軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

ウクライナ情勢(2/21~2/27)

2023-02-28 00:00:00 | ウクライナ情勢
2月21日
・バイデン氏 キーウ訪問 ウクライナと連帯確認 ゼレンスキー氏と首脳会談
・北、弾道ミサイル2発発射 EEZ外落下 安保理緊急会合へ
・バイデン氏 侵略1年 電撃訪問 米、安全面を最大限考慮
・ゼレンスキー氏 G7(TV)会議に招待 首相、24日開催
・トルコ 2県除き捜索終了 死者、シリアと計4万6000人 地震2週間
・ミサイル情報 海保3回発表 内閣官房 情報再送で
・安保3文書 ポイント解説 反撃能力 攻撃を抑止
・北、基地へ核攻撃想定か ミサイル 米韓合同訓練に反発
・米、ミサイル発射非難 抑止へ日韓と協力拡大
・ウクライナ侵略 1年 感染症で犠牲 拡大懸念
 グローバルファンド事務局長 ピーター・サンズ氏
・昨年急死前外相 「自殺の可能性」 ベラルーシ、現地報道
・中国の対露武器供与「懸念」 ウクライナ 米国務長官 記者会見で
・王氏「日中 正しく前進を」 林外相と会談 米と連携の日本けん制
・上海市台湾担当 台北市長と会談
・ウクライナからの問い 
 4⃣文化は排除すべきなのか? 国際バレエコン ロシアと提携停止
・ウクライナ難民のいま ポーランドから🈭
 異国転々 もう限界 家賃払えぬ 何物にもなれぬ

2月22日
・露、新START停止 年次教書演説 プーチン氏表明 米欧を批判
・安保理 北非難見送り ミサイル発射 緊急会合 中露また声明反対
・ウクライナ侵略1年
 米・ポーランド 首脳会談へ 戦闘機供与 意見交換か
・露GDP 昨年2.1%減 資源高騰下支え 制裁効果は限定的
・「ホットライン」春頃開始で一致 日中防衛協議
・侵略を正当化 プーチン氏演説 対ウクライナ 苦境から国民の目をそらす
 【プーチン大統領の年次教書演説の要旨】
  私たちは平和的な解決のためにあらゆる努力をしたが、背後では全く異なるシナリオが用意さ
 れていた。ウクライナは(ロシアの)特殊軍事作戦の前から、防空システムや戦闘機の供与につ
 いて西側と交渉していた。
  米国や北大西洋条約機構(NATO)は、ロシアとの国境付近に軍事基地などの建設を進め、
 ウクライナと大きな戦争に備えていた。彼らが戦争を始めたのだ。アメリカは巨額の費用を使い
 兵器の支援をしている。西側が地域紛争を世界的な紛争に変えた。
  (西側は)経済制裁でロシア国民を苦しめようとしたが、実現しなかった。(ロシアに)制裁
 を科した国々は、自分たちを罰することになっている。物価上昇や失業、エネルギー危機などを
 引き起こしている。ロシアの統治システムと経済が西側よりも強固だったことが明らかになっ
 た。
  特殊軍事作戦への参加者の家族は十分な支援を受けなければならない。特殊な国家基金を作る
 ことを提案する。亡くなった兵士の家族の支援が目的だ。
  ロシアは核軍縮の枠組み「新戦略兵器削減条約」(新START)への参加を一時停止していると
 表明せざるを得ない。脱退ではなく停止だ。米国が実験を行えば、ロシアも行うことになるだろ
 う。
・中露接近 米欧が警戒 王毅氏ロシア訪問
・【社説】竹島の日 外交戦で韓国に後れを取るな
・安保3文書 ポイント解説 情勢認識 習政権で変化
・エマニュエル氏 「攻めの同盟に」 米大使1年で講演
・バイデン氏 保秘徹底 キーウ訪問 舞台裏 同行記者の携帯回収・車サイレン鳴らさず
・伊首相も訪問 ゼレンスキー氏会談へ
・プーチン氏演説 ウクライナが反発
・ウクライナ侵略1年 欧州内の変化 早めた
 ジョナサン・アイル氏 英王立防衛安全保障研究所 アソシエイト・ディレクター
・中国が安保構想文書 紛争「一方的制裁」反対 G7けん制
・中国「2中総会」 26~28日に開催 高官人事案討議
・石油・ガス高騰 露に利益 GDP 効果的な追加制裁 焦点
・ウクライナ侵略1年 母国へメダル届ける 5月世界柔道 ダリア・ビロディド
 戦争ばかげたこと

