軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

新型コロナウィルス情報(2)4/24-4/30

2020-04-30 12:00:00 | 新型コロナウィルス
4/24
 ・軽症者はホテル療養 政府方針 自宅併用から転換
   埼玉県で自宅療養中の男性が死亡し、方針転換した。
 ・ウォークスルーで検査 横須賀今日から
   横須賀市は24日、検体採取のため、市救急医療センター駐車場にウォークス
  ルー式の専門施設「PCRセンター」を開設する。
 ・武漢研究所 立ち入り要求 米国務長官 野生動物市場閉鎖も
   米国のポンペイオ国務長官は22日の記者会見で、発生源との見方も出てい
  る中国国内のウィルス研究施設について、立ち入りを認めるよう中国側に求め
  た。
 ・資金拠出停止、米に再考求める WHO事務局長
   テドロス・アダノム事務局長は22日、米国の表明したWHOへの資金拠出停
  ついて、再考を求めた。
 ・中国、WHOに32億円寄付へ
   中国外務省は23日、WHOに3000万ドルを寄付すると発表した。 
 ・消費・生産 負の連鎖 景気判断「悪化」 緊急事態で需要減
   政府は国内景気の現状について、10年11か月ぶりに「悪化」との表現を使
  い、厳しい認識を示した。
 ・韓国・台湾「強制」が奏効 コロナ対策 SARS・MERSで法整備
   韓国と台湾が感染拡大ペースを抑え込んでいる。強力な権限を持つ政府機
  関が「司令塔」として対策に当たる共通点がある。
 ・クルーズ船 新たに14人 長崎
   長崎県は23日、「コスタ・アトランチカ」で、新たに乗員14名が感染していたと
  発表した。
 ・ワクチン開発 AI活用 NEC,コロナ遺伝子分析
   NECは23日、AIを活用し、ワクチンの設計図を作成したと発表した。患者の
  免疫機能を活性化させる複数の物質を特定し、ウィルスが変異した場合でも対
  応できるようにした。
 ・長野 休業要請始まる 繁華街閑散 不安の声 午後8時閉店
   遊興・遊戯施設や劇場などを対象とした県の休業要請が23日、始まった。要
  請に応じた事業者には協力金や支援金として30万円が支給される。また、県は
  主に観光客を対象とする宿泊施設に休業への協力を求めている。

4/25
 ・「病床8割使用」5都県 入院受け入れ切迫 自宅療養1000人超 7府県
 ・医療機関に優先提供 政府運用へ マスクや防護俱
   阿部首相は24日、国が医療機関に優先的に供給するシステムの運用を始め
  る方針を表明した。
 ・NY州「7人に1人抗体」 推計270万人感染 実態把握へ検査拡充
   アンドリュー・クオモ知事は23日、州内住民3000人を対象とした抗体検査の
  結果、感染歴のある人が保有する抗体が州内では13.9%の受検者に確認され
  たと発表した。州全体では、約270万人がすでに感染している計算になる。
 ・日本、献血1000人分抗体検査 都内・東北 来月1日にも公表
   政府は、日本赤十字社の協力を得て、献血の血液を利用した抗体検査に着
  手した。検査を繰り返し実施する予定。複数の検査キットの性能評価も。
 ・緊急事態宣言 5月6日全面解除困難か 「特定警戒地域」収束見えず
   政府内で5月6日の全面解除は困難との見方が強まっている。
 ・病床確保 急ピッチ ホテル療養 都道府県8割「導入」
   都市部以外でも入院患者が増え、入院ベッドが切迫しつつある。
 ・感染拡大でインフレも 東京大学 渡辺努氏
   デフレよりも、長期化によりインフレを招く可能性が。スタグフレーションが
  起きてもおかしくない。
 ・中央銀行 異例の資金繰り支援
   各国の中央銀行は異例の規模の金融緩和に乗り出している。社債の購入な
  どで企業の資金繰り支援にも踏み込んだ。
 ・日銀、追加緩和検討へ 27日決定会合 国債購入「80兆円めど」撤廃も
 ・中小の資金難 深刻 飲食・宿泊は体力「半年」
 ・EU 復興基金で合意 規模・財源対立続く
   EUは23日にTV会議を開き、停滞する域内経済の立て直しのため、「復興基
  金」を設けることで合意した。
 ・EU内に強権政治の動き ハンガリー・ポーランド
   EU加盟国で、感染拡大を防ぐための非常措置を強権的な統治の強化に結
  びつけようとするような動きが出ている。
 ・助け合って難局乗り切ろう 孔鉉佑・駐日中国大使 寄稿
   中国に対するデマや偏見は感染拡大の防止に資するどころか、世界の感染
  予防・抑制の妨げになる。この史上前例のない感染症の試練を前にして、完全
  無欠な対応ができる国も、我が身だけを守ればいい国もない。
 ・長崎・クルーズ船 乗員新たに43人感染 陰性の乗員帰国へ
   24日、新たに208名分の検体を調べた結果、陽性が43人、再検査が1人、陰
  性は164人となった。残る288人の検体採取を24日中に終える。
 ・自宅療養死 別男性も 埼玉 容体急変し搬送 70代男性
 ・都内商店街苦渋の休業 戸越銀座や巣鴨 「世の中の安全考え・・・」
 ・大阪 営業パチンコ公表(24日) 休業(協力)応じぬ6店 都も28日に
   特措法45条2項(要請)では、事業者名を公表しなければならない。
 ・PCR保険適用 無症状患者も可
   厚労省は24日、医師が判断した場合は、公的医療保険が適用されるという
  見解を示した。
 ・長野 検査所20ヶ所設置へ 県補正案278億円 PCR機器購入も
   県は24日、「外来・検査センター(仮称)」を設置し、5月中旬から運営を開始
  すると発表した。

