軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

核融合(1)

2023-03-31 00:00:00 | 核融合
 最近、新聞やネットのニュースで「核融合」という語を目にする機会が増えてきたように感じていて、関心を持つようになった。きっかけとなったのは2022年12月18日の購読紙の「サイエンス」ページであったが、ここには核融合に関する技術的な解説記事と共に、核融合炉の建設・稼働における国際競争力を強化するため、日本政府が、初の国家戦略作りに乗り出したことが紹介された。


「核融合」について解説する読売新聞の「サイエンス Report」記事

 また、その後2023年2月28日には、次のようにこの国家戦略案が了承されたと報じられた。
 「内閣府の有識者会議は2月28日、二酸化炭素を出さない次世代のクリーンエネルギーとして期待される核融合の国家戦略案を大筋で了承した。来年度にも産官学が連携する協議会を設立するほか、2050年頃の発電実証時期の目標の前倒しを念頭に研究開発を加速させる。政府は今春、戦略案を正式に決定する。・・・」

 核融合と言えば、すでに学生時代からその言葉を耳にしていて、通っていた大学でもレーザー核融合の実験が進められていたので、原理的なことはある程度知っていたが、実用的な発電プラントとなると、その具体的な中身については知らなかったし、まだまだ随分先の夢のような話だと思っていた。

 一方、核兵器としては核分裂反応を用いる原子爆弾と共に、核融合反応を用いる水素爆弾が数か国で開発され、すでに実験が繰り返し行われているので、この地球上でも核融合反応は確かに起きていた。

 また、一時期「常温核融合」が電気化学的反応として起きたとの報告がなされ、大きな話題になったが、その後の追試験では確かな証拠が見いだせず、将来的なエネルギー源としての研究はほとんど聞くことがなくなった。

 こうした中、本格的な核融合の研究開発は着実に進められていて、日米欧露などが国際熱核融合実験炉「ITER」をフランスで建設していたことを上記の新聞記事で知った。同時に、こうした「国際協調」路線とは別に、近年の実現可能性の高まりを受けて、米・英・中などの各国では独自に核融合の開発を進めるといった「国際競争」も始まっていることから、日本政府もクリーンエネルギーの柱として、核分裂を利用する高速炉や高温ガス炉などの様々な革新炉の開発と共に核融合炉に関する戦略策定に乗り出したことになる。

 ITERが計画している巨大な超電導コイルを用いる方式とは別に、レーザー式にも進展があった。米エネルギー省は昨年12月、小指の先ほどの燃料に強力なレーザーを照射して核融合を起こし、燃料に投入したエネルギーの1.5倍の出力を生むことに成功したと発表している。

 日本でも、核融合炉の設計や開発を手掛ける「京都フュージョニアリング」、磁場の改良を進める「Helical Fusion」、レーザー核融合の実用化を目指す「EX-Fusion」といったベンチャー企業が登場し、核融合発電実現への期待は高まっていると感じさせる。

 半世紀以上前の1970年、「日本万国博覧会・EXPO'70」が大阪で開催された。この時、アメリカ館ではアポロ12号が持ち帰った「月の石」が話題となったが、このほかにも21世紀の現在では当たり前のように普及している、動く歩道、モノレール、リニアモーターカー、電気自転車、電気自動車、テレビ電話、携帯電話、缶コーヒー、ファミリーレストラン、ケンタッキーフライドチキンなどの製品やサービスが初めて登場した。

 そして、この万博会期中の1970年8月8日に、関西電力の最初の原子力発電所である「美浜原発1号機」からの送電が開始され、会場に電気が届けられた。

 私の部活動の先輩にも原子力工学科を専攻する方が数名いたが、その中のAさんは関西電力に就職が決まり、次々と建設されていく原子力発電所計画に参画していくことに、大きな夢と希望を語っていたことを思い出す。

「日本万国博覧会・EXPO'70」のスタンプ帳から、会場全景


「日本万国博覧会・EXPO'70」のスタンプ帳から、会場案内図
 
 「人類の進歩と調和」をテーマとして開催された「日本万国博覧会・EXPO'70」と機を一にして日本でも始まった原子力発電は、その後の日本の経済成長を支える役割を果たしてきた。しかし他方で、よく知られているところでは1979年3月28日の米国スリーマイル島原子力発電所事故や、1986年4月26日のソ連チェルノブイリ原子力発電所での大事故に見舞われて、ついには2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の津波により、福島第一原子力発電所炉心溶融・水素爆発事故が起こり、福島県を中心に日本に大災害をもたらす結果となった。 