2月23日
・米大統領「自由守る」 ウクライナ 全土で空襲警報 侵略あす1年
・「民主主義 強くなった」バイデン氏演説 支援疲れには危機感
 【バイデン大統領の演説要旨】  
  世界に伝えたいメッセージは「米国は戻ってきた。対外政策の中心に外交が戻ってきた」とい
 うことだ。我々は同盟関係を修復し、再び世界に関与する。きのうではなくきょうとあすの課題
 に対応するためだ。米国のリーダーシップは、米国と張り合おうとする中国の野心や、我々の民
 主主義を傷つけ、妨害しようとするロシアの強い意志を含む権威主義の台頭に対処しなくてはな
 らない。
  我々は、パンデミック(世界的大流行)や気候変動の危機、核拡散といった加速する世界的な
 難題に対応しなければならない。こうした難題は、各国が共通の大義の下に協力することによっ
 てしか解決できない。
  民主主義国において、武力で民意を覆そうとしたり、信頼できる選挙結果を抹消しようとした
 りすべきではない、ということに疑いがあってはならない。ビルマ(ミャンマー)軍は奪取した
 権力を放棄し、拘束した活動家や当局者を釈放し、通信規制を解除し、暴力を自制すべきだ。
 友好国とともに民主主義と法の支配の回復の支援に取り組み、責任者に責任を取らせる。
  米国の同盟関係は我々の最も素晴らしい財産だ。外交によって主導するということは、同盟国
 や主要な友好国と再び協力し合うことを意味する。我々はまた、国益となり米国民の安全を前進
 させる場合には、敵国や競争国とも外交的に関与しなくてはならない。だから昨日、米国とロ
 シアは新戦略兵器削減条約(新START)の5年延長に合意した。同時にプーチン大統領に対し、
 米国がロシアによる選挙干渉やサイバー攻撃、自国民に毒を盛るといった攻撃的な行動に対して
 言いなりになる時代は終わったと明言した。
  中国の経済的虐待に立ち向かい、攻撃的かつ威圧的な行動に対抗し、人権や知的財産、グロー
 バル・ガバナンスへの中国の攻撃を押し返す。しかし米国の国益になる場合は中国政府と協力す
 る用意がある。
  今年のアースデー(地球の日)に、気候変動の危機に対処するサミットを主催する。米国はこ
 の存亡の脅威に立ち向かうため主導しなくてはならない。
  オースティン国防長官が、米国の外交政策と国家安全保障の優先課題と協調するような世界的
 な米軍の配置見直しを主導する。この見直しを実施する間、ドイツからの米軍撤収 は停止す
 る。
  イエメン内戦での停戦に向けた国連の努力を支援する。ブリンケン国務長官が外交官であるレ
 ンダーキング氏をイエメン担当特使に起用した。イエメン内戦での武器売却を含めた軍事支援を
 全て停止する。
  難民の年間受け入れ枠を12万5千人に再び引き上げることを可能にする大統領令を承認する。
  LGBTQI(性的少数者)に関する問題での米国のリーダーシップを再活性化するよう各機関に
 指示する。
・対露「調査と訴追」決議案 戦争犯罪追及 国連総会提出へ
・露議会、核軍縮停止承認へ
・G7首脳 明日TV会議 首相開催 侵略1年 結束確認へ
・【社説】プーチン演説 核の威嚇と虚言重ねる卑劣さ
・ウクライナ侵略1年 欧米弾薬生産 戦時並み EUに共同調達案
・米大統領演説 ポーランド軍事積極関与 ウクライナ独立 安保に直結
・START停止 米懸念 プーチン氏表明 核軍縮 悲観論も
・王毅氏、露大統領と会談 ウクライナ「和平案」説明か
・ICBM発射 露実験失敗か 誇示狙い?米報道
・「通常角度で発射可能」 北ICBM、韓国が味方
・米台が安保協議 報道 複数高官、異例の訪米
・防空システム 伊が供与発表
・G20経済協力見通せず 財務相会議23日開幕
・ウクライナからの問い 5⃣SNS時代のテレビとは? 多角的な視野 どう持つか
・ウクライナ侵略1年 避難民2人 受け入れへ 空手道場 戦後復興視野に支援
 高森町営住宅 提供見通し
・ウクライナ侵略1年 警官の夫 生還信じて 昨春「殉職」証拠なく
・12歳少女「今も音が怖い」 地下に監禁1か月

2月24日
・ウクライナ 終戦見えず 露侵略1年 戦線膠着 死傷計30万人超
・戦争犯罪「調査・訴追」採択へ 国連総会緊急会合 露へ非難相次ぐ
・無秩序な世界 防ぐ努力を 国際部長 小川 聡
・G7 追加制裁議論 財務相会議 米、1.3兆円支援表明
・露、核の威嚇強める 攻勢伸び悩み 国威発揚か
・日本 対露圧力を主導 G7議長国 包囲網拡大狙う
・中東欧9か国 抑止力を強化 バイデン氏が意向
・ウクライナ不退転 夏にも転機か 反攻準備 露は持久戦構え 一方の完全勝利難しく
・【社説】露侵略から1年 暴力の支配許さぬ決意と連帯 ウクライナの抗戦を支えよう
・国際経済 侵略1年 経済ぐらつく 露、景気てこ入れに躍起
・【広告】ウクライナ戦争 小泉悠著 筑摩書房発行
・露から撤退 日系加速 
 ウクライナ侵略1年 自動車 物流混乱や部品調達難 金・原油高止まり
・日ロ貿易6%縮小
・NATO 日本と協力待望 デンマーク駐日大使 ピーター・タクソイェンセン氏
・識者に聞く
 米タフツ大准教授 オクサナ・シェベル氏 今後数か月 勝敗を左右
 ストックホルム国際平和研究所会長 和平 ウクライナが決定
 東大先端科学技術研究センター専任講師 小泉悠氏 領土分断 十分あり得る
・プーチン氏 独裁傾向 指導者 行方は 戦果アピール 官製集会
・ゼレンスキー氏「結束」象徴 支持84%世界も尊敬
・露の核使用検討 米「証拠ない」 バイデン氏発言
・避難民 癒えぬ心 日本滞在の50人調査 サイレン怖い・子供に友達できない
・兵士の墓標 また一つ リビウ「どれだけ犠牲払えば」
・東・南部から避難15万人

2月25日
・「戦場で核」緊迫 露「検討」米は直接警告
 世界秩序の行方 侵略1年1⃣
・G7、対露制裁協議へ 首脳TV会議 ウクライナ大統領招待
・対露抗戦を呼びかけ ゼレンスキー氏ビデオ演説 「勝利が待っている」
 ウクライナ侵略1年
・米、対露関税引き上げ 追加制裁 中国企業に輸出規制も
・米軍、台湾訓練へ増派 100~200人、対中抑止も狙う 米紙報道
・「無差別攻撃は戦争犯罪」 林外相 安保理閣僚級会合で
・キーウ訪問は首相「検討」
 ウクライナ侵略1年
・識者に聞く
 資源・食糧問題研究所代表 柴田明夫氏 経済圏ブロック化
 防衛省防衛研究所政策研究部長 兵頭慎治氏 世界の安保観一変
 EU外交安全保障上級代表(外相) ジョセップ・ボレル氏 武力の常態化 許されぬ
  露撤退へ「三方面戦略」拡大
 岸田首相訪問「非常に重要」ウクライナ駐日大使「大歓迎」
・「生活者がいる」3DF画像解説 東京大院・渡邉教授
・戦争犯罪 追及加速へ 対露国連決議 初の明記
 ウクライナ侵略1年
・中国「対話で危機解決」 12提案 実効性には疑問符
・露軍艦 黒海に25隻 地中海にも最大18隻 伊警戒
・北「巡航ミサイル4発」 23日、日本海に 米韓演習けん制か
・物価高継続 1月4.2%増 食料・エネ 値上がり幅上昇
・電気料金 大手9社上昇 4月請求分 家庭向け
・露侵略に抗議 長野駅前で県労連など6団体
・避難民に就労の壁 「言葉」で門前払い・求人ミスマッチ
・「家族守る」父に代わり 遺言胸に11歳少年誓い
 ウクライナ侵略1年
 