4/26
 ・44都道府県休業要請 「協力金」支給は濃淡
   37都道府県は、要請に応じた事業者に「協力金」などの名目で金銭的な支援
  を行う方針。
 ・米追加経済対策 成立 4800億ドル 財政赤字3.7兆ドルに
   債務残高は第2次世界大戦後並みに。
 ・経済下支え各国急ぐ 雇用維持・現金給付 注力
   主要国で生活や企業活動を支援する動きが本格化してきた。各国では給与
  補償などによる当面の生活下支えに力を入れる。
 ・トランプ氏 根拠なき提案 抗マラリア薬を推奨 消毒液を体内に注射
   側近からの情報を受けて、トランプ大統領は記者会見で科学的根拠のない
  発言や提案を繰り返し、政府内を混乱させている。
 ・WHOと各国が治療薬開発協力
   WHOのテドロス・アダノム事務局長は24日、マクロン仏大統領やメルケル
  独首相、国連のグテレス事務総長らとビデオ会議を開き、わくちんや治療薬の
  開発と各国への分配について協力することで一致した。
 ・経済学者 ジョセフ・スティグリッツ氏 対コロナ 小さな政府の限界 電話取材
   新自由主義は過ち。貧富格差が健康格差として露骨に。科学と政府を重視
  し、市場を見直し、新たな秩序作りへ。コロナ禍克服の要はウィルスを特定し、
  治療薬とワクチンを開発する科学の力。
 ・長崎クルーズ船 感染者は計148人 全乗員検査終える
   乗員623人の検査を終え、感染者は計148人になったと発表。
 ・長野 日帰り登山も自粛を 山小屋営業休止

4/27
 ・コロナ「水際対策」12道県 連休 警戒を強化 帰省「待機」要請 22道県
 ・高校総体 史上初の中止 「選手の安全考えた」
 ・マスク争奪世界中で 欧米で着用増 原材料高騰
   主要素材の不織布やポリプロピレンの価格高騰招く。米政府がマスク確保
  に奔走。日本、国内生産広がる。秋には業界全体で月8億枚の生産が可能に。
 ・武漢の真相 各国追及 豪・独立調査主張、欧米・透明性確保を
   新型コロナウィルスの発生源や感染拡大の背景について、中国・武漢の研
  究施設から拡散した可能性を念頭に、真相究明を求める動きが国際社会で広
  がっている。中国は「研究所流出」一貫し否定。
 ・英首相 27日に職務復帰へ 1か月ぶり 
 ・タイ、新規感染を抑制 非常事態1か月 経済不安は拡大 政権に反発も
   政府の機敏な対応と国民の危機意識の高さが相乗効果を生み、感染者増が
  顕著な東南アジアの中で、新規の感染者数は抑制傾向にある。
 ・入院感染者 武漢ゼロに
 ・県境 厳戒のGW 検温「移動の抑止に」、来訪者に過剰反応も
 ・PCR検査 歯科医も 厚労省 検体採取容認方針
   
4/28
 ・国債購入の上限撤廃 日銀、追加金融緩和 社債買い入れ3倍
   日本銀行は27日、追加の金融緩和策を決めた。「年間80兆円をめど」の上限
  を撤廃し、制約なく買い入れる。
 ・コロナ薬来月にも承認 「レムデシビル」海外治験で特例
   レムデシビルはエボラ出血熱の治療用に開発中の抗ウィルス薬で、政府は
  早ければ5月上旬にも承認する方針を固めた。アビガンは軽症者用に使用でき
  るようにする考え。
 ・NY州 段階的に経済再開 来月15日以降 地域・業種別判断
 ・伊の外出制限 5月4日から緩和、26日に発表
 ・英首相 1か月ぶり27日に復帰
 ・露の感染者 中国抜く 世界9番目の8万7000人超
 ・10万円給付 審議入り 首相「早い自治体は5月」
 ・抗体検査 来月にも承認 厚労省
 ・ビザ停止5月末まで延長 入国拒否 露など14カ国追加
 ・文化の灯 風前 古書店街シャッター9割 ミニシアター経費月100万   
 ・「世界はwhoに耳貸すべきだった」-テドロス事務局長
   【AFP=時事】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス
  (Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は27日、WHOは新型コロナウイ
  ルスに関して早期から最高レベルの警告を発してきたと述べ、WHOの忠告に
  従わない国があったことに遺憾の意を示した。
 ・新規感染減で緩み警戒=安倍首相「楽観できる状況でない」―緊急事態、きょう
 3週間(時事通信)
    新型コロナウイルスの新規感染者数が東京都で2日続けて2桁台にとど
  まったことを受け、政府内には安堵(あんど)感が漂う。同時に国民に「緩み」が
  出ることを警戒する声も強く、29日からの大型連休に向け、引き締めを図る方
  針だ。
 
4/29
 ・学校「夏休み短縮」半数 63自治体 休校分の授業確保
   緊急事態宣言の期限後の5月7日の「連休明け再開」としたのは東北や九州
  を中心に16自治体。
 ・軽症者「緊急」13症状 宿泊・自宅療養中 1つでも該当、すぐ相談
   厚生労働省は28日、重症化の前兆となる「緊急性の高い症状」を自分でチェ
  ックできるリストを公表した。
 ・家賃支援 追加策を検討 首相 中小200万円給付上積みも
   安倍首相は28日、衆院予算委員会で家賃の支払いが困難になった事業者
  への追加支援策を検討する考えを表明した。
 ・アビガン38か国へ供与 外相表明 薬効データ活用へ
   茂木外相は28日、記者会見で「アビガン」について、70か国以上から提供要
  請を受け、このうち38か国に無償提供すると明らかにした。
 ・世界感染300万人超す 欧米一部 経済活動再開の動き
   15日に200万人に達してから、12日間で100万人増えた。米、ドイツ、オー
  ストリア、デンマーク、ニュージーランドなどで部分的に規制緩和の動きが出て
  いる。
 ・全銀協 銀行来店「自粛」呼びかけ 
 ・抗体検査 欧米で拡大 経済再開へ指標狙う
   感染歴の有無を簡便に調べる「抗体検査」を取り入れる動きがアメリカ、ドイ
  ツ、イギリス、イタリア、チリなどで広がり、日本でも本格導入に向けた検査キッ
  トの性能評価が始まった。一部の国では免疫を持つ証明として検査結果を使う
  動きがあるが、WHOは「根拠がない」として反対している。
 ・「世界大恐慌より厳しい」 首相 経済悪化に強い危機感
   28日の衆院予算委員会で、安倍首相は「大恐慌の時よりも精神的には厳し
  い状況になっている」と強い危機感を示した。 
 ・首相と閣僚ら 一部給与返納 来月から1年間
   国会議員の歳費を2割削減する改正歳費法が成立したことに合わせた。
 ・ロシア感染 病院が温床 マスク・防護服不足 罰則恐れ報告せず
   感染者が急増しているロシアで、マスクや防護服が医師や看護師に行きわ
  ず、医療機関が感染拡大の温床になっている。
 ・台湾のWHO参加で一致 米台当局が電話会議
   中国に批判的な蔡英文政権が誕生後、台湾は総会への参加が認められなく
  なった。
 ・コロナ克服「国際連携を」 ビル・ゲイツ氏 旭日大綬章
   2020年春の外国人叙勲で旭日大綬章を受賞したビル・ゲイツ氏が、インタビ
  ューに応じ、ワクチン開発の重要性と協力を語った。
 ・豪中 感染源調査で対立 中国、経済報復を示唆   
   スコット・モリソン豪首相が、感染源などの調査が必要と主張したが、中国は
  これに反発。
 ・動静不明 正恩氏「感染防止」対策か 韓国統一相重体説は否定
 ・TDL休園 3月期最終利益31%減 オリエンタルランド 再開見通せず
 ・ANA最終赤字587億円 20年1~3月期 9500億円調達めど
 ・GW「今年は我慢」 都知事自粛呼びかけ 都内感染者再び2桁
 ・9月入学も選択肢 文科相
   「文科省内では一つの選択肢としてシミュレーションしている」と明らかにし
  た。

