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寺山修司の妻なりし人

2014-06-29 14:16:22 | 歌う

            「寺山修司の妻なりし人」

 ☀ つゆ晴れの空には本が、あの本が、寺山修司の『田園に死す』   松井多絵子

 生きていたら寺山修司はいま78歳、お酒も煙草もダメだったらしいのに48歳で亡くなるなんて。10代の半ばから俳句をはじめて、短歌、小説、作詞、脚本などなど言葉の錬金術師になってしまった。短歌はさっさと中退して 劇団 ✿ 天井桟敷 を旗揚げした寺山修司、 その彼の元妻が4月30日に亡くなった。九条今日子という演劇・映画のプロデューサーだったことを昨日の朝日夕刊ではじめて知った。 寺山と知り合ったときは、松竹歌劇団から映画に入った人気女優だったらしい。ともに27歳のときの結婚。しかし自宅は劇団のたまり場となり、妻は耐えかねて離婚を切り出すと、寺山は「これからは同志になろう」と。

 昨年は寺山修司没後30年、元妻・九条今日子は ✿ 青森県三沢市の寺山修司記念館など ✿、テラヤマ・ワールド のために協力。若い寺山ファンが次々生まれたのは九条のおかげだ。昨年の大仕事を終え、
寺山の命日の5月4日を目前に亡くなった。 周囲には隠していた病名は 食道静脈瘤破裂 である。

 九条今日子のノートに 「皆さん私は今日でお別れです/そして寺山の待つ世界に行きます(中略) /全ての皆さんと会えて楽しい人生を /送ることができて感謝の気持ちでいっぱいです /ありがとう!又、会える日まで」 と鉛筆の走り書き、「返礼のことば」という題である。

  九条今日子さま  つゆ晴れの空には ✿ テラヤマ・ワールド の入り口が見えますよ。

                                6月最後の日曜日の午後   松井多絵子