2月26日
・G7首脳会議 首相、新たな対露制裁表明 資産凍結・禁輸を拡大 第三国に支援停止求める
・物価対策 成果文書へ調整 ウクライナも議論 G20 財務相会議閉幕へ
・世界秩序の行方 侵略1年2⃣ 対ソ基地「売却は誤り」
 NATO 東方へ拡大 旧東側 ロシア離れの30年 NATO加盟 脱・「緩衝地帯」
 プーチン氏 介入強める 日本も連携「台湾」見据え
・中国和平案に不満 ゼレンスキー氏 露撤退明記なく 習氏会談には意欲
 ウクライナ侵略1年
・岸田首相訪問「歓迎」 ゼレンスキー氏 支援に謝意
・日米欧「戦争犯罪」を非難 露反発 中国も圧力批判
・【広告】ウクイライナと共に ー日本にいる私たちができることは何か-
 ワルシャワ日本語学校教頭・坂本龍太郎著 双葉社発行
・【社説】G7首脳会議 秩序回復へ日本の役割は重い
・露、モルドバ揺さぶる SNSでデマ流布 東部に駐留 「駐留兵士に危害なら対応」露声明
・欧州で露侵略に反対する抗議活動 独1万人
 「許さない」記載紙幣 30万枚限定
 EU本部など国旗掲揚
 ウクライナ侵略1年
・独戦車 ウクイライナに初供与 レオパルド2 ポーランドから4両
・ワールドビュー 編集委員 飯塚恵子
 「ナラティブ」戦争の行方 
・露に戦車砲弾 イランが提供 米NSC調査官見方
・中国の12提案 「露以外利なし」米大統領
・サイエンス ウクライナの院生 東北大に 警報におびえず研究できる幸せ
 学生にも刺激「日本との懸け橋に」
 宇宙、素粒子・・・ロシアとの研究に影
・ウクライナ侵略1年
 幼い息子 絶望に光 左手足失った元兵士 リハビリ「新しい人生へ」
・避難の学生と学費トラブル 前橋の学校法人

2月27日
・地球を読む 北村 滋/前国家安全保障局長
 ウクライナ善戦 「情報力」露の野望くじく 現代戦を左右 強化急務
・中国の無人機運用 急増 東シナ海 台湾有事想定か 空自が緊急発進
・G20「戦争非難」議長総括 財務相会議閉幕 共同声明は見送り
・ウクライナ 露の無人機 枯渇か 英分析 補給探る可能性指摘
・安保3文書 ポイント解説 防衛費2% 世界に示す
・「露に勝利 確信」9割超 現地世論調査 PTSD課題 
 ウクライナ侵略1年
・欧州内ほころび懸念 マリー・デュムラン氏 欧州外交評議会 広域欧州プログラム長
・バンクシー作品 切手に プーチン氏を批判する言葉
・露国内反戦行動 50人以上を拘束 14都市で
・日本頼る教え子支援 キーウで日本語教室 愛知の夫婦 「家族同然」 
 ウクライナ侵略1年

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今月の雲場池(2月)

2023-02-24 00:00:00 | 軽井沢
 2月に入り雲場池はとても静かになった。まず定点からの様子を見ていただく。
 2月10日の寒波の襲来で、11日には前日から降った雪が雲場池の周辺の木々にも積もり、美しい雪景色を見せたが、翌12日にはほとんど消えてしまった。

  朝方の気温はマイナス5度程度の日が続いていて、天気予報でマイナス11度にまで下がるとされた16日の朝は雲場池の大池にも氷が張った。

 ただ、この日凍ったのは前回の下流域ではなく池の少し奥の方であった。朝日が差し込む場所が関係しているのかもしれない。

2023.1.29 撮影

2023.2.5 撮影

2023.2.11 撮影 前夜からの雪で雪化粧をした


2023.2.12 撮影 前日木々に積もっていた雪は消えた


2023.2.16 撮影 気温がマイナス10度近くまで下がり、池縁部と中ほどに氷が張った

2023.2.22 撮影

 
2023.2.16 撮影 池の中ほどに張った氷


2023.2.16 撮影 同上

 池にいる水鳥の種類は、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、オオバンがほぼ定着し、これに時々キンクロハジロとダイサギが、そしてごくまれにヒドリガモが加わるという状態である。

マガモの群れ (2023.2.13 撮影)

マガモの群れ (2023.2.10 撮影)

逆立ちして餌を探すマガモ♂(2023.2.14 撮影)

 水鳥たちは、ペアになっていることが多く、群れで過ごしているマガモの場合でも、その群れから少し離れて2羽が泳ぐ姿を時々見かける。このマガモの求愛のポーズである首を上下に振るしぐさを、雌雄が同時にしているのを見かけることがある。ある時、そんな様子を見ていると、突然交尾行動に入ったようであった。カメラをビデオモードにして撮影を試みたが、池周辺の樹木の陰に移動してしまいうまく撮影できなかった。次の2枚目の写真はそのビデオからキャプチャーしたものである。

ペアになって泳ぐマガモ(2023.2.21 撮影)


マガモの交尾行動(2023.2.20 ビデオ映像からのキャプチャー画像)

 このマガモの雌たちは、妊娠した状態でもうすぐ北に帰り、そこで子育てをすることになるのだろう。無事に繁殖してまた子供たちと戻ってきてもらいたい。

 オカヨシガモの2組の番(つがい)が定着して過ごしている。雌雄は嘴の色ではっきりと区別される。黒い方が♂、オレンジ色の方が♀。

オカヨシガモのペア(2023.2.8 撮影)