4/30
 ・PCR検査が増えないワケ 国会で連日追及【日テレニュース】
   安倍首相はその理由について、「厚労省を問いただしている」とした上で、
  「さまざまな目詰まりがある」と認め、加藤厚労相も「反省しなければならない」
  述べた。
 ・「緊急事態」延長要望へ 知事会「全国一律」 異論も
   全国知事会は29日、TV会議を開き、5月6日が期限の緊急事態宣言につい
  て、全都道府県で延長するよう政府に求める方針を決めた。
 ・補正予算案きょう成立へ 衆院通過
   29日、衆院本会議で全会一致で可決され、参院に送付された。30日の参院
  本会議に緊急上程され、成立する見通し。
 ・9月入学 首相「検討」 影響見極め慎重判断
   安倍首相は29日の衆院予算委員会で、学校休校の長期化を踏まえ、9月入
  学・始業を検討する意向を示した。
 ・米個人消費落ち込み鮮明 3月小売過去最大8.7%減
 ・軽症者ホテル人手不足 食事・清掃業者も課題に 埼玉県「医者いない」
   自宅療養感染者の死亡を受け、厚生労働省はホテルなどの宿泊施設利用を
  原則とする方針を打ち出した。しかし、ホテルは合ってもスタッフの確保は難し
  い。
 ・収束困難なら法改正も 首相  休業応じぬ場合罰則 
 ・仏 5月に外出制限緩和 スペインも段階的に
 ・米感染100万人超す
 ・介護施設 集団感染相次ぎ「高齢者守る」休業決断 「生活に必須」国は継続求
 める
 ・行楽地「今は控えて」 高尾山、箱根・・・自粛求める
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雲場池の水鳥(2)カワウ

2020-04-24 00:00:00 | 野鳥
 今回はカワウ。雲場池に来る水鳥としては異色の存在かもしれないが、この3か月ほどの間に、5・6回見かけている。

 以前、南軽井沢にある八風湖で一度見かけたことがあり、珍しく思い撮影した記録がある。この時のウも単独であったが、今回雲場池で見たウもいつも1羽だけであった。ウと言えば集団で営巣している姿を思い浮かべるが、仲間からはぐれたのだろうか。

 雲場池では、ある朝池の中ほどの水面に浮かぶ特徴ある姿を目撃して、ウではないかと思ってしばらくそのまま眺めていたが、私が立ち止まっていた場所から随分距離があったにも関わらず、気配を感じたのか、南の方向に飛び去って行った。

 その後も1・2度似たようなことがあり、池のそばの高い樹上にとまっているのを見かけることがあったが、3月22日には雲場池からの流れが合流する精進場川にいたウが、私が近づいたのに驚き、頭上をかすめるように飛び去ることもあった。

 4月9日には雲場池の奥の方から飛び立ち、入り口近くにいたマガモのすぐそばに着水したが、その後再び飛び立って、今度は奥にある小島の木にとまった。とても警戒心が強いようであった。

 しかし、他の水鳥も同じであるが、毎日のように私が出かけているので、次第に慣れてきたのか、警戒心もいくぶん解け、池の奥にある小島の木にとまっている時は悠然と羽繕いなどをする姿を見かけるようになり、撮影もできるようになった。

 ウにはウミウとカワウがいることは知っていたが、調べてみると日本にはウ科の鳥が4種生息していて、この2種の他にヒメウとチシマウガラスがいるとのこと。

 その中で、今回雲場池で見た種は撮影した写真を参考にして、その外観と生息場所からカワウに違いないと判断した。

 いつもの「日本原色鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育社発行)から引用するとカワウは次のようである。

 「形態 我国では最も普通のウ。嘴峰56~69mm、翼長311~348mm、尾長151~161mm、跗蹠57~60mm。全体金属光沢のある藍黒色、眼の周囲から嘴の周囲にかけ羽毛を欠き皮膚裸出し黄色を呈す。裸出部の周囲には幅の広い白帯がある。上背と肩羽とは暗赤かっ色で各羽の羽縁は黒色である。生殖羽のものは腰の両側に各1個の大きな白色三角形はんを有し且つ頭及び上頸に白色糸状羽毛を多数生ず。この羽毛は老鳥ほど多く中には頭頸部の著しく白く見えるものもある。幼鳥は上面暗かっ色、下面は汚白色でかっ色縦はんがあり、成長の羽衣になるのには3年を要す。
  生態 我国には周年生息し各地に集団営巣地がある。中でも愛知県知多郡鵜の山と青森県南津軽郡猿賀神社の集団営巣地とは著名であり天然記念物に指定されている。粗林の高い樹枝上に毎年多数のものが営巣するのでそのふんのために樹木を枯死させることがあるが、またそのふんはよい肥料となるので附近の農夫は集団営巣林の地面にわらを敷きふんの多くかけられたわらを肥料として利用している。営巣地附近の湖沼、海面にて採食するがその行動半径は10kmにも及ぶこともある。繁殖期は11月ごろから6月ごろまでに及ぶ。大群にてねぐらと採食地の間をガン飛行するのがよく見られる。
  分布 本州各地で繁殖する他、北海道・伊豆七島・四国・九州・対馬にも分布。」
 
 以下、撮影した写真である。


南軽井沢の八風湖で見たウ(2017.6.17 撮影)


雲場池の中央部に浮かぶウ(2020.3.5 撮影)


人の気配に飛び立つウ(2020.3.5 撮影)


池周辺の高い樹上にとまるウ(2020.3.14 撮影)


頭上をかすめるようにして飛び去るウ(2020.3.22 撮影)



池から飛び立つウ(2020.4.9 撮影)


飛び立ってマガモのそばに着水(2020.4.9 撮影)

再び飛び立つウ(2020.4.9 撮影)


雲場池の奥にある小島に生える木にとまる(2020.4.9 撮影)