 東京電力福島第一原発事故の後、日本国内の57基の原発はいったんすべて運転を停止した。事故後に発足した原子力規制委員会が新しい規制基準を策定し、九州電力川内原発1号機がその新基準の下で2015年8月に再稼働した。資源エネルギー庁によると、2023年1月現在、日本国内で再稼働している原発は、関西電力大飯原発3号機や高浜原発4号機など10基(定期検査で停止中も含む)である。

 今後、「核融合炉」の開発と運転を進める際には、原子力発電所のこうした事故や高レベル放射性廃棄物に対する不安、またアメリカのビキニ環礁における水爆実験による放射能被害などに対する懸念を解消する取り組みも求められる。今春発表されるという政府の戦略案にどのように盛り込まれるのか、期待したいと思う。

 核分裂と核融合、異なる原理によるもので、その安全性もまた異なるはずであるが、どうしても我々日本人には核兵器というところでのつながりにも連想が働いてしまう。
 私自身も「核融合」反応の実際や「核融合発電」の具体的な仕組みと、核融合発電のメリットとデメリットについてもう少し理解を深めたいと思うのである。

 



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ウクライナ情勢(3/21~3/27)

2023-03-28 00:00:00 | ウクライナ情勢
3月21日
・日印、秩序堅持へ連携 首脳会談 モディ氏、G7出席へ
・ブラジル・韓国など招待 G7に8か国 エネ・食糧安保議題
・中露 関係強化協議へ 習氏訪露 ウクライナ情勢も
・【社説】露大統領逮捕状 戦争犯罪の責任取らせる一歩
・イラク開戦20年㊤ 米の威信低下 中国台頭 欧州との亀裂 露侵略の伏線
 戦略的誤り 信頼揺らぎ 元米国務副長官 リチャード・アーミテージ氏
 「内向き志向」は過剰反応 政治哲学者 フランシス・フクヤマ氏
・習氏厚遇 親密アピール プーチン氏 国賓 夕食会に贈り物、中国紙で「友情」強調
・プーチン氏 ワグネル排除加速 民間軍事会社 創設者の「野心」警戒
・ICC検察官・40か国参加 戦争犯罪捜査 英で支援会合
・「国際法廷」露も検討 ICCに対抗か ウクライナ軍の「犯罪行為」裁く
・北、米韓に核戦力誇示 「核搭載ミサイル」想定訓練 19日発射の弾道弾
・馬前総統の訪中発表 台湾野党 総選挙へアピール
・日韓改善「体感」 尹氏が対応指示
・独閣僚訪台へ 26年ぶり

3月22日
・首相 キーウ電撃訪問 ウクライナ 初の「戦地入り」 ゼレンスキー氏と会談へ
・中露首脳「12の提案」協議 ウクライナ侵略 2日連続で会談
・習氏「仲介者」を強調 中露首脳会談 石油・ガス安定確保図る
・首相 秘密裏の移動 キーウ訪問 インドから民間機利用
・復興支援 日本に期待
・米欧首脳 安全策を徹底 同行者絞り滞在最小限
・中国 日本けん制 岸田首相のキーウ訪問
・GSOMIA破棄 撤回 韓国伝達 安保協力正常化へ
・【社説】印からキーウへ 国際者社会の期待背にした歴訪
・キーウ訪問 与野党理解 暗黙の合意 首相後押し
・電撃事例 小泉氏・麻生氏ら
・時期絶妙 意義大きい 駐日ウクライナ大使 セルギー・コルスンスキー氏
・比基地の滑走路 米軍向けに改修 対中抑止狙う
・戦下のキーウ 厳戒 岸田首相訪問 攻撃断続 連日の空襲警報
・露反発必至 報復の恐れ 日本海上空に爆撃機2機 
・EU、砲弾100万発供給へ 20億ユーロ拠出 18か国が共同調達
・米、中露接近を警戒 首脳会談 「12の提案」非難
・米、露の「戦争犯罪」批判 人権報告書 中国は「人道の罪 継続」
・ウクライナ 中国に配慮も 最大貿易相手国 明確な批判避ける
・米が3.5億ドルの追加軍事支援
・ドイツ、台湾と科技協定 閣僚が訪台 半導体協力を深化
・蔡総統 米訪問へ 下院議長と会談見通し
・安保理緊急会合 北へ対応取れず ICBM巡り、中露反対
・輸送中の露軍巡航ミサイル「カリブル」破壊 南部クリミア
・輸出優遇国に日本復帰 尹大統領指示 関係改善に意欲

