「未来」の新年会
1月12日は「未来」の新年会だった。場所は日本出版会館。神楽坂を上りつめ左折して又のぼりレンガの中層の会館、ロンドンの郊外にいる気分にさせてくれる此処は。約20年前にはじめて「未来・新年会」に出席したとき、私の隣の隣に加藤治郎が座っていた。すでに歌壇で大活躍だったが、とっくりのセーターを着て会員のなかに紛れていた。私も新進歌人であるような錯覚の一日だった。今年の私は遅れたために席は一番うしろ。空いている席に座ったら、左は鈴木博太、右は野口あや子、ふたりとも短歌研究新人賞受賞の若手の歌人である。「未来」の新年会は松井多絵子をさらにミーハーにする。
❤会場と外の気温の差をおもう差があるということは苦しい 松井多絵子
午前中は2013年に会員が刊行した歌集についてのシンポジウム。早稲田短歌会、塔短歌会の吉田恭大さんも参加していた。未来新旧会員9人の歌集についての少し硬い語らい。
午後は岡井隆の講話30分に続き選者による会員の作品の評。100人以上の出席者の作品の批評、というより作品の印象の少量の発言、深読み、浅読み、勘違い読みも面白い。
❤敵なのか味方なのかもわからない才色兼備の小百合と乾杯 松井多絵子
懇親会は「未来賞」の受賞式から始まる。今年はW受賞。斉木ギニと服部真里子、未来力作
賞・佐藤伊佐雄、作品はすでに「未来1月号」に掲載されている。
7時半、今年も大島史洋の閉会の辞の後「では又」と別れる。でも昨年の新年会で「では又」と別れてあの世へ行ってしまった会員もいる。私は「じゃあ、ね」と別れることにしている。
1月14日 松井多絵子