 この日以降、この小島の木にゆったりととまる姿を見るようになった。

ウがしばしばとまるようになった小島の木(2020.4.12 撮影)

小島の木にとまるカワウ 1/11 (2020.4.12 撮影)


小島の木にとまるカワウ 2/11 (2020.4.12 撮影)


小島の木にとまるカワウ 3/11 (2020.4.15 撮影)


小島の木にとまるカワウ 4/11 (2020.4.12 撮影)


小島の木にとまるカワウ 5/11 (2020.4.12 撮影)


小島の木にとまるカワウ 6/11 (2020.4.15 撮影)

小島の木にとまるカワウ 7/11 (2020.4.15 撮影)

小島の木にとまるカワウ 8/11 (2020.4.15 撮影)

小島の木にとまるカワウ 9/11 (2020.4.15 撮影)


小島の木にとまるカワウ 10/11 (2020.4.15 撮影)

小島の木にとまるカワウ 11/11 (2020.4.15 撮影)

 意外に思ったのだが、ウ類の羽は水をはじかないようになっているという。そのためウ類は岩場や樹上で翼を広げて乾かすのだそうである。


小島の木にとまり羽を広げて乾かすカワウ 1/3 (2020.4.12 撮影)


小島の木にとまり羽を広げて乾かすカワウ 2/3 (2020.4.12 撮影)

小島の木にとまり羽を広げて乾かすカワウ 3/3 (2020.4.12 撮影)

 ウといえば長良川の鵜飼のことをすぐに思い浮かべるが、前出の「原色日本鳥類図鑑」のウミウの項にも記されているとおり、「長良川のウ飼に用いられるのは本種である」とのことで、鵜飼に使われる種はウミウであって今回のカワウではない。

 長良川の他にも全国各地で鵜飼は行われているが、以前仕事で赴任していた広島の三次市でも鵜飼が行われていた。

 三次市には西城川・馬洗川・神之瀬川の三つの川が流れ、市の中心部で合流して江の川(ごうのかわ)となって日本海に流れる。この合流地点付近にある三次親水公園内に鵜飼乗船場があり、そこを拠点として、下流側の水道橋から巴橋までの水域を、鵜舟と遊覧船が並行しながら進む回遊式で夏の時期に観光鵜飼が行われている。

 三次にいる間に一度家族とこの鵜飼の舟に乗ったことがあった。この時は鵜匠がウを数羽あやつり、アユを捕えるところを見、下船してから河原でそのアユを焼いて食べた記憶があるが、大きな屋形船では船上ですぐに焼いたアユを食べさせていたのかもしれない。

 ウィキペディアでもう少しこの鵜飼のことを調べてみた。
 
 「鵜飼い・鵜飼・鵜養(うかい)は、鵜(ウ)を使ってアユなどを獲る、漁法のひとつ。中国、日本などで行われていた。現在では漁業というより、観光業(ショー)として行われている場合が多い。 また、ヨーロッパでは16世紀から17世紀の間、スポーツとして行われた。 」とある。

 日本の伝統漁法かと思っていたが、中国やヨーロッパでも行われているようである。日本での歴史については、「鵜飼いの歴史は古く、『日本書紀』神武天皇の条に『梁を作つて魚を取る者有り、天皇これを問ふ。対へて曰く、臣はこれ苞苴擔(ニエモツ)の子と、此れ即ち阿太の養鵜部の始祖なり』と、鵜養部のことが見え、『古事記』にも鵜養のことを歌った歌謡が載っている。」とされている。

 こうしたことから、岐阜県岐阜市ならびに関市の長良川河畔における鵜飼は、宮内庁式部職である鵜匠によって行われている。また、使われるウの捕獲も伝統的な手法が今日まで引き続き用いられているようで、「鵜飼いに使われるウはウミウであり、和歌山県有田市と島根県益田市を除く全国11か所すべての鵜飼は、茨城県日立市(旧十王町)の伊師浜海岸で捕獲されたウミウを使用している。ウミウの捕獲は、春と秋の年2回、鳥屋(とや)と呼ばれる海岸壁に設置されたコモ掛けの小屋で行われる。鳥屋の周りに放した囮のウミウにつられて近寄ってきたところを、鳥屋の中からかぎ棒と呼ばれる篠竹の先にかぎ針を付けた道具を出し、ウミウの足首を引っかけて鳥屋に引きずり込み捕らえる。」とされている。

 ところが、鵜飼に使用するウの種類や猟法についても、お国柄があるようで、中国では、「ウミウ」ではなく「カワウ」を使っているという。他にも中国と日本では鵜飼の手法に違いがあることから、互いに独自の発展をしてきたものとの研究報告があって、次のようである。

 「現在、観光地としても著名な広西チワン族自治区桂林市付近や、雲南省洱海での鵜飼いがよく知られており、『魚鷹捕魚/鱼鹰捕鱼 yúyīngbǔyu』、『鸕鶿捕魚/鸬鹚捕鱼 lúcíbǔyú』などと呼ばれている。・・・卯田宗平(国立民族学博物館准教授)による調査では、中国の鵜飼いは観光用でなく淡水漁業として現役であり、鄱陽湖や洞庭湖など少なくとも119カ所で行われている。中国の鵜飼いは、日本と以下のような相違点がある。
  • 日本ではウミウを使うのに対し、中国ではカワウを使っている。
  • 日本では野生の成鳥を捕獲して訓練するが、中国では完全に家畜化されている。人間から餌をもらうことに慣れすぎて水に潜ろうとしない場合もあり、長い棒を振り回りしたり、水面を叩いたりして魚を捕らせる。
  • 魚を飲み込めないように鵜の喉に輪を装着するのは日本も中国も同じだが、中国では日本のように鵜を綱に繋がず、魚を捕らえた鵜は自発的に鵜匠の元に戻ってくる。
  • 日本では鵜飼いは様式化して残ったため、捕る魚はほぼアユのみだが、中国では一般漁法として存続しているため、コイ科を中心に鵜が捕れる大きさのありとあらゆる魚を捕る。」
 ところで、私は大学生の頃写真部に所属していて、2-3年生頃のある時大学の寮生の生活を撮影するために、工学部などの学生が生活している寮に出かけたことがあった。 そこで、部屋に上がりこんで寮生と話をしながら写真撮影をしていたのであるが、その中の1人に「長柄」さんという人がいた。

 数年後、この長柄さんとは、偶然にも机を並べて講義を聴く機会があったが、久しぶりに会った彼に、私は「鵜飼」さんと呼び掛け、彼は不思議そうな顔をしていたことを思い出す。
 
 
 