3月23日
・ウクライナ 広島サミット「参加」へ 首脳会談 装備品40億円供与
・G7議長国 責任強調 岸田首相キーウ訪問 ウクライナ支援 主導へ
・中露、欧米に対抗鮮明 共同声明 経済・安保協力 強化
・北、巡航ミサイル数発 日本海に向け 米韓演習 反発か 韓国軍発表
・【社説】首相キーウ訪問 悲劇を直視した意味は大きい
・民生分野で支援継続 首相キーウ訪問 地雷除去や文化財保護
・首相国会で報告へ 与野党合意
・「ウクライナが首相警護実施」松野氏
・ウクライナ支援 緊密に連携一致 日本ポーランド首脳会談
・侵略非難 連帯示す 岸田首相キーウ訪問 中露会談と同日 中国との違い鮮明
・露「核反撃」でけん制
・「仲介者」中国と温度差 プーチン氏 侵略継続 正当化
・欧州 中国警戒感高まる 中立性に疑問 仏大統領の訪中 懐疑論
・キーウに無人機攻撃 岸田首相訪問時 すべて迎撃
・米戦車引き渡し 今年秋に前倒し 「エイブラムス」
・「レオパルト2」ウクライナ到着 ノルウェーの8両
・中露協力 思惑にズレ 共同声明署名 プーチン氏案 入らず
・「日本を優遇国」 尹氏の指示歓迎 西村氏
・解説 首相キーウ訪問 評価と成果
 G7前「結束」アピール 慶大准教授 鶴岡路人氏
 「情報管理能力」を証明 キャノングローバル戦略研究所研究主幹 宮家邦彦氏
 インフラ復旧支援 期待 元ウクライナ大統領府副長官 コスティアンティン・エリセーエフ氏

3月24日
・対韓国 輸出管理を緩和 通達改正 WTO提訴撤回で
・キーウ訪問 意義強調 首相答弁
・韓国統一相と対北連携確認 林外相
・ウクライナ侵略13か月 ロシア軍のバフムト攻撃は失敗しつつある
・東部露軍 消耗か 英「攻撃が鈍化」
・穀物輸出 露揺さぶり 延長期間「60日」 ウクライナと主張食い違い
・プロパガンダ 露中協力 ダブリンシティー大 アレクサンダー・デュコルスキス准教授
・無人機 露本土に照準 侵略13か月 ウクライナ 開発強化 旅行社⇒ドローン教官
・防空システム 露が強化方針
・民主主義結束へ 120か国・地域招待 米、第2回サミット 29,30日に開催
・露、志願兵募集を開始 40万人目標 「隠れ動員」本格化か
・露「極東の防衛力強化」 岸田首相訪問に反発か
・「中露に半導体工場」禁止 米、補助金活用企業に
 
3月25日
・復興「日本が主導を」 ウクライナ大統領単独会見 医療・エネ 協力期待
・和平交渉「露の撤退後」
・息長い支援必要 欧州総局長 尾関航也
・原発安全に危機感 日本へ協力要請意向
・北方領土 共闘呼びかけ 「露、時間与えれば私物化」 ゼレンスキー大統領
・「G7 侵略終結へ対話を」 東京会議2023 首相「国際秩序守り抜く」
・侵略阻止 連帯訴え ゼレンスキー氏 「敗北なら他国に連鎖」警鐘 東部戦況「弾薬不足」
・「12項目の提案」中国に疑念 中国の提案にはウクライナが求める「露軍の撤退」がない
    