オカヨシガモのペア(2023.2.12 撮影)

オカヨシガモのペア(2023.2.14 撮影)

羽繕いするオカヨシガモ♂ (2023.2.12 撮影)

羽繕いする2羽のオカヨシガモ (左♀、右♂ 、2023.2.12 撮影)


羽繕いするオカヨシガモ (左♂、中・右♀ 、2023.2.12 撮影)

朝のけあらしの中を泳ぐオカヨシガモ (2023.2.22 撮影)


羽ばたくオカヨシガモ♀ (2023.2.22 撮影)


飛び立つオカヨシガモ(左♂、右♀ 、2023.2.12 撮影)

 コガモが小さな群れをつくり定着しているように見える。他の水鳥があまりやって来ない、雲場池上流域で餌を探すこともある。


雪の日、一列になって泳ぐコガモの群れ (2023.2.10 撮影)

雲場池の上流域に来たコガモ♀ (2023.1.29 撮影)


雲場池の上流域の流れに逆らって泳ぐコガモ♂ (2023.1.29 撮影)


コガモのペア (左♀、右♂、2023.2.11 撮影)


コガモ♀ (2023.2.11 撮影)

コガモ♂ (2023.2.8 撮影)

 慣れてきたのか、私が遊歩道を近づいて行っても、逃げ去ることがなくなったので、アップで撮影した。

コガモ♂のアップ (2023.2.16 撮影)

 オオバンは先月まで1羽だけでマガモやオカヨシガモに混じっていたが、最近になってもう1羽が加わり、現在2羽になった。雌雄の区別がつかないのではっきりしたことはわからないが、ペアなのだろうか、仲睦まじい姿を見かける。

オオバン (2023.2.8 撮影)

オオバン (2023.2.11 撮影)
 
オオバン (2023.2.11 撮影)

 次は潜水して餌を探した後のオオバンの動き。別にここは浅いわけではない、なんだか奇妙な動作に見える。

オオバンの奇妙な動作 (2023.2.22. 撮影)

 昨年は多数見かけたキンクロハジロであるが、今年は数が少ない。どこか他の場所との間を行き来している様子である。冠羽が特徴で、雄の方が長く目立つが雌にも冠羽がある。

キンクロハジロペア (2023.2.15 撮影)

キンクロハジロペア (2023.2.15 撮影)

 キンクロハジロはよくこうした動作をして笑わせてくれる。

キンクロハジロ♀ (2023.2.15 撮影)

 
単独で現れたヒドリガモ♀ (2023.2.16 撮影)

 続いて小鳥たちの様子。池の周囲にはいつものようにシジュウカラが見られるが、他のカラたちの姿はあまり見られない。

樹上を飛び回るシジュウカラ(2023.2.12 撮影)

 1月末から2月にかけて久しぶりにカヤクグリの姿が見られた。池周辺に植えられているドウダンツツジなどの根元の落ち葉をかき分けて何やら餌を探していることが多い。近寄ると、すぐ近くのイチイの枝に飛び移るが、それ以上飛び去らないので、ゆっくり撮影ができた。スズメ大の目立たない種で、表情はなかなか可愛いい。

地上で餌を探すカヤクグリ(2023.1.29 撮影)

イチイの木の枝にとまるカヤクグリ(2023.1.29 撮影)

 別の日、今度は池周辺の別荘地庭の樹上で見かけた。

樹上のカヤクグリ (2023.2.10 撮影)

 この日はズミと思われる小さな実がなっている木の枝に止まっていた。この日も警戒する様子がなく、ゆっくりと撮影することができた。

カヤクグリ (2023.2.13 撮影)

 カワガラスは同じ場所で見かけることが多いのだが、こちらは相変わらず警戒心が強く、撮影しようとしてカメラを構えると距離をとるようにして遠ざかってしまう。そのためなかなかカワガラスのはっきりした写真を撮ることができないでいる。

カワガラス(2023.2.8 撮影)

河の中に入って餌を採るカワガラス(2023.2.8 撮影)


シルエットがミソサザイによく似ているカワガラス(2023.2.10 撮影)


カシラダカ(2023.2.10 撮影)

高い樹上で囀るホオジロ (2023.2.20 撮影)

シロハラ (2023.2.3 撮影)


シロハラ(2023.2.15 撮影)

 何かが動いた気配に傍らの木を見上げると、幹を上の方に器用に登っていくキバシリがいた。


キバシリ (2023.2.20 撮影)

 ダイサギは10羽前後の群れで時々やってきており、距離を詰めていくと飛びたつ。羽をひろげゆったりと飛ぶ姿は美しく、見かけるとついつい時間を忘れて撮影に夢中になってしまう。

ダイサギの群れ(2023.2.15 撮影)

 以下、ダイサギの飛翔する美しい姿の数々を見ていただく。

2023.1.31 撮影

2023.1.31 撮影

2023.1.31 撮影

2023.2.22 撮影

2023.2.22 撮影

2023.2.15 撮影

2023.2.15 撮影

2023.2.15 撮影

2023.2.15 撮影

2023.2.15 撮影

2023.2.22 撮影

 冬の間はどんな風になっているのだろうかと気になっていたモンローの唇(イオウゴケ)は変わらずお色気をふりまいていた。


モンローの唇(イオウゴケ 2023.2.12 撮影)

 話題は異なるが、今月に入り雲場池の入り口に工事のための仮設小屋が建てられた。自転車置き場を占領したかたちだが、これはすぐ近くで行われている正宗白鳥の詩碑(文学碑)移設工事のためである。

 以前このブログで紹介したことがあるが(2018.6.22 公開)、正宗白鳥の詩碑は現在、旧軽井沢銀座通りの一番奥にある二手橋を渡り左の水源地の方に折れて進み、さらにしばらく行き右側にある細い山道を登ったところに設けられている。