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雲場池の水鳥(1)マガモ

2020-04-17 00:00:00 | 野鳥
 朝、雲場池(くもばいけ)に散歩に出かけるようになって3か月ほどが経った。冬の間は外出の機会もあまりなく、運動不足気味なのでその対策ということであったが、同時に写真撮影対象を求める目的もあった。

 雲場池は、軽井沢町の六本辻近くにある池で、かつて昭和初期にはボート遊びもでき、近くにはホテルも建てられていた。

 現在、一帯は雲場川風致地区に指定されており、2年前に再整備されて軽井沢の観光コースとなっている。 

 しかし意外なことに、雲場池は自然のものではない。大正時代、この周囲一帯を別荘地として開発した貿易商野澤組の野澤源次郎がホテル鹿島ノ森の敷地内の湧水「御膳水」を源とする小川(雲場川)をせき止めて造った人造湖である。

 池の入り口には改修時に新設された次の案内板が設置されていて、以前は白鳥も飛来していたことから「スワンレイク」という愛称を持つことや、池と周辺で見られる動植物が紹介されている。


雲場池の入り口に2年前に新設された案内板(2018.6.9 撮影)

 ここに、池で見られる水鳥として紹介されているのは、カイツブリだけで白鳥は今はもう見ることができない。

 私が1月からこの池に来るようになって出会うことができた水鳥は、マガモ、コガモ、カルガモ、カイツブリ、キンクロハジロ、ホシハジロ、オオバン、カワウ、チュウサギなどである。
 
 この中で、一番数の多い種はマガモで、次いでカルガモの姿をよくみかける。

 今回はそのマガモの紹介をさせていただく。

 いつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年 保育社発行)で、マガモの項を見ると次のようである。

 「形態 ♂は頭頸部金属緑色にて白色の頸輪がある。嘴峰50~56mm、翼長240~280mm、尾長82~95mm、跗蹠40~44mm。胸は紫栗色、上尾筒は黒色で先端巻き上る。翼鏡金属緑黒色で前後に白縁がある。♀は全体黄かっ色で黒かっ色はんがあり過眼線黒。
  生態 アヒルは本種を原種として作り出されたものである。冬期は各地の湖沼、沼沢地、海洋上に多数群生するが、昼間は主として海洋上に生活し、夜間陸地に飛来するものが多い。狩猟鳥として有名である。広く欧亜大陸及び北米に分布繁殖し、我国でも一部繁殖するものもあるが大部分は冬鳥としてシベリア大陸より渡来する。
  分布 北海道・本州の高山湖・滋賀県・馬毛島などから繁殖の記録がある。冬期は北海道・本州・伊豆七島・四国・九州・対馬・種子島・奄美大島に分布する。」

 雲場池には多い時には数十羽をみることができるが、日によっては全く姿を見せないこともある。


雲場池の入り口付近に集まるマガモ(2020.2.25 撮影)

雲場池の奥に架かる橋の近くに集まるマガモ(2020.1.17 撮影)

 マガモの姿はなかなか美しい。上に記した図鑑の説明では、頭頸部金属緑色と記されているが、この緑色はいわゆる構造色と思われ、光線の具合や見る角度で青~青紫色に見えることがある。また、光沢が消えてまっ黒く見えることもある。マガモのことを青首(アオクビ)ともいうが、時々青く見えるからそういうのか、日本人はもともと青と緑の区別があいまいなのでそのように言っているのかよくわからない。

 先ずは普通に緑色の金属光沢に見える状態から。


♂の頭頸部が緑色に光る2組のマガモのペア(2020.1.29 撮影)

♂の頭頸部が緑色に光るマガモのペア(2020.2.25 撮影)

 次はちょっとした角度の違いで緑色と黒に見えるところ。


頭頸部の僅かな角度の違いで緑色や黒に見えるマガモの♂(2020.1.19 撮影)

 次は角度の違いで、頸が緑に、頬は青色に光って見えるところ。


♂の頭頸部が緑~青色に光るマガモのペア(2020.2.25 撮影)

 光線の具合によっては、♂の頭頸部は緑~青~紫の色が微妙に混じって見えることがある。

頭頸部が紫色に光って見えるマガモの♂(2020.3.25 撮影)


♂の頭頸部が紫色~黒に見えるマガモのペア(2020.3.25 撮影)


♂の頭頸部が青~紫色~緑に見えるマガモのペア(2020.3.25 撮影)

 マガモは冬鳥ということで、今の季節は日本の各地に見られるようであるが、軽井沢で見られるマガモはどうか。シベリア方面から飛来した個体が越冬しているのか、通年生息し繁殖もしているのだろうか。

 1月からこちら、3回ほど雪が降ったが、雪の降りしきる中、じっと水面に留まる姿を見ることもあった。


雪の朝じっとうずくまるマガモ(2020.3.24 撮影)


雪の朝じっとうずくまるマガモのペア(2020.3.24 撮影)

 時にはユーモラスに思える姿を見ることもある。雲場池は全体に浅く、逆立ちすれば底に届くところでは次のようなシーンが見られる。まるで、シンクロナイズドスイミングを見るようである。


逆立ちして池の底の餌を探すマガモ(2020.1.22 撮影)
 

逆立ちして池の底の餌を探すマガモ(2020.2.10 撮影)

 また、少し深いところでは、潜水して底に生えている水草を食べているようである。ただ、潜水時間は短く数秒でほぼ同じ場所に浮き上がってくる。この辺は十数秒と長く潜ることができ、思いがけないところに浮かんでくるカイツブリとはだいぶ違う。

少し深いところでは潜水して餌を探している(2020.2.22 撮影)

 ある時、マガモのペアがいるなと思って撮影していたら、♀と思えたのはカルガモであった。くちばしの色が違っている。

 この後、1分程度経ったところで、2羽は陸に上がり歩き始めた。カルガモが先で、後を追うようにマガモが続いていく。恐らく、隣接する別荘地内の池に向かっているのだろうと思えた。


一緒に泳ぐマガモとカルガモ(2020.3.23 撮影)


一緒に遊歩道を歩くカルガモとマガモ(2020.3.23 撮影)

 家に帰ってから妻に、マガモが浮気している現場を「激写」したよといって、この2枚の写真を見せたところ、意外に冷静な返事が返ってきた。「このカルガモは♂じゃないの!」
 