・【社説】ゼレンスキー氏 切実な訴えに誠実に応えよう
・日本らしい貢献策 追及 ウクライナ情勢 首相「ゆるがぬ連帯」行動へ
・与野党 「積極的な支援を」
・危機管理対策 「万全期した」 首相、ウクライナ訪問
・ウクライナ大統領 単独インタビュー詳報 民主主義の価値観共有
 日本の支援 最新技術 病院・医療に
 国際秩序 機能する安保体制に
 侵略1年 戦闘機 露領で使わず
 中国、ロシア 中国の仲裁案 説明なし
 終戦議論 露の望みは紛争の「凍結」 北方領土の問題 クリミアと同じ
・ウクライナ支援 温度差 戦闘長期化 米欧結束に乱れ
 東大先端科学技術研究センター専任講師 小泉悠氏
  具体的支援を期待 印象的
 ウクライナ国営通信日本語版編集者 平野高志氏
  G7前 日本の共感を重視
・北、核攻撃多様化狙う 朝鮮中央通信「水中攻撃」を試験
・厳重警護 語った58分 ゼレンスキー氏 多くの暗殺計画 回避
  反転攻勢 武器足りず「まだだ」
  露大統領 「有罪は明らかだ」
・解放の街 傷痕深く ヘルソンルポ
・ICC(国際刑事裁判所) ウクライナに事務所 戦争犯罪追及へ連携強化
・露、増産増員で「持久戦」
・経済界の支援に感謝 ゼレンスキー氏 日本と結びつき強化 意欲
・小麦 侵略余波で高値続く
・日露サケ・マス 昨年と同内容妥結
 
3月26日
・地球を読む ウクライナ戦争 犠牲いとわぬ露の手法 無益な「ピュロスの勝利」 
 山内昌之・富士通FSC特別顧問
・露、捕虜15人を処刑 ウクライナは25人
 国連報告 拷問・虐待 横行
・ゼレンスキー氏発言に関心 本誌単独インタビュー 各国が報道
・防衛装備移転 5月に協議 自公調整 ウクライナ支援念頭
・明日への考 日本の対中外交
 習氏「一強」こそリスク
 台湾有事の楽観的シナリオ見直し。中国軍改革には自信
 まず「安定」を目指し、最悪に至らないよう「管理」するしかない
 防衛研究所政治・法制研究室長 増田雅之氏
・習氏、対米けん制思惑 ブラジル、対中修復探る 大統領訪問へ
・露のバフムト攻略「失速」 英国防省 内部対立、消耗激しく
・ウクライナ支援 継続確認 米・カナダ首脳会談 供給網強化も
・スロバキア供与 「合意文書違反」 戦闘機巡り露反発
 
3月27日
・露、ベラルーシに戦術核 7月めど保管施設 米欧の武器支援けん制 プーチン氏表明
・キーウ訪問 1時間前に伝達 首相、1か月保秘徹底
・露「核威嚇」再び ベラルーシ配備 兵器・弾薬不足か ウクライナ軍反攻 警戒
 劣化ウラン弾供与 口実
・キーウ訪問 首相「外務省いらねえ」 計画公開論にいらだち
・「今後5年で防衛力強化」 防大卒業式 首相訓示
・ホンジュラス 台湾と断交 中国と国交 蔡政権下9か国目
・ウクライナ 兵器輸入世界3位 昨年、国際平和研究所分析 露輸出の世界シェア低下
 1位カタール、2位インド
 
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今月の雲場池(3月)

2023-03-24 00:00:00 | 軽井沢
 朝、散歩に出るときの外気温が次第にマイナスからプラスになってきている。3月にはしばしば大雪が降り、美しく雪化粧をした雲場池を見ることがあるが、今年はまだそこまでの雪は降らず、うっすらと雪をかぶった木々が見られるにとどまった。


3月の朝の外気温(下の表示)

 雲場池定点からの様子は次の通り。3月18日には未明から降った雪が2㎝ほど積もった。

2月26日撮影

3月5日撮影

3月12日撮影

3月18日撮影

3月22日撮影

 安曇野方面からは、ハクチョウの北帰行の便りも聞かれるようになってきており、ここ雲場池の水鳥たちも何となく落ち着かなくなっているようである。

 3月5日の朝、マガモが突然姿を消した。前日には20羽ほどの姿を確認していたので、もうそんな時期が来たのかと思ったが、翌6日には一つがいのマガモが戻ってきていた。

 その後も十数羽に増えたりと増減を繰り返したが、中旬にはもう戻ってくることはなくなった。
22日現在、一つがいのマガモが残っているが、この2羽はもう北に帰ることなく夏をここで過ごすのかもしれない。昨年と一昨年は1羽のマガモ♂だけが雲場池に残ったのであった。

北に帰る仲間と別行動をとり雲場池にとどまるマガモのペア(2023.3.6 撮影)

同上(2023.3.22 撮影)

 この間も、オカヨシガモ4羽、オオバン2羽とコガモ7-8羽は残り続けていたが、次第にコガモの数が減り、オカヨシガモも22日には2羽になった。代わって、このところカイツブリが1羽現れ、毎日のように見かけることができている。カルガモは時々姿を消すが、これは近隣の水場に移動しているのであろう。通年見ることができる。

