軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

続・新型コロナウイルス(2)集団免疫

2020-10-30 00:00:00 | 新型コロナウィルス
 WHO(世界保健機関)から最近重要な発表が続いて行われている。最初のニュースは次のようなもので、BBCはじめ各紙が報じていた。
 
 「WHOは5日、世界人口の1割に当たる約7億8千万人がこれまでに新型コロナウイルスに感染したとの試算を公表した。WHOや米ジョンズ・ホプキンス大の集計で確認されていた累積感染者数の20倍以上にあたる。試算の根拠は明かさなかった。
 同日の専門家らの会合で示した。緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は『困難な局面になりつつある』と語った。
 5日時点のジョンズ・ホプキンス大の集計によると、世界の累計感染者は3,500万人。検査が不十分で全数が把握ができていないという指摘は以前からあった。」

 確かに以前から、実際の感染者数は公表されている数値よりも大きいのではとの指摘はあったものの、WHOがこうした発表を行うのは異例であり、計算根拠が示されていないこともあり、その意図が測りかねるものである。

 また、同様の内容について触れながら次のような発表も行われている。

 「世界保健機関(WHO)は9日、過去24時間内に判明した新型コロナウイルスの新規感染者が世界全体で35万以上に達する過去最多を記録したと発表した。 死者数は6,339人だった。WHOの統計によると、世界規模での累計の感染者数はこれで3,636万1,054人で、犠牲者数は105万6,186人となった。 ただ、WHO当局者は実際の累計感染者数はより多いだろうとし、数倍の規模になる可能性があるとの見方を示している。 世界保健機関は1日当たりの新規感染者の最多更新について、欧州諸国を襲う第2波が人数を押し上げていると指摘。欧州地域全体での1日単位の新規感染者は今や、過去数カ月間、感染者増加の主因だった米国、ブラジルやインドを上回っていると説明した。」

 ここでは累計感染者数は、公表値の20倍以上ではなく、数倍となっている。それにしても累計感染者数がWHOが推測しているように公表数値の数倍から20倍以上に達しているとすれば、現在の累計死者数から導かれる致死率は約0.14%~0.6%ということになり、季節性インフルエンザで0.1%~0.2%とされているで数値に近づき、新型コロナウイルスに対する脅威は大きく低下することになる。

 もう一方の発表である欧州諸国の実態は、このところ目に見えた感染拡大が起きていて、追加的な制限措置が採られたり、再び都市封鎖が行われたりしているとの報道が相次いでいる。この点では新型コロナウイルスの脅威に対しては従来通りの認識に基づいた対応が採られようとしている。

 フランスでは、「エマニュエル・マクロン大統領は14日、新型コロナウイルスの流行拡大を受け、パリなど9都市に夜間外出禁止令を発布した。これらの都市では17日から少なくとも4週間、午後9時から翌午前6時まで外出が制限される。
 今回の制限で経済的な打撃を受ける企業には、政府から補助金が支払われる。
 フランスで夜間外出禁止が発令されたのは、パリとその周辺のほか、マルセイユ、リヨン、リール、サン=テティエンヌ、ルーアン、トゥールーズ、グルノーブル、モンペリエの各都市。
 全体で2,200万人に影響が出る見込み。期間は4週間とされているが、状況によっては6週間に延長される可能性もあるという。
 また学校は授業が続けられ、日中であれば他地域への移動も可能。
 これとは別に、個人宅に6人以上が集まることも禁止される。しかし大家族は例外だとマクロン大統領は説明した。

 さらに直近の情報では、フランスで、2度目のロックダウン=都市封鎖が行われることになった。新型コロナウイルスの感染第2波が猛威をふるっているためで、再び市民生活は大幅に制限されることになっている。
 フランスのマクロン大統領は28日夜、国民向けにテレビ演説し、30日金曜日から一部の海外領土を除くフランス全土で原則外出を禁止するロックダウンを行うと発表した。期間は12月1日までで、感染第1波の3月中旬に実施されて以来2回目となる。
 外出は、自宅から1キロ以内の生活必需品の買い出しなど、必要最低限に限られ、飲食店も閉鎖されるという。春のロックダウンとは違い学校には通学できるとしている。
 マクロン政権は2度目のロックダウンは避けたいと夜間の外出禁止などの措置を続けてきましたが、第2波の沈静化には至らなかった。」

 イタリアでは、「コンテ首相は18日、新型コロナウイルス感染拡大防止のための追加的な制限措置を発表するとともに、各市町村長に人々の集会を阻止するために公共広場を午後9時以降閉鎖する権限を与えた。
 この日に報告されたコロナ新規感染者は1万1,705人と、過去最多を記録。コンテ氏は記者会見で『危機的』な状況だとした上で、政府はコロナ流行発生当初の3月に実施した大規模な封鎖措置の再導入を回避する決意だと表明した。
 イタリアでは2月にコロナ流行が始まって以来、3万6,543人の死者が出ており、欧州では英国に次ぎ2番目に多い。
 当局は2カ月間の厳格な全土封鎖措置を敷いた結果、夏までに感染第1波を概ね抑え込んだが、足元で再び感染が拡大。これに対応し、当局は公共の場でのマスク着用の義務や集会およびレストランに対する制限など、新たな措置を講じている。」