 アヒルはマガモを家畜化したものであると上で引用した図鑑に書かれていたが、もう一つアイガモというものがいる。アイガモ(合鴨)とは何か。

 アイガモは、野生のマガモとアヒルとの交雑交配種ということである。ただし、アヒルはマガモを品種改良した家禽品種で生物学的にはマガモの1品種であり、その交配であるアイガモもまたマガモである。「『マガモ』、『アヒル』、『アイガモ』という呼び変えは生物学的なものではなく、歴史的伝統による慣例や認識にすぎないか、あるいは商業的な理由によるものである。」とのこと、何だかややこしい話である。

 しかし、アイガモはなかなか美味である。東京の東日本橋に住んでいたころ、近くにこのアイガモ料理専門の店があった。

 牛肉よりも鴨肉が好きだという娘の希望もあり、誕生日にこの店に出かけたことがあるが、メニューは「相鴨すき焼きコース」だけという店であった。1872年創業というこの店では「あひ鴨」と称している。

 何だか話題が変な方向にそれてしまった。

 




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新型コロナウィルス(5/5)

2020-04-14 00:00:00 | 新型コロナウィルス
 今年に入り、雲場池に朝7時半前後に散歩に出かけるようにしている。初めのうちは、日が出たばかりでまだ空気も冷たく、喉を守るためにマスクをして出かけていた。


朝の雲場池(2020.1.11 撮影、iso200,1/120s,f4)

 その後もほぼ毎日散歩は継続していて、4月に入ってからも同じような時刻に出かけているが、太陽はもうすっかり高く昇り、明るさも増してきた。同じ場所で撮影した写真の露光条件を見てもその変化が分かる。そして、散歩にマスクが不要になってからも久しい。


朝の雲場池(2020.4.8 撮影、iso100,1/220s,f5)

 この間、朝の雲場池は相変わらずの静寂で、たまに池周辺をジョギングする人がいたり、犬の散歩をする人に出会うくらいで、池にいる水鳥の顔ぶれは少し変化したものの平和そのものである。

 しかし、この3か月ほどで、日本と世界の様子は一変してしまった。朝不要となったマスクを、今度は、昼間買い物で近くのスーパーマーケットに出かける時に付けなければならなくなってしまった。

 このブログでは朝の雲場池の様子、池に集まる水鳥や周辺で見かける野鳥の姿を首都圏と関西方面在住の友人・知人に報告するつもりでいたのであるが、突然の新型コロナウィルスの出現に、これにまったく触れずにいることができなくなり、公開の曜日をずらして、両方の話題を並行して書くようになってしまった。

 その新型コロナウィルス、4月7日夕刻に安倍首相からいよいよ日本でも緊急事態宣言が発令されるに至り、事態は一段と緊張の度合いを増した。

 これまで専門家会議はオーバーシュート、すなわち累積感染者数が2-3日で2倍になる状態が繰り返される状態であることが緊急事態宣言発令の基準となるとしていた。しかし、今回はオーバーシュートの恐れがあるという段階での前倒しの発令となった。医療崩壊を防ぐためには早めの措置が必要と判断したものである。

 日々更新されている各都道府県別の感染者数累計を見ると、緊急事態宣言発令直前の4月6日時点で感染者数が100名を超える都道府県数は全国で10あって、今回の対象となった7都府県はすべてこの中に含まれているが、その内感染者数が急増した福岡県を除いて、2-3日で2倍に達しているところはなかった。そこで、期間を拡大して1週間で見ると、次のようである。

県別の累計感染者数の増加状況(筆者作成)

 3月31日から4月6日までの1週間に期間を広げて、ようやく2倍を超えるのが、埼玉県と東京都であり、ほぼそれに近い水準に達しているのが大阪府、京都府、神奈川県ということになる。千葉県と兵庫県はそれぞれ1.61倍、1.45倍と低いが、東京、大阪と同じ生活圏ということで今回指定対象に選ばれている。

 一方愛知県は、千葉県に次いで感染者数が多いが、倍増のスピードが非常にゆったりしているし、感染経路がわからない人の割合が比較的低いこともあり、今回は規制しなくてもいいと判断したとされる。同様の判断を北海道、京都府でもしているという。

 尚、全国平均では同じ期間に1.89倍と神奈川県と同等の増加率を示していて、全体としては感染者数が少ない県が多いものの、確実に増加していることを示している。従って、今回の緊急事態宣言の対象にはならなかったとしても、決して油断できない水準にあるとみてよいだろう。

 こうした判断は、「基本的対処方針等諮問委員会」の答申を受けて行われたが、この諮問委員会のメンバーは次のとおりであり、これまで科学的な立場から政府に進言してきた「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」のメンバーが全員含まれている。


「基本的対処方針等諮問委員会」と「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」のメンバー

 安倍首相はこの緊急事態宣言の中で、対象となる地域に5月6日までの1か月間の「外出自粛を要請」すると同時に、今回の措置が「海外のような都市封鎖(ロックダウン)ではない」と強調した。また、新型コロナウィルスに関して、3つの具体的な数字を挙げて説明を行った。次のようである。

 「事態は切迫している。足もとでは5日で2倍になるペースで感染者が増加を続けており、このペースで感染拡大が続けば、2週間後には1万人、1か月後には8万人を超える。
 しかし、専門家の試算では、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減できれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができる。・・・」

 前段の1万人、8万人という数字は、現在の感染者数の増加傾向を見ると予想できるものである。後段の8割削減という目標の数字は、厚生労働省のクラスター(感染集団)対策班の一員でもある北海道大の西浦博教授(理論疫学)によるもので、図が翌日の新聞紙上に紹介されている。

 この考え方は、北海道で緊急事態宣言を発令した際に、国に先行して取り入れられたもので、以前尾身副座長が山中教授との対談でも紹介していて、クラスターモデルを用いたものと考えられる。ただ、今回この計算の前提となった条件などの詳細はまだ判っていない。
 
 この7割から8割の接触減が実現可能なものかどうかという点について、早くも多くの議論が巻き起こっている。

 自民党の二階俊博幹事長は、記者の質問に、「・・・できるワケない」と答えたとニュースで報じられた。

 ただ、この発言は、記者が行った質問に答えてのもので、質問と見比べて改めて見てみると、やや違った趣旨になるのかもしれない。

 4月8日のNHKニュース番組に登場した諮問委トップの尾身氏は、このことについて、接触8割減には・・・バーなどの3密・夜の街での接触については10割減、外出は8割減、仕事では4割減を見込んでいて、可能なものとの見解を示した。

 一方、8割の接触削減では不十分で、2週間後に新規感染者を生まないためには、東京では98%行動抑制が必要とするシミュレーション結果を、横浜市立大学の佐藤彰洋教授が発表していて、異なる見解のように見えるが、ただ、シミュレーションの前提となる条件が異なっていることに注意する必要がある。