オカヨシガモ♂(2023.3.6 撮影)

オカヨシガモのペア(左:雌 2023.3.22 撮影)

オオバン 1/2(2023.3.4 撮影)

オオバン 2/2(2023.3.22 撮影)

コガモのペア(2023.3.3 撮影)


コガモ♂(2023.3.4 撮影)

コガモ♂(2023.3.22 撮影)

カイツブリ(2023.3.12 撮影)

カルガモ(2023.3.4 撮影)

 雲場池に接する精進場川にいたカワガラスの姿も消え、ずいぶん寂しくなってしまったが、そんな中ミソサザイの美しい鳴き声が周囲に響き渡るようになった。

にぎやかに囀るミソサザイ(2023.2.26 撮影)


苔むした浅間石に止まるミソサザイ(2023.2.26 撮影)

にぎやかに囀るミソサザイ(2023.3.16 撮影)

にぎやかに囀るミソサザイ(2023.3.16 撮影)

 
ミソサザイの囀り動画(2023.3.22 撮影)

 中旬のある日、珍しくキクイタダキに出会った。この日は時々姿を見かけるエナガも現れ、雲場池の常連であるミソサザイと合わせて、久しぶりに「小さな3兄弟」が揃った(2020.4.10 公開の当ブログ参照)。また、この日初めてトラツグミを撮影することができた。


キクイタダキ(2023.3.16 撮影)

キクイタダキ(2023.3.16 撮影)

エナガ(2023.3.7 撮影)

エナガ(2023.3.16 撮影)


ミソサザイ(2023.3.16 撮影)


トラツグミ(2023.3.16 撮影)

 今月、雲場池周辺で見かけ、撮影ができた種には、このほかカヤクグリ、ジョウビタキ♂・♀、カケス、セグロセキレイ、キセキレイ、ホオジロ、ヒヨドリなどがいる。


カヤクグリ(2023.3.12 撮影)


カヤクグリ(2023.3.12 撮影)


ジョウビタキ♂(2023.3.9 撮影)


ジョウビタキ♂(2023.3.9 撮影)

カケス(2023.3.16 撮影)

セグロセキレイ(2023.3.16 撮影)

キセキレイ(2023.3.18 撮影)


ホオジロ(2023.3.14 撮影)

ヒヨドリ(2023.3.12 撮影)

 散歩中にキツツキのドラミングが聞こえてくることがよくある。しばらく音のする方に目を凝らしていると、樹上を動く姿を見つけることができる。今月は雲場池周辺に生息している3種、コゲラ、アカゲラ、アオゲラを撮影することができた。

コゲラ 1/3(2023.3.5 撮影)

コゲラ 2/3(2023.3.16 撮影)

コゲラ 3/3(2023.3.5 撮影)

アカゲラ(2023.2.26 撮影)


アオゲラ(2023.3.1 撮影)

 雲場池周辺の植物にも春の兆しがみられる。遊歩道の脇にはネコヤナギの花穂が膨らみ、フキノトウが咲き、民家の庭先ではフクジュソウが咲き始めた。

ネコヤナギの花穂(2023.3.16 撮影)

遊歩道脇に咲くフキノトウ(2023.3.22 撮影)

民家の庭に咲くフクジュソウ(2023.3.9 撮影)

 雲場池の入り口付近で進められている正宗白鳥の詩碑移設工事は進んでいて、当初予定よりは1週間程度遅れているようであるが、詩碑本体も現地に運びこまれ、次第に完成時の姿が想像できるようになっている。

正宗白鳥の詩碑移設工事現場(2023.3.1 撮影)

正宗白鳥の詩碑移設工事現場(2023.3.22 撮影)



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ウクライナ情勢(3/14~3/20)

2023-03-21 00:00:00 | ウクライナ情勢
3月14日
・習氏3期目も「強軍」 全人代閉幕 台湾問題に関与を強める米バイデン政権をけん制
・米韓5年ぶり大規模演習 北は反発 潜水艦ミサイル
・豪、30年代に米原潜購入 オーカス、計画発表へ
・【社説】習氏3期目始動 側近で固めた体制を懸念する
・キラー衛星監視 IHIが提携へ 米防衛大手と
・習氏 米と対決鮮明 経済「民間重視」強調 3期目始動
 演説で「強国」12回 李強氏 具体策触れず 側近を重用 忠誠心重視
 飽くなき権力集中・・・中国総局長 吉田健一
・露、メリトポリ防衛強化 ウクイライナの反攻警戒
・新露派野党主導 モルドバでデモ
・米比(恒例)演習始まる