 ここは不便な場所であり訪れる人も少ないことから、正宗白鳥の別荘が今も残されている雲場池の正面近くに移すことをご遺族が決め、町との交渉の末、今回の移設が決まったという。とてもいい判断だと思う。

 2月上旬に着工した工事が進み、2月下旬には詩碑を設置する台座部分の様子が見えてきている。 

仮説小屋の前に設置されている工事の案内板(2023.2.8 撮影)


工事予定地の前面道路に集まる工事関係者と車両(2023.2.8 撮影)


詩碑を移設する場所の工事と思われる(2023.2.22 撮影)


詩碑は精進場川に面した場所に設置される模様(2023.2.22 撮影)
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ウクライナ情勢(2/14~2/20)

2023-02-21 00:00:00 | ウクライナ情勢
2月14日
・地震1週間 トルコ・シリア死者3.5万人 治安悪化 捜索に影 氷点下 テント避難
・医療資機材 政府機で 防衛相命令
・ウクライナからの問い 極限 あふれだす言葉
・飛行体 米撃墜4件に 米・カナダ 領空侵入 レーダー分析・探知向上
・中国 3件の確認避ける 「米気球、違法飛行」主張も
・中国測量艦 領海に侵入 屋久島周辺
・【社説】北欧とトルコ NATO拡大に影落とす対立
・トルコ被災地 盗難相次ぐ 治安悪化 16万人 他地域に避難
・露軍 死傷者急増か 英分析、東部攻勢拡大で
・露大衆紙に反戦記事 公式サイト10分で削除
・露、自爆型無人艇初投入 ウクライナ 米制服組トップに報告
・露極東の前知事 禁固22年判決
・中国外交トップ(王毅氏)露・欧州歴訪へ きょうから
・クルドの村 届かぬ支援 「我々の存在 忘れられている」

2月15日
・大型弾薬庫10棟に着手 大分・青森 計4棟新設 政府新年度計画 反撃能力の要 
 長射程ミサイルを保管
・気球残骸から電子機器 米が回収 機能解析へ
・米中が会談検討 ロイター
・ウクライナ侵略 1年 「日米、核協議の枠組み必要」
 米の核戦略見直しを 
 元米国防次官補代理 ブラッド・ロバーツ氏
・ウクライナ支援 カイロなど提供 政府
・露、東部で攻勢拡大 侵略1年へ戦果急ぐ ウクライナ
・米欧兵器 投入に時間 大規模な反撃 出られず
・日米比連携 けん制か フィリピン船に 中国海警船2回「軍用級」レーザー照射
・中・イラン 結束強調 習氏・ライシ師会談 米との対抗軸 強化狙う 貿易・農業など協力
・中国 台湾揺さぶり 国民党の要請応じ 農水産物輸入再開 前向き
・地震198時間 3人生還 トルコ 救助活動 徐々に終了
・ウクライナ防衛 計画見直し意向 NATO事務総長 兵器増産を含め防衛計画を見直し
・ウクライナからの問い 文化遺産をどう守るか? 木の文化 共有する友人として
 復興支援 「日本の強み」どう生かす

2月16日
・気球撃墜 要件を緩和 領空侵犯「正当防衛」以外も 政府方針 無人機に対応 法解釈変更
・中国の気球 日米が非難
・トルコ・シリア 死者4.1万人 地震222時間 救出続く
・重要施設近くに中国気球 日本領空 19年以降3回確認
・米撃墜偵察気球 海南島から追跡
・露、侵略で新鋭戦車半減 ウクライナも戦闘機多数損失 英シンクタンク
・気球 安保の盲点 武器使用緩和へ 意図見極め・撃墜技術 課題
・中国、包囲網を警戒 日本の出方注視
・インドに戦闘機 米懸命 露依存脱却狙う 見本市に「最大の代表団」
・NATO 武器供給強化 ウクライナ弾薬不足で 
・中東で押収した武器の供与検討 米、ウクライナへ
・気球か モルドバ領空閉鎖 大統領 露クーデター計画指摘
・露、子6000人連れ去り ウクライナから 施設で「再教育」
・ウクライナ支援 7400億円要請発表 2国連機関
・比大統領、中国に「懸念」 レーザー照射など 大使に直接表明
・尖閣「領有」明示 中国地図に規則
・ウクライナからの問い 
 文化をどう発信するか 名門バレエ団 「白鳥」棚上げ ロシア離れ加速 「独自性」意識
・シリア北西部 届かぬ支援 トルコ地震 内戦影響「見放されている」
 
2月17日
・トルコ16万棟損壊 地震 避難生活100万人
・韓国、「北は敵」明記 尹政権 22年国防白書 16年以来 抑止力強化へ
・貿易赤字 最大3.4兆円 1月 資源高で輸入額上昇
・【社説】中国の偵察気球 防衛省の危機感が乏しすぎた
・「バフムト抗戦続ける」 ウクライナ大統領
・キーウに気球 撃墜 ウクライナ 6機 露が投入か
・仏大統領と王毅氏会談 ウクライナ情勢協議

2月18日
・H3打ち上げ直前中止 補助ロケット着火せず
・米、技術流出阻止へ組織 AI・バイオ 中国など警戒
・米大統領、習氏と協議意向 気球撃墜「新冷戦望まぬ」
・ウクライナ侵略 討議へ ミュンヘン安保会議開幕
 米欧、日本、中国、韓国などから首脳・閣僚級ら200人以上参加、ロシアは招待されず
・領空侵犯「厳正に対処」 防衛相 自衛隊の武器使用緩和
・露・ウクライナ 外交戦
 ゼレンスキー氏 イスラエルから支援
 プーチン氏 ベラルーシに協力要請
・砲弾などの兵器 欧州7か国支援 ウクライナ基金で初
・露死傷者「17万~20万人」 英推計 予備役動員後に急増
・中露、南アと合同演習 米欧国際秩序に対抗
・アラスカ防空圏 露軍機連日接近
・台湾海底ケーブル切断 中国船か
・北、安保理批判 「米国の道具」
・伊 中国王毅氏に対露圧力強化求める
・安保理 露の排除「困難」
 
