軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

突然死?

2024-03-29 00:00:00 | 日記
 このところ、親類、友人、知人や著名人の突然の訃報に接することが多く、驚きとともに悲しみに襲われるのであるが、今回の話は人ではなく私が使用しているIT機器に関する話である。

 もう2年ほど前になるが、長年使い続けてきたパソコンが突然動かなくなり、自分ではどうにもならないので、近くにある家電量販店に急遽持ち込んだところ、電源系統の不具合で、古い機種なので修理も不能だという。

 すでに10年ほど使い続けてきた機種であり、仕方なく、あきらめることにして、その場で後継機の購入を決めたので、作業に大きな支障を来すことはなく、また旧機に内蔵されていたハードディスク2台については、専用のパーツが用意されていて、USB接続することで、今後も外付けのメモリーとして使えることが判ったので、そのパーツを注文して、新旧のパソコンと共に帰宅した。このパソコンについては切り替えが順調に進み、事なきを得て現在に至っている。

 もう一つ、パソコンではとても苦い思い出がある。

 新潟県の会社に転勤になって、少し経った頃、ヨーロッパに技術調査で出張する機会があった。この会社では、海外出張も特別な理由がない限り一人で出かける。

 この時は、オランダのアーネム(Arnhem)にある会社の社長NM氏と技術的な面談を行い、その後続いてオランダ・アイントホーヴェンの会社とスイス・バーゼルの会社を訪問する予定であった。

 トラブルは、オランダのスキポール空港からアーネムに行く列車での移動の際に起きた。

 空港からアーネムまでは列車で1時間程度であるが、先ずアムステルダム行きに乗って、すぐに乗り換える必要がある。大きな旅行鞄と手持ちのアタッシュケースの2個の荷物を携えての移動であった。

 空港を出てすぐに、車内の少し離れた場所にいた2,3人のアラブ系と思われる浅黒い風貌の男性の視線に気が付いたが、そのまま乗り換え駅に下り立った。

 立体的に交差している別の路線のホームに移動して、アーネム行きの列車を待っている間、階段脇の低い壁際にアタッシュケースを置いて、それを塞ぐようにして大きい方の旅行鞄を置き、天井から下がっている列車時刻表をチェックしていると、先ほど車内で見かけた男性が話しかけてきた。

 XX駅に行きたいが、このホームでいいかと聞いてくる。今いるのがその XX駅なので、おかしいことを聞くんだなと思いながら、そのように伝えると、Thank you と言って去っていった。

 アッと思って振り返って荷物を見ると、旅行鞄の後ろに置いてあったアタッシュケースが無くなっていた。

 周りを見回しても、もう先ほどの男性も、一緒にいたと思える別の男性の姿もない。あたふたとしていると、異変に気が付いたのか、別の一人の男性が、何かあったのか?と話しかけてきた。事情を話すと、駅の事務所に行って、被害届けをするといいと教えてくれた。

 そこで、階段を降りて事務所を探し、事情を話して盗難品の内容についての調書を作成した。そこで改めて気が付いたのだが、アタッシュケースの中にはビジネス用品の全てが入っていた。ノートパソコン、カメラ、名刺、筆記用具をはじめとして空港で両替した少額の外貨と不要になった日本円、それとトラベラーズチェックも入れてあった。これらすべてが一瞬にしてなくなってしまった。

 幸い、冬のことで背広とコートの内ポケットに、クレジットカードの入った財布(現金はない)、パスポート、航空券、手帳とボールペン1本があり、空港駅で買ったアーネムまでの切符はコートのポケットにあった。

 調書を提出して、再びホームに戻り、列車でアーネムに向かったが、この先どうしたものかと、頭がいっぱいになった。

 アーネム駅に下り立ったものの、ホテルまではタクシーで行くつもりであったので、ホテルの場所は確認していない。現金がなく、タクシーにも乗れないので、駅周辺をしばらく歩き回り、ホテルを見つけようとあてもなく探してみたが、全く判らないので諦め、タクシー乗り場に向かった。

 タクシードライバーにホテル名を告げて、走り出してみると、2,3kmほど行ったライン川沿いに目指すホテルはあった。これでは、駅周辺を探しても見つかるはずがなかった。

 タクシードライバーに、事情を話して現金の持ち合わせがないことを告げ、待ってもらい、ホテルのフロントで同じように事情を話して、クレジットカードでのキャッシングを頼んだところ、快く応じてくれて、タクシー運賃を無事支払うことができた。