3月15日
・日韓正常化 共通の利益 尹大統領単独インタビュー 元徴用工再燃「心配及ばぬ」
 安保協力「非常に重要」
 知恵と決意に応えたい 編集局長 前木理一郎
・元徴用工解決「責務」 尹大統領 日韓関係改善へ覚悟
 対日問題 政治利用せず 「持続的で一貫すべきだ」
・対北「レーダー情報共有を」 G7と連帯 強調 日本の反撃能力「理解」
・尹氏インタビュー 日韓改善 機運高まる 与党 懸案解決へ期待
・尹大統領 外交 自由主義に立脚 日米やEU 念頭 「価値共有する国々と連帯」
 核の独自保有 否定「拡大抑止」強化で対抗 対中国 対等目指す「互恵的な相互尊重」
 ぶれぬ信念 検事時代から 朴槿恵元大統領らを捜査
 日米韓協力 強い意志・・・南山大教授 平岩俊司氏
 若い世代の支持カギ・・・静岡県立大教授(現代韓国政治外交) 奥薗秀樹氏
・米英豪、新型潜水艦開発へ オーカス首脳合意 対中抑止強化急ぐ 40年代 豪に配備計画
 中国懸念「危険な道」 米豪の同盟 重要性示す 中国の覇権主義に反発
・ウクライナ軍 死傷12万人 米紙報道 領土奪還に不安 露側は20万人 推計
・侵略中止「中国が働きかけを」 米高官、習氏の訪露報道巡り
・露、穀物輸出で揺さぶり ウクライナ産 延長 半分の60日主張
・ベラルーシ・イラン接近 経済協力 対露軍事支援も協議か
・短距離ミサイル 北、日本海へ2発 米韓演習に対抗か
・【社説】豪に原潜配備へ 対中抑止力高める米英の協力

3月16日
・日韓、経済安保連携一致へ きょう首脳会談
・与野党、尹氏の姿勢評価 本紙インタビュー 首脳会談に期待 韓国メディア大きく報道
・露軍機 米無人機と衝突 黒海上空で妨害、露は否定
・【社説】尹氏きょう来日 新たな日韓友好の出発点に
・米露 緊張激化望まず 無人機と戦闘機衝突 黒海上空 偵察活発 再発リスク
・シリア、露と首脳会談へ アサド氏訪露 内戦巡り協議か
・独露ガス管漏れ 「国家関与テロ」 プーチン氏
・バフムト工場一部「制圧」 ワグネル主張
・北、弾道ミサイル2発 朝鮮中央通信 14日に発射訓練

3月17日
・北がICBM一発 日本海EEZ外 日韓けん制か
・日韓正常化で一致 首脳会談 元徴用工解決策 評価 首相 シャトル外交再開
・日米韓安保 進展に期待 バイデン政権 会談を歓迎
・元徴用工問題 両政府「求償権」想定せず 関係改善を優先
・輸出管理緩和 貿易活性化に弾み 優遇国除外 解除焦点
・中国海警船4隻 尖閣沖領海侵入
・信頼構築 首脳から 日韓会談 「相互不信」越え「未来志向」へ
 元徴用工 韓国世論カギ
・【社説】日韓首脳会談 幅広い交流を深める転機に
・日韓改善へ 自民内軟化 首脳会談 台湾情勢、北発射 安保環境を懸念
 首相、融和ムード演出
・日英伊防衛相 戦闘機開発 連携強化へ 企業と協力 体制整備
・防衛装備展示会 各国参加で盛況
・緊急事態条項 具体案を議論 衆院憲法審
・賠償と基金 切り離し 経済界、日韓改善に動く
・歴史問題 揺れた日韓 尹大統領来日
・論点スペシャル 解説 
 日本国際問題研究所理事長 佐々江賢一郎氏 シャトル外交復活 有益
 韓国・国民大教授 李 元徳氏 さらなる歩み寄り 必要
 経済同友会副代表幹事 新浪剛史氏 ビジネスでつながろう
・韓国 日本ブーム再来 若者たちがけん引 「 反日疲れ」も
 海外旅行 一番人気 アニメ 記録的動員
・首脳会談 韓国経済界「協力」に期待 元徴用工訴訟 原告一部は猛反発
・中国、「排他的グループに反対」
・北ICBM 新型「火星17」の見方 実戦配備段階 誇示か 米が非難声明「目に余る違反」
・無人機墜落 米露、対話窓口を維持 国防相電話会談 本格衝突回避へ
・米が動画公開
・レオパルト2 供与表明150両 支援国会合 ウクライナへ9か国から
・核戦力の情報 露が提供停止 新START
・日韓「未来に希望」 尹大統領来日 交流活発化に期待
・「韓流」第4次ブーム
・南西諸島防衛へ 石垣島に駐屯地 陸自が開設
・日韓知事会議 今秋にも山梨で