2月19日
・北ICBM 北海道沖に 66分飛行、EEZ内 渡島大島の西200キロ 昨年11月以来
・G7、ウクライナ支援結束 外相会合 対露制裁を継続 北ミサイル発射非難
・対露 米中違い鮮明 安保会議 ハリス氏と王氏 演説
・日中外交トップ「気球」議論 林外相、再発防止求める
・北また米韓挑発 ICBM発射 昨年と軌道酷似 米全土射程か
・日米韓 情報共有強化へ
・中国、欧州と関係改善図る 伊は距離 首相会談せず
・NATOとEU警戒 
・ウクライナ 英、軍事支援増強提案へ 安保会議 NATO関与も
・仏独首脳、支援継続を強調
・露反政権「大物」(ミハイル・ホドルコフスキー氏など)複数招かれる
・「露軍攻撃機の製造」表明 ベラルーシ大統領 プーチン氏と会談
・ワグネル死者 米「9000人」推計
・米 飛行体残骸の捜索終了 国内3件 中国気球は回収
・ウクライナ侵略 「関心」8割以上 米英仏韓
・イスラエル船をイラン機攻撃か
・トルコ地震 死者4.5万人
・中国軍ヘリ 日本船に接近 沖縄沖 EEZ内 2度旋回
・北ICBM 「またか」漁業者憤り 道知事「暴挙だ」非難
・陸自日米共同訓練 報道陣に公開 「アイアンフィスト」 

2月20日
・米中 気球問題譲らず 外交トップが会談(ミュンヘン)
・北ICBMは「火星15」 朝鮮中央通信 実戦配備段階 誇示
・米韓空軍が合同演習 北へ対抗措置 
・対北抑止力を 日米韓強化へ 外相会談で一致
・米中、対立「管理」図る 気球問題直接対話
 米、「不測の衝突」を懸念
 中国、「関係安定」を模索
 台湾が最大の火種 変わらず
・【社説】北ICBM発射 危険度増す軍事挑発に備えよ
     G7外相会合 露の暴挙へ連帯を固め直した
・ウクライナ 軍事支援 各国に温度差 安保会議閉幕 長期継続が課題
・グローバル・サウス 「新興国」、露批判せず
・露、西・東部にミサイル ウクライナ
・露侵略解決向け 中国の立場伝達 ウクライナに
・露朝の鉄道貿易 急増
・半導体 対中規制で議論(オランダ/中国)
・ウクライナ難民の今 ポーランドから㊤ 冬の避難所 親子7人 0歳児抱え
 「居場所ここだけ」


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死ぬまでに学びたい5つの物理学

2023-02-17 00:00:00 | 
 もうだいぶ前のことになるが、職場の先輩であったHさんから、1冊の本が送られてきた。書名は「死ぬまでに学びたい5つの物理学」(山口栄一著 2014年 筑摩書房発行)というちょっと大層なタイトルの本である。
 
 Hさんは現役時代、本社の営業関連の部署に所属していたが、G大学・理学部物理学科の出身と聞いていたので、この本が送られてきたことに関しては、なるほど、しかしどうしてという感じがしたのであった。

 すぐにざっと目を通したが、細部までとなるとそんなに簡単に読めるものではなく、これまで長い間何度となく本棚と机の上を行ったり来たりしている。

 この本で採りあげている5つの物理学とは何かというと、①万有引力の法則、②統計力学、③エネルギー量子仮説、④相対性理論、⑤量子力学である。

 確かにこれらの学問はいずれも現代物理学の根幹をなすもので、それぞれ偉大な一人(下表で赤字で示す。量子力学だけは複数の名前が紹介されている。それ以外の黒字は関連する人物)の物理学者が大きな貢献をして発見されたものである。

 これらの発見者の名前は、万有引力と言えばアイザック・ニュートン(1642~1727)、統計力学はルートヴィッヒ・ボルツマン(1844~1906)、エネルギー量子仮説はマックス・プランク(1858~1947)、相対性理論はアルベルト・アインシュタイン(1879~1955)、量子力学の基になる物質波の概念はドゥ・ブロイ(1892~1987)である。

 ちなみに、ノーベル物理学賞の受賞について触れておくと、5人の内ニュートンは別にして、1901年からスタートしたノーベル賞を受賞したのはマックス・プランク(1918年、エネルギー量子の発見による物理学の進展への貢献 )、アルベルト・アインシュタイン(1921年、理論物理学に対する貢献、特に光電効果の法則の発見 )、ドゥ・ブロイ(1929年、電子の波動的特性の発見 )の3人である。1906年に没したルートヴィッヒ・ボルツマンはノーベル賞を受賞していない。
 尚、下表のエルヴィン・シュレーディンガーとヴェルナー・ハイゼンベルグのノーベル物理学賞の受賞年と受賞理由は、それぞれ「1933年、原子論の新しく有効な形式の発見」と「1932年、量子力学の創始ならびにその応用、特に同素異形の水素の発見 」であった。 


5つの物理学の発見に貢献した科学者とその生没年表(☆はノーベル賞受賞年)

  著者の山口栄一京都大学教授はこの本を出版した目的を序章の中で次のように記している。

 「本書の第一の目的は、『物理学の学び直し』です。今の教育制度では高校時代に文系に進んだ若者は、生涯二度と物理学に触れようとしないでしょう。そのために多くの人がこの宝物の価値を知らずにいます。だから大人になった後でも、科学、とくに相対性理論などの現代物理学を学んでみたいと思う人たちに、物理学への入門を果たす手伝いをしたい。・・・

 本書では5つの物理学を取り上げ、それがどのような環境と着想のもとに生れたか、それぞれの物理学はどんなふうに理解できるかを述べます。・・・ 

 なぜ科学は、15世紀までの最先進国である中国や、その知識を受け継いで独自な進化を遂げた日本で生まれなかったのでしょうか。あるいは化学の原初である錬金術を生み出し高度な物質技術を開発していたアラブ世界で生まれなかったのでしょうか。
 こうした疑問に対して腑に落ちる答えを得ることが、本書の第二の目的です。・・・」