 ヨーロッパの他の国での動きを見ると、新型ウイルス流行の第2波を受けて、各国政府が新たな制限を次々と発表している。

 イギリスでは、「10月に入り、1日当たりの感染者数は1万人を超え、第1波を遥かにしのぐペースで増え続けている。幸いにも死者数の増加は限定的だが、感染者数の激増を受けてジョンソン政権は感染状況に応じて3段階に分けた都市封鎖(ロックダウン)を実施せざるを得なくなった。」

 ドイツでは、「アンゲラ・メルケル首相は28日、連邦・州政府が新型コロナウイルスの再流行を食い止めるため、1カ月間にわたり部分的なロックダウン(都市封鎖)の実施を決定したと述べた。
 感染拡大に歯止めをかけるため、全16州の首相が11月2日からレストラン、バー、フィットネスクラブ、コンサートホール、劇場を閉鎖することで合意した。」

 オランダでは、「一部地域でロックダウンが始まり、カフェやレストランが休業している。また、医療機関の逼迫を受けコロナ患者をドイツの病院に移送した。オランダはコロナ禍に見舞われていた3─4月にも患者をドイツに移送していた。 」

 スペインでは、「北東部の人口750万人のカタルーニャ自治州では、15日から15日間、バーやレストランの営業がテイクアウトのみに制限される。ジムや文化施設では定員の50%まで、その他の店舗やショッピングセンターでは30%までに収容人数が制限される。
 さらに、スペイン政府は25日、感染拡大を食い止めるため、ほぼ全土に再び非常事態を宣言した。午後11時から翌日午前6時までの夜間外出を禁止する。 」

 チェコでは、「一部地域で13日から3週間のロックダウンが始まり、飲食店や学校が閉鎖されている。同国では過去2週間にわたって人口10万人当たりの感染者が581.3人と、欧州で最も感染率が高い状態が続いている。」

 アイルランドでは、「15日夜から、他世帯の訪問が禁止される。ただし、育児支援などは除外となる。」

 ポルトガルでは、「政府は15日から、6人以上の集会を禁止した。結婚式や洗礼式には50人まで参加可能だが、大学でのパーティーは禁止される。」

 ポーランドでは、「14日、1日当たりの死者が116人と過去最多を更新。感染者も6,526人とこれまでで最も多かった。」

 ベルギーでは、「政府は、現在の感染状況が続けば11月半ばには国内の集中治療室全2,000床が満杯になると警告している。」
といった状況である。

 日本では、各種のGoToキャンペーンが実施され、また海外との往来再開の動きがあることと比べると、その大きな差を改めて感じるのである。

 こうした状況の中、WHOは次のような、やはり異例とも思える声明を発表したと各紙が伝えている。

 「集団免疫をあてにするのは『不道徳』=WHO事務局長が警告
 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は12日、新型コロナウイルス対策として『集団免疫』を獲得する方法を排除した。
 集団免疫は、ワクチン接種や病気が広範囲に広がることで、地域の大部分が病気への免疫を得たときに生じる。
 新型ウイルスについても、ワクチンが開発されない場合は、自然に感染を拡大させるべきだと主張する人もいる。
 しかしWHOのテドロス事務局長は、そうした対応について、『科学的にも倫理的にも問題がある』と述べた。
 『歴史上、一度もない』
 新型ウイルスの流行が始まって以降、世界の感染者は累計3,700万人を超えている。確認された死者は100万人以上に達している。
 ワクチンは目下、数百種類の開発が進められている。いくつかが臨床試験に進んでいるが、国際的に承認されたものはまだない。
 テドロス氏はこの日の記者会見で、新型ウイルスの長期的影響や、免疫反応の強度および期間については、不明なままだと説明。
 『集団免疫は人をウイルスから守ることで得られるもので、ウイルスにさらすことで得られるものではない』と述べた。
 また、『公衆衛生の歴史上、病気の発生や、ましてや世界的流行への対策として、集団免疫が使われたことはない』と話した。
 テドロス氏はさらに、新型ウイルスに感染した人は多くの国で1割程度にとどまる様子という、血清検査(抗体の有無を調べる血液検査)の結果を説明。
 『COVID-19を野放図に広がらせることは、無用な感染や苦しみ、死を許すこになる』と述べた。」
 
 この声明の中でも、前記の「世界人口の1割」の感染について触れられているが、その推定根拠は血清検査であることが明かされた。どの程度の範囲の国々でこの血清検査が行われ、どのような結果であったか、詳細は示されていないが、こうした調査でPCR検査による陽性者の発見を補い、実際の感染者数を推定しているものと思われる。

 ここで非難の対象となっている「集団免疫」政策は欧州では唯一スウェーデンが採用しているとされるもので、ドイツと英国では当初この集団免疫政策を採ろうとしたが、多くの批判にさらされて撤回した経緯がある。

 WHOのテドロス・アダノム事務局長の批判はこのスウェーデンの政策への同調の動きに向けられていることになるが、最近、英国と米国でこの「集団免疫」獲得論が再燃していることに反応してのものと思われる。