 翌日、予定通り訪問先にNM氏を訪問し、仕事を済ませ、昨日のできごとを話したところ、最近こうした事件が多発しているが、どうかオランダ人のことを悪く思わないでほしい、多くは移民の仕業なのだと教えてくれた。

 こうして、最悪の事態の中、残る2件の訪問を何とか終えて、帰国したのであったが、このパソコンの盗難には後日談がある。

 数か月後だったと思うが、アーネムのNM氏からメール連絡が入り、アムステルダムのパソコンなどを修理する業者から連絡があり、先に盗難に遭っていた私のパソコンが見つかったようだと伝えてきた。

 詳しく聞いてみると、修理を依頼された業者がパソコンの中身を点検していると、NM氏の会社名や名前が見つかったので、念のため連絡してきたのだという。

 盗難品であることを伝えて、私の代わりに、何とかNM氏のもとに取り戻せないかと相談したが、業者に迷惑がかかったり危険が及んだりするかもしれず、難しいだろうという。

 NM氏にまで迷惑をかけることは避けたく、仕方なく、業者にはハードディスク内の情報をすべて破棄するようにNM氏から依頼してもらい、パソコンを取り戻すことは断念したのであった。

 続く話題はプリンターである。プリンターが突然使えなくなった。機種はインクジェット型プリンターだが、最近文字が滲んで印刷されるようになっていた。セットアップ機能のひとつ、プリントヘッドのノズルチェックを行うと、6色ある色のうちで、黒だけが飛び飛びに印刷されている。そこで、ヘッドクリーニング操作を行うことで、この不具合は解消されることが判ったが、毎日のようにこの操作を行わないと、きちんと印刷ができないようになった。

 その後しばらく使っていると、この不具合は自然に解消して、ヘッドクリーニング操作をしなくても正しく印刷できるようになっていたのだが、4月からのショップ再開に向けて、多数の商品写真の印刷を行っていた所、突然警告音が鳴り、動作が止まってしまった。

 表示パネルには次のようなメッセージが出ていて、廃インク吸収パッドの吸収量が限界に達したので、メーカーの修理窓口に連絡して交換しなければならないという。


プリンターのエラー表示

 取扱説明書によると、このメッセージ表示については、「廃インク吸収パッドは、お客様による交換ができないため、〇〇の修理窓口に依頼してください。」と書かれている。

 通常、プリンターを使用していて、使えなくなるのはインク切れの時である。この場合はインク残量を示す表示があるので、予備のインクを用意しておくことで、突然の事態に対処できるが、今回は突然動かなくなり、何の操作も受け付けなくなってしまった。

 取扱説明書には、こうなる前に、「廃インク吸収パッドの吸収量が限界に近付いています。お早めに〇〇の修理窓口にご依頼ください。」との表示が出ると記されているが、私の場合この表示が出ることはなく、突然の交換指示であった。

 これまで何台ものプリンターを使ってきたが、この「廃インク吸収パッド」交換といった事態に至ることが無かったので、その機能をよく理解していなかった。取扱説明書の構造図にも当然記載がなく、どこに配置されていて、どのような構造の物かも全く分からない。

 そこで、ネットで検索をしてみると、たくさんの記事が見つかった。今回の私と同じような事態に遭遇した方々のものである。対処方法について示しているものも含まれている。

 その中の一つを参考に、プリンターの右前底面のビスを2個外すと、廃インク容器を取り外して、内部を点検することができた。次のようである。

プリンターから外した廃インク容器(サイズ:50mm x 105mm x 65mm)

 簡単な構造で、プラスチック容器の中に6枚のインク吸収パッドが装着されている。インクカートリッジ交換と同じ感覚で取り外すことができるので、別売の部品として購入できれば自分で交換できそうである。何故そうしないのだろうかといぶかしく思えるものであった。

 別のネット情報によれば、このパーツは、単に交換すればいいというものではなく、別途ソフトでリセットをかけなければ、プリンターは再起動しないという厄介なもののようである。

 こうなると、メーカー窓口に連絡をして、引き取り修理を依頼するしかないが、印刷作業をその間中断することがためらわれたことと、以前からショップの業務用として別機種の購入を検討していたこともあるので、現在のプリンターは少々時間をかけて修理することにして、新たに購入することを決断した。