 ここで述べられている第一の目的とは、5つの物理学そのものについてである。一方、第二の目的は著者独自の理論についてである。イノベーション・ダイヤグラムと著者が名付けた図を用いて「知の創造」に至る知的営みについて述べ、これにより5つの物理学が発見されたプロセスを検証している。

 このイノベーション・ダイヤグラムに関し、「ブレークスルーを成し遂げた物理学者たちの思考プロセスは人類にとっての宝物です。これを知らずに死ぬのはもったいない。・・・人類のもっとも美しい物語を知ることができる。・・・」と書かれている部分を読むと、この思考プロセスこそ著者が一番読者に訴えたかったことであり、本のタイトルもそのことを示していると思えるのである。 

 著者が挙げたこの2つの目的の他に、著者がもう一つ力を込めているのが「ゆるぎない軸」ということである。これについてはやはり序章で次のように述べられている。

 「ぼくは物理学に出会ったおかげで、どんな困難に出会っても、軸をぶらさずに生きてこられた。物理学は、ぼくの人格を強くしてくれた。・・・」

 これより少し前の部分で、スイスの物理学者ヴォルフガング・パウリの書いた『相対性理論』を読み、その数式を理解し、その美しさに感動した時に、「こんなに美しい世界があることを知った以上、自分はもう何があっても揺らぐことはない」と思ったとも述べている。著者19歳の時のことである。

 この、著者の経験を多くの学生に伝えたい、道に迷った若者たちが自分で困難に立ち向かっていける。・・・そういう物理学を教えたい・・・との思いで大学院で教えた講義をもとにしたものがこの本であるという。

 ところで、Hさんがこの本を私に送ってくれた理由は、今も謎のままである。Hさんは理学部・物理学科の出身、私は、物理系ではあるが、物性物理学科の出身であり、バックグラウンドはやや異なっている。それでもこの本が取り上げている5つの物理学は一通り学んできた。特に、統計力学と量子力学は岩波全書の著者である中村 伝教授と小谷正雄教授から直接教わっており、テキストでもあったその本は今も手元にある。

 
岩波全書「統計力学」(中村 伝著、1967年 岩波書店発行)のカバーケース表紙


岩波全書「量子力学Ⅰ」(小谷正雄著、1965年 岩波書店発行)の表紙

 この本の著者が記した第一の目的である「物理学の学び直し」はHさんにも私にもちょっと当てはまらないのではというのが、この本を手にしたときの最初の印象であったが、本文を読み進むうちにやや考えは変わっていった。

 著者は序章で次のようにも述べている。

 「これまでの物理学の教科書はすべて『物理学を利用する』ということを暗黙の前提として書かれています。だから教師は、物理学をあくまで『道具』として学ぶように指導してきました。
 たとえば、工学部の教育課程とその教科書には、最初の基礎科目に物理学が入っているけれども、一つ一つの理論に魂が込められていません。『道具』や『機械』なのだから単に覚えればよい。使えればよい。そんなふうな書き方がしてあります。
 じつは、理学部の物理学科でさえそうなのです。教師は、学生が将来、教師や企業の科学者・技術者になることを暗黙の前提にしています。だから、やっぱり物理学はここでも『道具』なのです。・・・」

 ここに述べられた意味では、Hさんも私も「道具」としての物理学を学んできたということになる。

 学生時代に受けた授業内容は、もう霞のかなたでよく覚えていないが、これら5人の科学者がどのようにして革新的なアイデアに到達したのかという、個人の内面にまで入り込んだ思考プロセスについては、確かに授業では触れられていなかったように思う。

 ただ、19世紀後半から20世紀前半のこの時代に、物理学が飛躍的に発展し、その成果が物性物理学にもおよび、磁性体や半導体の性質が深く理解されるようになっているのを生きいきと学ぶことができたと思っている。

 5つの物理学に戻ると、量子論・量子力学については、卒業後これを駆使した研究を行った同級生は、大学に残り学者としての道を選んだ人や、企業に就職して磁性体や半導体研究開発の分野に進んだ一部の人たちではないかと思うし、相対性理論になると、物性を考える際に僅かにその影響が出ているとされていたり、通信分野で利用されているといわれるが、使いこなした人はさらに数は減るのではないかと思う。

 そうした意味では、量子力学や相対性理論は「道具」としても使いこなすという機会もないままに今日に至っていることに気づき、この本を改めて読んでみようという気にさせられたのである。
 
 もう一つの目的である思考プロセスでいえば、イノベーション・ダイヤグラムはもちろん当時知られておらず、授業以外では武谷三男氏の著作を読み、三段階論を勉強したことを懐かしく思い出すというところにとどまる。

 さて、この本では文科系の読者にもわかるようにということで、数式を極力排して、5つの物理学の神髄ともいうべき部分を解説するとともに、3つの演習を行っている。なかなか興味深い内容なので、この演習について、項目だけを紹介しておくと次のようである。

1.万有引力の法則
  天才のインスピレーションを追体験する・・・として、ケプラーの第2法則を万有引力の法則
  から証明している。
2.統計力学
  世界の乱雑ぶりを弾きだす・・・として、「同じ量の80度の水と20度の水を接触させると、し
  まいには両方とも50度になってしまうけれども、50度の水から、80度の水と20度の水をつく
  ることはできない」のはなぜかについて、エントロピーを求め、これが熱平衡で最大になるこ
  とを示している。
3.相対性理論
  中学生の数式で相対性理論を導く・・・として、座標系の「相対性原理」と「光速度不変の原
  理」から相対性理論を導き、時間の進み方の変化や物体の長さの変化が導かれることを解説す
  る。

 著者が力説している自身の説、イノベーション・ダイヤグラムについては5つの物理学についての章の後に第6章を設けて詳述しており、ここで「演繹」、「帰納」、「創発」というプロセスを経て新たな知が創造されることを示している。また更に「回遊」というプロセスに触れて、山中伸弥博士(1962~)によるノーベル賞受賞研究であるiPS細胞の発見についても言及している。

