軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

キャットミントとシャア・アズニャブル

2017-05-12 00:00:00 | 日記
 猫が「またたび」を好きなことは知っていたが、「キャットミント」もまた同じような猫の好物だとは知らなかった。

 庭に蝶を呼ぶために一昨年キャットミントを植えたのだが、昨年まではそれなりに奏効して、何種類かの蝶がこのキャットミントの花を目当てに吸蜜に来るようになっていた。


キャットミントに集まってきたウラナミシジミ(2015.11.24 撮影)


キャットミントで吸蜜するキタキチョウ(2016.10.4 撮影)

 そのころは、まだ猫が我が家の庭に出入りすることはそう多いことではなく、時々ご近所の飼い猫がふらりとやってきて通り過ぎていく程度であった。

 ところが、今年になって事態が変わった。今年初めに、ダイニングの窓際に設けた小鳥用の餌台にシジュウカラなど脂分を好む鳥たちのために牛脂の固まりをくくりつけていたところ、これが丸ごとなくなるという出来事が起き始めた。

 以前、ウッドデッキの方の別の餌台で同じように牛脂を金属製の網かごに入れてぶら下げていたのだが、これは何度となくカラスに引きちぎられて持ち去られていた。

 しかしダイニングの窓際に置いた餌台の牛脂にはカラスは長い間一度も来たことがなかった。それがなくなるようになったので、とうとうこちらの牛脂もカラスに狙われるようになったかと思った。

 このころは、毎日のように長時間3Dビデオを回して、餌台にやってくる小鳥たちの撮影をしていたが、ある日今度は牛脂をくくりつけた止まり木の枝先が折られ、更に翌日にはその枝も丸ごとなくなってしまったので、犯行現場を見てやろうと思い、2日分のビデオを再生してみて驚いた。

 1月17日のビデオには、餌台がぐらぐら揺れたかと思うとそこに猫の姿が映し出されていたのである。


餌台に前足をかけて顔を出したチャトラ猫(2017.1.17 10:56 撮影のビデオからのキャプチャー画像)


枝をまるごとくわえて先の方を折ってしまった(2017.1.17 11:08 撮影のビデオからのキャプチャー画像)

 こんなことが起きていたとはまだ知らなかったので、毎日の習慣で、この日も夕方見ると牛脂がなくなっていたので、短くなった枝先に再び牛脂をくくりつけた。

 翌日1月18日撮影のビデオには朝からいつものとおりシジュウカラがやってきていた。その後珍しくけんかをしないでヒヨドリとツグミも一緒に餌を食べ始め、さらに名前をつけたおなじみのメンバーであるキジバトの「モンドノスケ」とスズメの「サナチャン」も来ているのが写っていた。


いつものとおりシジュウカラが来て牛脂をついばんでいる(2017.1.18 8:31 撮影のビデオからのキャプチャー画像)


珍しくヒヨドリ(左)とツグミ(右)が一緒にやってきて、常連のキジバトの「モンドノスケ」とスズメの「サナチャン」も仲良く餌を食べている(2017.1.18 8:44 撮影のビデオからのキャプチャー画像)

 ところが、午後になるとまたしても餌台に猫が現れた。牛脂はすでに小鳥たちにほとんど食べられていたのであるが。


はじめは餌台の横に顔が見え(2017.1.18 15:57 撮影のビデオからのキャプチャー画像)


次に前に回り前足が見え(2017.1.18 15:57 撮影のビデオからのキャプチャー画像)


餌台に登ってきた(2017.1.18 15:57 撮影のビデオからのキャプチャー画像)

 牛脂を狙って餌台によじ登り、これを丸ごと持ち去っていたのはチャトラの猫であった。

 今は牛脂だけの被害であるが、餌台に集まってくる野鳥にまで被害が及んではいけないと、小鳥と猫の両方が好きな妻は餌台から離れた玄関脇に猫用の餌を置くことにした。

 猫用の餌を置いてからしばらくして、このチャトラ猫が食べに来るようになった。はじめのうちは、妻が近くに行こうとすると、「シャー」といって威嚇をした。


「シャー!」と威嚇してみせるチャトラ猫(2017.2.6 撮影)

 そのうち、妻には慣れてきて近くに寄っても逃げなくなり、毎朝のように餌を食べにくるようになってきた。


玄関脇の発泡スチロールの箱の中で休むチャトラ猫(2017.2.16 撮影)