 すぐに届けられたプリンタを開梱すると、本体の他に、セットアップ用のインクカートリッジと共にもう1個小箱が付属していた。その箱の1つの面には「メンテナンスボックス」と書かれていて、裏面には装着方法の絵も描かれている。


新規に購入したプリンターの付属品のメンテナンスボックス

 取扱説明書にも「消耗品の交換」として「メンテナンスボックスの交換」の項があり、次のように書かれていて、上記の小箱に描かれているのと同様の説明図が記されている。このメンテナンスボックスとは「廃インク容器」のことであった。

 「メンテナンスボックスは、クリーニング時や印刷中に排出される廃インクを溜める容器です。操作パネルの画面にメンテナンスボックスの空き容量不足のメッセージが表示されたときは、新しいメンテナンスボックスを用意してください。交換の案内が表示されるまで印刷できます。交換のメッセージが表示されたら新品と交換してください。」

 この機種では廃インク容器が一杯になった時、ユーザーが交換部品と交換して印刷を継続できるように配慮されていた。

 これが正しい姿であろう。メンテナンスボックスという不明瞭な表現を用いているところに、このメーカーの姿勢がにじみ出ているし、従来機種で同じことができなかった理由は何だろうかと考えてしまう。

 このプリンタのケースでも、別機種の購入という、強硬手段での解決ということになってしまった。

 さて、こうしてストレスの溜まる状況に見舞われている時に、更なる突然死症候群が出現した。

 新潟時代からお世話になってきた、地域ネットワークサービス会社から、次のようなサービスの終了連絡が赤色でメーラー画面に表示された。

メーラー画面に突然現れたシステム管理会社からのサービス終了の連絡

 このメールサービスはかれこれ20年ほど使い続けているもので、有料であるが、新潟を離れてからも、関係者にメールアドレス変更で迷惑をかけることを避けるために使い続けてきた。送受信したメールの総数は数万件になる。

 「サービス終了のお知らせ」内容は次のようである。

 「コミュニティーサイトとして、ご利用いただいておりましたXXXX(〇〇コミュニティエリアネットワーク)サービスにつきましては、2024年8月29日をもちましてサービス提供を終了させていただくこととなりました。
 長きに渡りご愛顧いただきまして誠にありがとうございました。
 詳細は こちら をご確認ください。」 

 このお知らせと共に次の文が添付されていた。

 「XXXXサービス終了のお知らせ
 日頃より XXXX サービスをご利用いただき誠にありがとうございます。 コミュニティーサイトとして、ご利用いただいておりました XXXX(〇〇コミュニティエ リアネットワーク)サービスにつきましては、2024年8月29日をもちましてサービス 提供を終了させていただくこととなりました。 システム自体の老朽化も進み、今後も安定的にサービスを提供することは困難との判断 に至りました。ご理解賜りますようお願い申し上げます。 これまで⾧きに渡りご愛顧いただきまして誠にありがとうございました。

 記 1.提供終了サービス: XXXX(〇〇コミュニティエリアネットワーク)サービス 
     2.サービス終了日:2024年8月29日(木) 
     3.データ退避について 回覧板等に添付されたファイルデータ、ファイル倉庫に格納された必
            要なデータはご 利用者様にて退避するなど対処をお願いいたします。 回覧板への書き込
            みコメント、添付データ等含め全てのデータについて個別のデータ 抽出等の対応はでき
     ません。予めご承知おきをお願いいたします。 
     4.お問合せ先 XXXX ご相談窓口 (XXX ネットヘルプデスク) 電話番号:XXX-XXX-XXXX」

 さて、どう対処したものか考えることになった。この件は突然の連絡ではあるが、完全終了までまだ数か月の時間的な猶予はある。その間に対処法を考えるなり、心構えをすることができる。

 こうしたサービス提供の終了の話は時々聞いていたことだが、やはり利用者としては受けるダメージは大きい。日頃から、こうした事態への心構えや、備えをしておくことが必要なのだろう。

 当ブログについても、同じことが言えるのだろうと思う。開始からすでに9年目、基本毎週1回の投稿だが、特別版もあるので、記事数も766件になっている。1回の平均文字数を5000字とすると、累計で400万字ほどを書き続けてきたことになる。

 このブログのサービス終了と、自分自身の寿命が尽きるのと、どちらが先なのだろうかなどと考えさせられてしまう。こうした点についても、そろそろ終活が必要なのだと思い知らされる出来事の数々であった。




 
 



 

 
 

 

 

 

 

 
  
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