3月18日
・尹大統領 政財界と会談 日韓のビジネス支援
・習氏20日訪露 首脳会談へ ウクライナ「和平案」協議か
・先島諸島の避難 図上訓練 12万人輸送手段など確認 台湾有事懸念
・【社説】米無人機墜落 露軍の妨害行為が緊張高めた
・輸送力確保 課題に 先島諸島 図上訓練 完了に6日 天候で左右
・与野党幹部 尹氏と会談 議員外交 日韓安定化図る
・「和平」露は難色か 中露首脳会談へ 中国「公正な立場」強調
 ゼレンスキー氏と会談調整 習氏
・「露軍、東部で攻撃鈍化」 英国防省 兵士や装備消耗か
・北「火星17 発射訓練」 朝鮮中央通信 米韓演習に対抗か
・スロバキア 戦闘機供与 ウクライナに
・大統領夫人 友好に花 和菓子交流・安藤忠雄さんと再会
・日韓の未来 勇気出して 尹大統領講演 「似た文化・情緒 共有」
・韓国紙 首脳会談に賛否

3月19日
・日独、経済安保で協力 対中念頭 初の政府間協議
・プーチン大統領 逮捕状 「戦争犯罪」 占領地の子供 強制移送 国際刑事裁
・広島サミット インド招待 首相方針 韓国、ブラジルも
・日独、サミットへ足並み 
・フィンランド 先行加盟へ NATO トルコが承認手続き
・露に子供移送1万6000人 プーチン氏に逮捕状 同化狙い「国家ぐるみ」か
 米欧各国 相次ぎ支持 露「無効」報道
・モスクワ 大規模集会 急きょ中止 攻撃警戒か クリミア併合9年
・NATO承認 スウェーデン「切り離し」 トルコ大統領 選挙戦略か
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台湾

2023-03-17 00:00:00 | 日記
 大阪・堺で一人暮らしをしていた母と、私と一緒に訪ねて行っていた妻とが、もうずいぶん前のことになるが、ある時実家近くで行われた歌手・女優のジュディ・オングさんの木版画展を二人で見に行ってきたのだという。2012年11月頃のことであった。

 地方の小さな町でこうした展覧会が開催されるのは珍しいことだと思うが、会場となった北野田フェスティバル(堺市立東文化会館文化ホール)の5周年記念イベントとして開催されたとのこと。

 二人が持ち帰ったパンフレットには、「ジュディ・オング倩玉 木版画の世界展」とあり、展示作品などを収めた画集「ジュディ・オング倩玉  倩玉的世界 木版画集」も買い求めてきていた(ジュディさんの名前の漢字は、倩と人偏に青の両方が用いられている。ここでは変換の都合で倩を使わせていただく)。


「ジュディ・オング倩玉 木版画の世界展」(2012年開催)のパンフレット(表)


同裏面

 ジュディ・オングさんと言えば、私がまだ中学生の頃だったと思うが、子役としてTVドラマに出演している姿を見た記憶が印象に残っている。その後は歌手として活躍する姿もみていたが、版画家としての活動については知らなかった。

 画集に収められている「木版画歴」を見ると、25歳の頃、棟方志功門下生・井上勝江氏に学び木版画を始めたとあるので、母と妻が出かけた版画展開催当時でも35年以上作家活動をしてきていたことになる。芸能活動と合わせ立派な二足の草鞋である。

 画集の目次を見ると、木版画「花」(20点)、木版画「日本家屋」(36点)、木版画「想」(11点)とあるが、これをみると日本家屋の美を追求した作品が多く製作されていることがわかる。上で紹介したパンフレット(表)に見られる作品『涼庭忘夏』(2008年、第40回日展入選)も京都「南禅寺」の近くにある湯豆腐屋の玄関口だという。写真と見まごうばかりの精緻な描写である。