 今回の緊急事態宣言では、こうした目標となる数値を達成するために、外出自粛を要請するものの、「社会機能維持のための事業の継続」も呼びかけており、「公共交通機関など、必要な経済社会サービスは可能な限り維持しながら、感染拡大を防止していくという対応に変わりはない」と安倍首相は強調した。

 このことは、中国武漢市をはじめ、イタリア、フランス、スペイン、そしてアメリカで行われているような交通遮断や都市封鎖は行わない、「日本型の戦い」を目指すことを意味していて、こうした取り組みはかねて専門家会議が目指していたものである。

 安倍首相の緊急事態宣言発令後の記者会見の席上、イタリア人記者から海外とのこうした取り組みの違いについて、「・・・世界はほとんどロックダウンにしているのですけれども、日本だけ今まで天国が見えると思いますよね。今まで御自分で対策を投じた中で、一か八かの賭けが見られますね。成功だったら、もちろん国民だけではなくて世界から絶賛だと思いますけれども、失敗だったらどういうふうに責任を取りますか。・・・」との質問が出された。

 これに対して、安倍首相は、
 「・・・これは、例えば最悪の事態になった場合、私たちが責任を取ればいいというものではありません。まず、私たちが採っている対策は他の国と違うではないかということでありますが、それは他の国々と、例えば、御国(イタリア)と比べても感染者の方の数も死者の数も桁が違う状況であります。・・・

 海外の例を見れば、ヨーロッパの国々と比べれば、はるかに感染者の増加のスピードは遅いわけでありますし、そして同時に、我々は他の国とは違ってクラスター対策というのをやっています。これは大変なんですが、クラスター班というのは現地に行って朝から晩までずっと、感染者が出れば、この人が接触した人をずっと追っていきます。その皆さんにはPCR検査をやっていただいて、クラスターを潰していくという形でやっている。これは日本の一つの特徴なのだろうと思いますし、これを評価もしていただいているのだろうと思います。・・・」として、海外との違いを説明した。

 すでに海外では起きていることであるが、今後若し医療崩壊が起きた場合には、「トリアージ」と呼ばれる患者の選別が避けられなくなる。ヨーロッパでは、人工呼吸器やECMOと呼ばれる人工心肺装置などが間に合わず、必要な治療を受けることができずに亡くなるといった状況も発生しているという。

 今、政策面では、国家レベルでこのトリアージと同じことが起きているように見える。すなわち、「医療崩壊」と「経済崩壊」のどちらへの対策を優先するかという選択に迫られている。

 先ほどの海外の記者の質問は、海外では「医療崩壊」を防ぐことに重点を置いている国が多い中で、今回の日本の対応は、二兎を追う形になり、虻蜂取らずになるのではとの指摘である。

 どちらも、人の命がかかっている。「医療崩壊」が起きると医学的な治療を受けることができずに命を落とす人が出る一方で、「経済崩壊」が起きると、日々の収入の道を断たれたり、倒産するなどして自殺に追い込まれる人が出ると懸念される。

 尾身氏は、今回の日本型の対応策に自信を示しているようであり、NHKの番組で、トータルで8割の削減ができれば、理論的にも間違いなく感染者数は下がるとの見解を繰り返した。そして、オーバーシュートを回避できる戦いの急所は、政府、地方自治体、ジャーナリズムそして国民のみんなの「覚悟」であるとして、協力を呼び掛けた。

 4月7日、緊急事態宣言後NHKのTV番組に出演していた安倍首相は、最後に、「ずばり、ウィルスはいつ収束すると期待しているか?」と問われて、「収束には、特効薬やワクチンが必要であり、今特効薬ではアビガンなどが出てきている。ワクチンも今年暮れから来年初めにかけて接種が可能になるので、そうなると収束が見えてくる。」と答えている。
 
 同時に、「日本だけが収束してもだめで、世界の収束が必要。」とし、国際的な協調が必要であることも指摘した。

 尾身会長と安倍首相の発言とを合わせ聞くと、当面するオーバーシュートは国民の協力が得られれば、回避できる可能性があるとしても、日本と世界はまだ今回の新型コロナウィルス感染の入り口にいることが改めて判ってくる。こうした状況と戦うためには、「敵」すなわち新型コロナウィルスのことを正しく理解し、今後も長期的な戦いに臨む「覚悟」が必要だということを受け止めて行動していかなければならないようだ。

 緊急事態宣言が発令された翌日の8日、読売新聞の1面に掲載された次の記事が、これまでの状況をよくあらわしていると思えるので引用する。

 新型コロナウィルスについては今後1か月間の推移を見守っていくことにして、5回にわたり続けて来たこの臨時のブログを一旦終えることにする。


2020年4月8日、読売新聞1面の記事から
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山野で見た鳥(4)小さな三きょうだい

2020-04-10 00:00:00 | 野鳥
 手元にある「日本の鳥550-山野の鳥」(2000年 文一総合出版発行)という写真による鳥類目録を眺めていると、各項の欄外に、大まかな大きさの目安が、一般的な種と比較して記述されている。例えば、ハトくらい、ムクドリくらい、スズメより大きい、といった具合である。そこに、さらに「日本で最も小さい鳥の一つ」とか、「日本で最も小さい」と書かれた種がいる。前者はキクイタダキのところに、後者はミソサザイの項にそのように書かれている。そこで、どの種が一番小さいのだろうかと思い、改めてウィキペディアで調べてみると、ミソサザイの所には、「日本の野鳥の中でも、キクイタダキと共に最小種のひとつ」とあり、キクイタダキの所には、「日本国内ではミソサザイ、エナガとともに最小の鳥の一種である」と書かれている。エナガはどうかと思い調べてみたが、こちらには大きさに関して日本で一番・・といった表現は見られない。

 そこで、いつもの「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育社発行)を基本として、図鑑に記載されている数字から大きさ比較をしてみた。次のようである。

日本で最も小さい野鳥三種の比較

 この比較表をみると、総合的にはミソサザイもずいぶん小さいが、一番小さいのはキクイタダキということになる。特に体重では断然キクイタダキが小さいようである。

 以前からこのことはそれとなく妻から聞いていたので、それなりに頭に入っていたが、このところの早朝の雲場池散歩でこの三種すべてに出会い、不十分ながら証拠写真を撮ることができたので、ご紹介しようと思う。それぞれのもう少しましな写真はいずれまた撮影できた時点でご紹介ということにしたい。

