♪♪♪  さとサマ  わたしのブログを楽しく読んでくださるとのこと、とてもうれしいです。

                                   6月24日  松井多絵子  

 


スマホは怖い?

2014-06-23 09:21:13 | 歌う

              「スマホは怖い?」

 本日・6月23日の朝日歌壇のスマホの歌について考えてみたい。

 ★★ のちの世にスマホ時代と語られるのどかな時代なんだろう、今  (神戸市) 安川修司

 永田和宏と高野公彦の二人の選者が共に第八席に選んでいる。 「評」 は添えられていない。
電車やバスに乗れば右も左もスマホ、スマホ、である。メールのやりとりなのか。彼か彼女か、あるいは単なる友達。ツィッター、検索、ゲーム。 若者たちは電車の座席に座ったらスマホに夢中である。老人に席を譲る若者は少ない。あるいは座席を譲りたくないないから、「スマホ」 なのか。などと思ってしまう。

 「のちの世にスマホ時代と語られる」、、たしかに今まさに 「スマホ時代」 だ。日本では衣食に事欠かない人が多く、戦争もない。震災からも何とか立ち直りつつある。 「のどかな時代なんだろ、今」 の下句が気になる。のちの世の人々が、そのように語るのは、「スマホ時代」の後の厳しさを暗示しているのか。
人間は互いに競争するあまり、余計なものを作りすぎている。人間が作った武器が人間を滅ぼすのだ。

 

 朝日歌壇の次の頁に 「寝る2時間前 スマホ控えて」の記事  ✿ 画面から目を守るために

♠ ブルーライトをカットする眼鏡を使う

♠ 太陽光が映り込まないよう窓にカーテンやブラインドをかける

♠ 1時間おきに10~15分休憩を

♠ 遠くの景色を見る。(数メートル先でも良い)

♠ 背伸びなどストレッチをしたり、歩いたりする。

 ※ パソコンもスマホとおなじように以上の注意が必要だそうです。 ああ、私の目の忙しこと。

      目玉焼きの黄色のひとみに見つめられ激しきことを言いたくなりぬ

                         6月23日   松井多絵子                  

  


叱られる力

2014-06-22 09:09:01 | 歌う

              「叱られる力」

✿ 『叱られる力』という本どこにある書店のなかは夕ぐれの森   松井多絵子

 阿川佐和子の『叱られる力』という本の新聞広告の顔写真のお若いこと。まさか30年前の写真ではないでしょうね。『聞く力』は150万部のベストセラー、また、『力』ですね。阿川佐和子は力士めいてきて、体力で勝負か。広告は本の内容を5つの箇条書きにしている。シンプルで魅力的な5つの箇条書きである。

1 「最悪の経験」をバネにする

2 出世したい、モテたい、、「下心」 が肝腎

3 「いつでもそうなんだから」 は禁句

4 親は嫌われる存在でいい

5 感情的にならない、理由を話す、他 

※ 5、「他」は何だろう。『叱られる力』という本を買ってじっくり読みなさい、立ち読みではわからない、か。

 『聞く力』についての取材を受けながら、阿川佐和子は、いかに若い社員が叱られ弱いかを度々聞いたらしい。注意したら会社に来なくなったりで、叱ることができない上司が増えているとか、少子化も原因であろう。短歌の世界でさえそうなのだ。歌会の新入会員、とくに若いひとには苦言はダメよと言われたことがある。少数の歌会では会員が減ると運営がきびしい。褒められれば気分がよくなり止めたりしない。しかし無理に褒めるのも不自然だ、そういう場合は「いつもアナタはいい作品を作るのに」などと。甘口の酒ばかり飲んでいると辛口がおいしくなる。5回ほめて1回は叱る。叱るときは相手に期待している、好感を持っていることを感じさせなければ効き目がないのではないか。でも、ホントに好意をもっていなければ逆効果かも。「親にも上司にも叱られ続けた」という阿川佐和子は大切に育てられたのだろう。そして彼女は
✿ 「叱られる力」 を養ったのだろう。ますます筋肉逞しいエッセイを書くだろう。

   ここまで書いたとき急に土砂降り、もう止めますね。わたしのおしゃべり。  

                                   6月22日  松井多絵子


小島なおの飛ぶ言葉たち

2014-06-21 09:01:29 | 歌う

              「小島なおの飛ぶ言葉たち」

 

 6月17日朝日夕刊の ✿ あるきだす言葉たち 小島なお 「神輿」 10首である。小島なお が神輿とは。ミスマッチ。彼女にはフェスティバルが似合う。しかし、一連を読み彼女はオシャレな歌を詠みたくない、いわゆる骨太の歌を詠みたくなってきた、ように私には思えた。

✿ 霧雨に煙る鴉の眼のなかに電信柱が立っているなり

 この歌が老人の多い歌会に出詠されたら、「霧雨に煙る鴉の「鴉」は「我」の誤植ではないですか?」 と聞かれるかもしれない。あるいは 「鴉とは唐突ですね」、「意表をつく表現ですよ」 などと。 鴉の視力など私は考えたことがなかった。人間の眼と機能が違うとしたら視界も異なるだろう。電信柱の太さや色も私たちの見るものと違うであろう。

✿、おおいなる裸足の足が上空を跨ぎゆきたり祭りの前夜

 五月中旬の浅草の三社祭り前夜の歌らしい。明日は晴れて欲しいと願いながら見上げる夜空に
神輿を担ぐ足が過ぎる。途方もなく大きな足、はだしの足。いよいよ三社祭りだ、興奮している小島なお。

✿ 跳ね揺られ担がれてくる神輿なり君への愛の強さ疑う

 力強い上句からはじまる、この歌は 「神輿」10首の最後の歌である。君への愛を謳歌していると思っていた読者は、結句で見事にはぐらかされてしまう。 君への愛の 「強さ疑う」 という屈折した結句。1986年生まれの小島なお、20代もそろそろ終わる。大人の女になってきたのだ。

 小島ゆかり先生  なおチャンはもう新人ではありませんね。先生は安心してオバアサンになれますよ。

                          6月21日   松井多絵子