 この日、母と妻は「台湾に行ったことがあるの?」、「いいえ」、「行ってみたいわね」と言葉を交わしたという。

 その結果、この年の年末に私を加えて3人の台湾行きが決まった。私自身は仕事で数回台湾に出かけたことはあったが、台北市内の観光地に立ち寄る機会はなかったので、3泊4日の楽しい旅行になった。

 この時の旅の手配はすべて妻が引き受けてくれたが、現地では若い男性Aさんが案内役を勤めてくれて、マイクロバスで各観光地を巡るものであった。

 国立故宮博物院、忠烈祠、鶯歌・陶器の町、台北101、龍山寺、二二八和平公園、中正記念堂を訪れたり、京劇を観たり、自由時間には夜市に出かけたりしたが、この旅の最後の4日目の予定はジュディ・オングさんの版画のモチーフになった場所に行くために空けてあった。

 前述のように、ジュディ・オングさんの版画の題材の多くは日本家屋であったが、母が記念にと気に入って買ってきた1枚の絵葉書は、「微風柔水 2000年製作 日展入選作品」と題されたもので、建物の内部に設けられた渡り廊下を描いたものであった。

 画集で調べてみると、この版画には次のような解説文が添えられていた。

 『微風柔水』 びふうじゅうすい 2000年 H1150xW1340 第32回日展入選

  この茶藝館「友竹居」は、台北市桃園の中央大学側にあります。
  学生が放課後に、グループあるいは先生方と軽くご飯を食べた
  りお茶を飲む所です。私が特に気に入ったのは、各部屋へつな
  がる中国独特の渡り廊下でした。蘇州庭によく見られる千曲廊
  下なのです。間から見え隠れしている柳、そして渡り廊下の下
  は池で、太った鯉たちが悠々と泳いでいました。初めて日本家
  屋のテーマを離れ、中国の風景に挑戦した作品です。

 絵はがきの題材に選ばれていたのは、日本家屋ではなく、台湾の建物であった。この時の台湾旅行では、旅行のきっかけを作ることになった、ジュディ・オングさんの版画の題材に選ばれていたこの場所を、ぜひ訪れてみたいと思っていたのであった。

 この解説文の内容を案内役のAさんに伝えてあったので、調べてくれていて、1月3日には目指す茶藝館「友竹居」に案内してもらうことができた。

 ここで軽い昼食をとったが、案内していただいた部屋は、かつてジュディ・オングさんも来ていた所とのことで、壁にはその時の写真が掛けられていた。

 Aさんは、私たちがジュディ・オングさんの版画のことで、日本からわざわざこの茶藝館にやってきたのだと、店の人に伝えてくれていたので、この部屋を用意していただいたのであった。


「友竹居」で案内された部屋の壁に掛けられていたジュディ・オングさんの記念写真(2013.1.3 撮影)

 食後、版画で描かれていた渡り廊下に案内していただき、Aさんにお店の女性と一緒に記念写真を撮ってもらったのが次の写真である。絵葉書と比べるとほぼ同じ場所であることがわかる。

「友竹居」の渡り廊下でAさんに撮影していただいた記念写真(2013.1.3 撮影)


ジュディ・オングさんの版画展で母が購入した絵葉書


渡り廊下の下の池で、悠々と泳ぐ太った鯉たち(2013.1.3 撮影)

 「友竹居」を出てそのまま空港に向かったが、その車の中でAさんが台湾の徴兵制度で兵役についていたのだと知った。大陸の中国に攻撃されると、台湾は瞬殺ですと笑って話してくれたが、観光地として、また近年電子産業などで繫栄するようになった台湾にそうした事態が起こらないことを願うばかりであった。

 しかし、近年その懸念は増大している。台湾有事という言葉も頻繁に耳にするようになったし、台湾有事は日本有事であるとの発言もある。

 緊張の度合いを増す台湾や日本を取り巻く東アジア地域。自然災害だけでも国家の将来を危うくしかねないとされる中、営々と築き上げてきた国家・国民の財産を戦争によりいとも簡単に破壊されているウクライナでの惨状を見るにつけ、人間社会の未成熟さを見る思いがする。

 こうした事態をアジアで招かないための各国の政治・外交努力に期待がかかる。

画集「ジュディ・オング倩玉  倩玉的世界 木版画集」の表紙と、茶藝館「友竹居」でお土産に買った茶葉の容器
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