軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

旧古河庭園のバラ(1/2)

2024-06-07 00:00:00 | 日記
 夕方からの所用で東京に出る機会があったので、少し早めに家を出て、旧古河庭園と、フジフィルム スクエアに立ち寄った。

 フジフィルム スクエアでは、富士フィルムグループ創立90周年記念コレクション展として『フジフィルム・フォトコレクションⅡ』世界の20世紀写真「人を撮る」が4月26日から5月16日まで開催されていることを知っていたからであった。

 その展示作品の中には、私も知っているW.ユージン・スミスの「楽園への歩み、1946年」が含まれていて、先日私のショップを訪ねてくださったプロ写真家の、J.E.アトウッドさんが、第1回ユージン・スミス賞を受賞しているということも関係していて、この機会にぜひ見に行ってみたいと思っていたのであった。

 
『フジフィルム・フォトコレクションⅡ』世界の20世紀写真「人を撮る」のパンフレット

 このコレクション展のパンフレットには次のように記されていて、写真の原点が人物の撮影にあることを思い出させる。

 「・・・本コレクションのテーマは『人を撮る』。
 人物写真は、写真術誕生における最大の動機であり、写真の原点であったとされています。新たな技法がいくつも生まれたその歴史の中で、人物写真は常に人々の関心の中心であり続け、それは今日においても変わりません。『人を撮る』ことは、写真の歴史の中で最も身近で、最も特別なものであり、写真の普遍的なテーマであるといえます。・・・」

 会場に展示されている21作家・全53点の写真は、すべてオリジナルプリントであるとされ、大半が、ゼラチン・シルバー・プリントによるモノクロ作品であった。

 ここでは、多くの無名の人々の写真と共に、我々がよく知っている、ウインストン・チャーチル、ジョージ・バーナード・ショー、アルベルト・アインシュタイン、ヘレン・ケラー、ジャン・シベリウス、アルベルト・シュヴァイツァー、パブロ・ピカソ、アーネスト・ヘミングウェイ、ジョアン・ミロ、マルク・シャガール、モハメド・アリ、ジャック・クストー、マリリン・モンロー、ジョン・F・ケネディーなどの生前の姿を見ることができた。

 さて、この写真展で、写真の原点は人物の撮影であるとの表現に出会ったのであるが、この日私がまず写真を撮りに出かけたのは、旧古河庭園のバラ園であった。上京前日の新聞で、この庭園のバラが見ごろを迎えているとの記事に目がとまったからであった。


旧古河庭園「春のバラフェスティバル」のパンフレット

 以前、軽井沢にあるレークニュータウンのバラ園に咲く多くのバラの中から、50種ほどを紹介したことがあった(2018.6.29 公開当ブログ)。ここも含めて、軽井沢ではまだバラの季節はもう少し先になるので、一足先にバラを見、写真を撮りたいと思って出かけたのであった。私の被写体は、人物ではなく、もっぱら自然の動植物や昆虫である。

 関東には随分長く住んでいたのに、この旧古河庭園に来るのは初めてである。この旧古河庭園のある北区西ヶ原という場所は、妻が生まれた場所であると聞いているし、東京で働いている娘が最近まで住んでいた場所にも近いのであるが。

 その旧古河庭園のバラ園、ここには約100種200株のバラが植えられているとされる。

 正門から入り、サービスセンターで入園料を支払う。65歳以上の個人入園料は70円と随分安く設定されている。それもあってか、平日のこの日の入園者には高齢者がとても多いようであった。


旧古河庭園の案内パンフレットから

 順路に従って園内に入ると正面に立派な2階建ての洋館が見える。ここは、もと明治の元勲・陸奥宗光の邸宅であって、宗光の次男が古河家の養子になった時、古河家の所有になったとされる。

 この洋館と洋風庭園の設計者は英国人建築家のジョサイア・コンドル、日本庭園の方の作庭者は小川治兵衛であり、現在は国の名勝に指定されている。

 建物はレンガ作りと思え、外壁は真鶴産の赤みを帯びた安山岩で仕上げられている。延べ414坪、地上2階・地下1階の落ち着いたたたずまいである。

 大正6年(1917年)5月竣工ということなので、関東大震災(1923年)をくぐりぬけていることになる。

 洋館等の建物は、長い間放置された状態で荒廃が進んでいたが、昭和57年(1982年)に東京都名勝の指定を受けると、それから平成元年(1989年)まで7年をかけた修復工事が行われ、現在の状態まで復元されたとされる。

芝生側から見た洋館の東面とバラ園(2024.5.8 撮影)

 バラ園は、洋館東側に少しあって、大半は南側とこれに続く斜面下側に配置されている。それぞれのバラにはA01から順に番号が付けられた樹名ラベルが添えられ、品種名、作出年、作出国名、作出者、香りなどの特徴が記されている。


洋館南面のバラ園(2024.5.8 撮影)


バラに添えられている樹名ラベル(2024.5.8 撮影)

 一通り見て回りながら、写真撮影をした。以前軽井沢のレークニュータウンで見知っていた品種名には出合わなかったように思えた。3~4万種あるとされるバラなので、当然かもしれない。

 当日、春バラの人気投票も行われていた。ちなみに昨年一位になったのはB22 「ブルー・ムーン」で、次の写真の種であった。



昨年人気投票1位の「ブルー・ムーン」

 以下に私が撮影したものを紹介するが、多くなるので、2回に分けてご紹介する。私は今回見た中では、次のA03「プリンセス・ドゥ・モナコ」が一番気に入ったのであるが、皆さんは如何だろうか。


 
A01 「青の軌跡」 2008 日本(樹番号、品種名、作出年、作出国名を示す、以下同)



A02 「イヴ・ピアッチェ」 1984 フランス


A03 「プリンセス・ドゥ・モナコ」 1981 フランス


A04 「わたらせ」 1977 日本


B03 「ディスタント・ドラムス」 1985 アメリカ




B05 「ビック・ドリーム」 1984 アメリカ



B06 「コンフィダンス」 1951 フランス



B12 「朱王」 1982 日本



B13 「ニュー・アベマリア」 1983 ドイツ



B14 「乾杯」 1984 日本



B15 「ブラック・ゴールド」 2008 フランス



B16 「紫雲」 1984 日本






B17 「デザート・ピース」 1994 フランス



B19 「パパ・メイアン」 1963 フランス


B20 「ガーデン・パーティー」 1959 アメリカ


B21 「フレンチレース」  1982 アメリカ



B22 「ブルー・ムーン」 1964 ドイツ


B23 「シャルル・ド・ゴール」 1974 フランス

B24 「エレガント・レディー」 1988 アメリカ




B25 「エグランタイン(マサコ)」 1994 イギリス




B26 「ロイヤル・プリンセス」 2002 フランス

 今回、バラ園内の数か所に、[旧古河バラコレ]という案内板があり、QRコードでスマホアプリがダウンロードできるようになっていた。これは千葉工業大学が開発したアプリということで、自身が撮影したバラの写真をこのアプリの中の所定の位置に貼り付けることで「バラ図鑑」ができるという面白い試みである。私も撮影したバラの写真の整理に使い始めた。


撮影した写真でバラ図鑑をつくることができるスマホ用アプリの紹介記事

 続く。
 
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