 三種の中でも、私が初めて見たのはキクイタダキである。エナガは神奈川県に住んでいた頃にも冬に公園で見かけたことがあるし、今も自宅周辺や雲場池で比較的よく見かける。ミソサザイは軽井沢に住むようになってからであるが、中軽井沢の湯川でちらと見かけていた。しかし、キクイタダキは話に聞くだけで、見たことはなかった。

 朝の散歩の際、雲場池脇の別荘の生垣の間で動いている小さな鳥を見つけて急いで撮影したが、遠かったこともあり、その場では種が全く判らず、帰ってから写真を拡大して妻に見せながら判定したところ、キクイタダキだろうということになった。 
 
 その時撮影した写真は下で紹介するように、大層不鮮明であった。しかし、よく見るとキクイタダキの名の由来である頭頂の冠羽部が黄色に見える。これは♀の色で、♂の場合この部分は橙色とされる。それで間違いないだろうということになった。

 エナガは雲場池周辺で比較的よく見かけ、小さな群れで素早く動き回っているが、それでも撮影は比較的容易に行える。一方、ミソサザイは、ごくまれにそれらしい姿を見るのだが、見かけたと思うとすぐに飛び去り静止することがほとんどなく、なかなか撮影させてもらえないでいた。しかし、キクイタダキを初めて見かけてからしばらくして、ようやくミソサザイの写真も撮ることができた。また、この日は再びキクイタダキの撮影もできたし、ミソサザイにはその後にももう一度出会うことができた。

 こうして、日本で最も小さい野鳥の写真が何とか揃ったので、今回3種をまとめて紹介できることになった。

 まず、キクイタダキの写真から。キクイタダキの名前の元になった頭頂部の黄色い冠羽が見える。

キクイタダキ 1/5(2020.3.5 撮影)

キクイタダキ 2/5(2020.3.16 撮影)

キクイタダキ 3/5(2020.3.16 撮影)

キクイタダキ 4/5(2020.3.5 撮影)

キクイタダキ 5/5(2020.3.5 撮影)

 「原色日本鳥類図鑑」(小林桂助著 1973年保育社発行)からキクイタダキを紹介する。

 「形態 オリーブ色のごくごく小さい鳥で頭央は橙黄色美麗。嘴峰9~10mm、翼長50~59mm、尾長35~43mm。頭上、背共オリーブ色で、頭央には、2本の黒条に挟まれた顕著な橙黄色部がある(♀はこの部分黄色)。翼には白帯と白はんとがある。
  生態 北海道、本州の亜高山帯の針葉樹林中で繁殖す。冬季はシベリア大陸からも多数渡来し、エナガ、シジュウカラなどの群れに混じって山すそや人里近くに来るものが多い。チリッ、チリッと細い声でなき、あまり人を恐れない。低木林や草原に生息し秋から冬にかけては小群をなす。なき声ビッピー、ビッピーと聞こえる。あまり人を恐れない。
  分布 北海道・本州・伊豆七島・四国・九州・対馬・種子島・屋久島。」

 次にミソサザイの写真。ミソサザイの名前の由来は面白い、妻が義父から聞いたというのだが、ミソ色のササイな鳥なのでミソサザイになったという。なんとも可哀そうな名前の由来ではある。

ミソサザイ 1/5(2020.3.16 撮影)

ミソサザイ 2/5(2020.3.16 撮影)

ミソサザイ 3/5(2020.3.16 撮影)

ミソサザイ 4/5(2020.3.16 撮影)

ミソサザイ 5/5(2020.3.16 撮影)

 「形態 ごく小型でかっ色。尾は短かい。嘴峰10~13mm、翼長45~54mm、尾長27~38mm、跗蹠16~19mm。上面は茶褐色で背以下尾に至るまで黒色の小さな横しまがある。眉はんは黄かっ色で不明瞭。下面は上面よりやや淡く下胸部以下には上面と同様の横しまが密在する。
  生態 夏期亜高山帯の森林中に多いが、低山帯で繁殖するものもある。登山道や谷川に沿って生息するものが多い。短い尾を立てて岩角や切株の上に止まりチョㇿㇿㇿッと高らかに美声でなく。冬期には山すそ地方に漂行し小川沿いのやぶや人家の生垣などにも飛来し、チョッ、チョッとなきながらやぶを潜行する。
  分布 北海道・本州・伊豆七島(大島)・四国に生息繁殖する。」

 最後はエナガの写真。こちらは柄の長いヒシャクのイメージから付けられた名前と聞く。体の大きさに比べ尾がとても長い。

エナガ 1/8(2020.3.3 撮影)

エナガ 2/8(2017.5.5 撮影)

エナガ 3/8(2020.3.11 撮影)

エナガ 4/8(2020.3.18 撮影)

エナガ 5/8(2020.3.17 撮影)

エナガ 6/8(2020.3.18 撮影)

エナガ 7/8(2020.3.5 撮影)

エナガ 8/8(2020.3.17 撮影)

 「形態 きわめて小さい鳥で白と黒とのまだら。尾が著しく長い。嘴峰6~8mm、翼長56~62mm、尾長72~84mm、跗蹠16~18mm。頭上、顔は白く幅広い黒色眉はんがある。背は灰黒色で白や淡ぶどう酒色の羽毛が混じる。下面はほとんど白い。♀♂同色。
  生態 平地、低山帯、亜高山帯の下部に至る森林中に各地に普通に繁殖す。チー、チー、ジュリ、ジュリとなき秋から冬にかけては群生して人里近くにも来る。
  分布 留鳥として本州各地に広く分布繁殖する。」

 キクイタダキとミソサザイはどちらもまともな写真を見ていただくことができなかったが、たまたま自宅にはこの2種をデザインしたカップ&ソーサーがあったので、その写真を紹介して埋め合わせをさせていただく。どちらも同じイギリス製のシリーズで、Royal Worcester 社の銘がある。底に、キクイタダキには’The Goldcrest’、ミソサザイには’The Wren’と英語名が記されている。

キクイタダキ(The Goldcrest)をデザインしたイギリス製カップ&ソーサー

キクイタダキのソーサー

ミソサザイ(The Wren)をデザインしたイギリス製カップ&ソーサー

ミソサザイのソーサー

【2020.5.3 追記】
 ある朝、少し先の枝にミソサザイがとまり囀りはじめた。その鳴き声は時々耳にしていたもので、今まで姿が見えず声の主が分からなかったが、ようやく分かった。
 
 それにしても体に似合わず大きな声で鳴く。写真を見ると精一杯声を出している様子がよくわかる。

美しく大きな声で鳴くミソサザイ 1/2 (2020.4.28 撮影)


美しく大きな声で鳴くミソサザイ 2/2 (2020.4.28 撮影)



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