 この雄猫に名前をつけようかと言う事になり、私は餌台によじ登ってきたのだから、昇太(ショウタ)にしようと提案したが、略して呼ぶときに「ショー・ショー」となるのでは響きがよくないとのことで妻から却下された。その後妻から折衷案のような「シャア」が提案され、これに決まった。正式な名前は「シャア・アズニャブル」である。

 この「シャア」、妻にすっかりなれてしまい、始めのうちは玄関先にいたのだが、次第に用心しながらも玄関の中にまで入ってくるようになった。


玄関の中で専用の小屋をもらって、その中で楽しい夢を見る「シャア」(2017.2.24 撮影)


時にはドアストップになる「シャア」(2017.3.8 撮影)

 雄猫なので仕方が無いのかもしれないが、ご近所のどこかで飼われている雄の黒猫や、少し離れたお店で買われているという白い長毛の雄猫と激しいケンカをするようで生傷が絶えない。後ろ足を引きずったり、前足を浮かせて地面につかない様にしながらもほぼ毎朝のように通ってきている。


すっかり我が家の猫のようになり、玄関で外を眺める「シャア」(2017.3.9 撮影)

 4月も中旬になり、だいぶ暖かくなって庭に植えた草花の芽が出始め、庭木の芽も膨らんできたある日、この「シャア」が玄関先の木道の隙間から顔を出しているキャットミントの新芽を舐め回し、先端をかじっているのを見かけた。別な場所のキャットミントの芽を妻が摘んで与えると舐め回してから食べてしまった。


キャットミントの新芽を舐める「シャア」(2017.4.16 撮影)

 少し伸びてきたキャットミントの上で体をこすり付けてうっとりとする姿もも見られるようになった。


キャットミントの上に横たわってうっとりする「シャア」(2017.4.19 撮影)

 ここで遅ればせながら初めて、このキャットミントの名前の由来を悟った。猫が好きなミントという意味が込められていたのである。

 このキャットミント、そろそろその芽が出始めて今年もまたたくさんの蝶を呼び寄せてくれると期待していたところであったので、「シャア」がこれを食べてしまうのでは少々困ったことになるなと思っていた。


庭で「こうばこ」状態になってくつろぐ「シャア」(2017.4.22 撮影)

 しかし、すっかり我が家になついていると思っていた「シャア」だったが、所用で2日ばかり留守にすることが続いた日を境にぷっつりと来なくなってしまった。これまでも2日ほどやってこないことがあったようだが、その時は決まって足に大きな怪我をしていて、足を引きずりながら再び現れていた。

 今回はそれとは様子が違っている。交通事故にあったのではないだろうかと妻と心配したりもしたが、少しいいほうに想像することにしている。

 軽井沢は別荘地なので、「シャア」はどこかの別荘主に飼われていたのであろう。その証拠にしつけがとてもよくできていて、妻が餌を与えても実に行儀よく食べているという。その飼い猫であった「シャア」が何かの理由で別荘を離れ、飼い主が都会の自宅に帰るときに一緒に帰ることができなくなってとり残されていた。

 そして、その飼い主が、今回ゴールデンウィークで別荘にやってきたので、再会することができた・・・というのである。これは「シャア」がいなくなってシャアロス気味の妻が考え出した物語である。


あまり抱かれるのは好きではないが、仕方なく妻に抱かれている「シャア」(2017.4.22 撮影)





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1 コメント

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シャア・アズニャブル (どくだみ)
2017-05-16 17:06:42
シャア・アズニャブルちゃん、かわいいですね

我が家にも外猫ちゃんたちがやってきます。
しばらく姿が見えなかったとき、私も奥様と全く同じ物語りを考え付きました。
半年くらい帰ってこなかったことも。
どうですか?戻ってきましたか?

外猫ちゃんにごはんをあげたらいけないと思いつつも、なついてくるので思わずあげてしまいますよね。
なぜか軽井沢のオス猫ちゃんたちは、人馴れしている子が多いような気がします。
メス猫ちゃんはすごーく警戒心が強いですけれど。
実際、別荘で飼われて、おいていかれてしまったのかもしれませんね。

シャア・アズニャブルちゃんが戻ってきてくれることをお祈りしていますね。
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