 改めて、Hさんがこの本を私にプレゼントし、伝えたかったことは何だったのか。5つの物理学の学び直し・・・、5つの物理学がどのように発見されたかの個人の内面にまで入り込んだ科学史・・・、それとも新たな知が生み出されるプロセスを一般化したイノベーション・ダイヤグラムについてだろうか・・・結局のところこのどれでもないように思えてきた。

 今もなお書棚と手元の間を行ったり来たりしているこの本を通じて、Hさんが私に伝えたかったのは、十分消化しきれなかったところはあるけれども、「物理学を学生時代に学んでよかったね」、ということかもしれないと思うようになった。Hさん、ありがとう。

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ウクライナ情勢(2/7~2/13)

2023-02-14 00:00:00 | ウクライナ情勢
2月7日
・政府、気球似た物体分析 20・21年 国内で目撃
・【社説】中国の偵察気球 主権侵害の深刻さを認識せよ
・露産石油 輸入一部禁止
・中国、「気球」対応に苦慮 国内強硬論 無視できず 対米悪化回避 対話探る
・コロンビア上空にも
・ウクライナ国防相「交代」 政権与党幹部 省内で汚職指摘
・ゼレンスキー氏 露軍の2月攻勢警戒 「象徴的なことをする」報告多数
・プーチン氏 ゼレンスキー氏を「殺さぬ」 昨年3月 イスラエルと会談時
・豪中の貿易問題 対話強化で一致 担当閣僚テレビ会談
・国民党副主席 あすから訪中 台湾担当幹部と面会

2月8日
・露、10日内大規模攻撃か ウクライナ東部制圧狙う 独戦車配備前に先手
・首相、北方領土解決へ決意 ウクライナ侵略 対露交渉 暗礁に 返還要求大会
・トルコ地震 死者5000人 シリア含め 倒壊「私の子供が」
・米、中国気球返却せず 回収急ぐ 能力や目的分析へ
・気球撃墜「現行法で可能」 防衛相
・ウクライナ・露も救助隊 大規模地震 トルコを支援 70か国 「仲介役」で存在感
・シリア捜索難航 重機不足
・気球撃墜 米政権「毅然」アピール 共和は「後手」批判 「トランプ政権時も飛来」
・ウクライナ侵略 1年 中露との関係維持 代弁 「ビジネスしたい。関与したくない」
 マレーシア・マハティール元首相
・ウクライナ 戒厳令延長 5月20日まで 相次ぐ汚職 士気課題
・北の暗号資産窃取 最高額 昨年 安保理パネルが報告書
・戦争準備態勢 北「厳格に完備」 軍事委拡大会議
・露総司令官交代 新局面に 独戦車 歩兵と連携必要 甘い見通し 苦戦の原因
 元陸将 松村 五郎氏
・トルコ地震 被害広く 不明者多数 「友人見つからない」 とにかく無事で、早く支援を
・強い揺れ 震度7相当 山形大助教分析

2月9日
・米大統領 中国に対抗 強調 一般教書演説 「主権侵害に行動」
・比大統領(フェルディナンド・マルコス氏)来日 今日首脳会談
・ゼレンスキー氏訪英 首脳会談 戦闘機訓練 合意へ
・気球撃墜直後 中国、米国防相と会談拒否 
・米、昨年も気球回収 偵察用と結論
・ドイツ旧式戦車 100両以上供与へ
・ポーランドに武器売却100億ドル 米政府承認
・ウクライナ国防相続投か
・北、軍創建75年 宴会に金正恩氏娘も
・トルコ地震 死者1万人超 迫る72時間「救助隊来ない」 レンガ造り 揺れ耐性低く

2月10日
・日比、安保協力を強化 中国念頭 災害訓練を円滑化 首脳会談
・台湾有事 日米比で抑止 安保協力 海洋監視など連携へ
・米中とバランス外交 マルコス政権
・トルコ地震死者1.7万人 「72時間」経過
・九州西方でも気球確認 昨年1月 中国との関連調べる
・日米韓次官協議 米ワシントンで 14日開催
・避難シェルターを要請 沖縄県与那国町町議会議員団
・ウクライナ大統領歴訪 支援強化 欧州に訴え 露の大規模攻撃前に
・露、ルハンスクで攻勢
・米・NATO支援継続確認
・北パレード核戦力誇示 固体燃料式ICBMか
・中国気球 海南省拠点か 米紙報道 大規模な活動 米分析
・届かぬ救助 いらだち トルコ地震 厳しい寒さ 空腹
・米と会話拒否 中国が認める
・国民党の副主席 中国側と会談へ
・豪が中国製(監視)カメラ排除
 
2月11日
・シリアに物資供与 林外相
・中国気球 通信傍受か 複数のアンテナ 米解析 40か国超 飛行の可能性
・露軍 東部ドンバスで攻勢 ウクライナ側 「大規模攻撃、既に開始」
・トルコ地震 分断シリア 救助難航 反体制派地域に支援遅れ
・中国の台湾侵攻 「迫っていない」 米公聴会で次官補
・露軍の戦車 半数喪失か ウクライナ1012両破壊 
・EU首脳 支援継続で成果文書 ウクライナへ 戦闘機供与触れず
・原発の安全保護地帯 訪露し設置働きかけ IAEA事務総長
・トルコ地震 死者2万1000人超

2月12日
・ウクライナ インフラ攻撃停止訴え 国連総会決議原案 露軍の撤退も
・地震112時間後で救助 トルコ・シリア 死者2.4万人
・米、偵察気球関与で禁輸 中国6企業・団体に
・アラスカで飛行物撃墜 米軍、所有者・目的「不明」
・露、イラン製無人機で攻撃 ウクライナ エネルギー施設 被害甚大
・【社説】北軍事パレード 地域の緊張高める核戦力誇示
・ブラジル独自の仲介構想 ウクライナ侵略 中立国が交渉 米の思惑とズレ 首脳会談
・米大統領 20日ポーランドへ
・露、アフリカ関与強化 欧州に対抗 外相7か国歴訪

2月13日
休刊日
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