 そこで、この批判の対象となっている、スウェーデンにおける「集団免疫」政策の実態とはどのようなものか見ておこうと思う。

 最近のスウェーデンの状況については、10月18日付けの「Daily新潮」が、「スウェーデンが『集団免疫』を獲得 現地医師が明かす成功の裏側」として伝えている。その一部を紹介する。
 
 「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ヨーロッパの多くの国がロックダウンを導入した際、スウェーデンはそれを回避した。その独自路線は当初から物議をかもし、死者数が増えると失敗の烙印を押され、自国のノーベル財団や医師からも批判された。
 ところが、同国のカロリンスカ大学病院に勤務する宮川絢子医師は、『スウェーデン当局は、集団免疫を達成しつつあるという見方を発表しています。最近、若者を中心に陽性者数は増加傾向にあるものの、重症者数や死者数の推移が落ち着いたままであることも、その状況証拠になっていると思います。』と話す。・・・」

 Johns Hopkins Univ.の公開情報を見ると、スウェーデンの感染者数と死者数の推移は次のようであり、宮川医師の話を裏付けている。

スウェーデンの累計感染者数推移(Johns Hopkins Univ.の2020.10.23 公開情報)


スウェーデンの累計死者数推移(Johns Hopkins Univ.の2020.10.23 公開情報)

 記事はさらに次のように続く。

 「・・・スウェーデンの人口は1035万人だから、6千人近い累計死者数は、絶対数として少ないとはいえない。しかし、人口4,732万人のスペインにおける3万2千人、同6,706万人のフランスにおける3万2千人、同6,679万人のイギリスの4万2千人とくらべ、多いわけではない。しかも、ロックダウンを実施したこれらの国が、いま感染の再燃を受け、再度のロックダウンを検討し、部分的にはすでに導入していることを思えば、スウェーデンに分があるとしか言いようがあるまい。・・・」

 スウェーデンで実際に採用されたコロナ対策はどのようなものであったかを見ると。

 「・・・スウェーデンでは、感染のピーク時にも国民生活にほとんど制限を加えなかった、と誤解している人もいるが、そうではない。宮川医師が説明する。『パンデミックが宣言された3月中旬以降、“50人以上の集会の禁止”が続いています。たとえば映画館は席を空け、50人以内になるようにして営業していますが、コンサートはほとんどが中止で、オペラなども開催されていません。文化系の職業に就く関係者のダメージは大きいです。10月1日から“500人以上”に緩和される予定でしたが、国内の感染拡大を受け、延期されました。また“高齢者施設への訪問”も、4月から禁止されていましたが、こちらは10月から解禁されています。』
 集会の制限が象徴するように、スウェーデンの対策の肝はソーシャルディスタンスである。カフェやレストランは、営業を停止させられたり、自粛を求められたりせずにすんだが、『レストランでも間隔を空けて座るという対策が、来年夏まで延長され、立食形式も禁じられたまま。症状があれば自宅待機、という対策も続いています。しかし、マスクはほとんどの人が着けていません。マスクを優先してソーシャルディスタンスをとらなくなれば、そのほうが問題だ、という考えによるものです。』  周辺国のように、だれもが家に閉じこもる期間こそなかったものの、『3月から6月ごろまでは外への人出はすごく少なかった。7月に入って気候もよくなり、感染も収束してきて、夏休みは例年なら国外旅行する人が国内ですごしたので、国内は混雑しました。それに対しては、列車の座席が満席にならないように、予約時に配慮がなされたほかは、特に規制はありませんでした。いまは通常に近い状態と言っていいでしょう。』・・・」

 スウェーデンの規制のあり方は、強制を伴うロックダウンは行わず、自粛要請にとどまった日本の対策と近いと述べている。

 日本との対策の違いについては、宮川医師が次のように述べたとしている。

 「『日本と大きく違ったのは、学校を休校させたかどうか、です。スウェーデンでは子どもが教育を受ける権利が重視され、家庭環境に恵まれない子どもが登校できなくなることで起きる弊害が考慮されました。一斉休校になれば、医療従事者の1割が勤務できなくなるという試算もあり、高校や大学は遠隔授業になっても、保育園や小中学校は閉鎖されませんでした。』・・・」

 こうした政府の政策を国民がどのように受け止めているかについては次のようである。

 「アンケートによれば、当局の対策は7割程度の国民に支持されています。死者数を見ず、陽性者数ばかり気にする国もあり、ノルウェーなども陽性者数が増えてかなり騒いでいて、そういう状況は日本にも見られます。死者数にフォーカスするスウェーデンとはだいぶ違います。・・・」 

 スウェーデンの新型コロナ対策について、現地からのレポートの他に、次の指摘も続いて紹介されている。

 「・・・東京大学名誉教授で食の安全・安心財団理事長の唐木英明氏は、 『スウェーデンの新型コロナ対策には、重要なポイントが二つあると思います。』と、こう説明する。『一つは、国家疫学者であるアンデシュ・テグネル氏が、しっかりと対策方針を立てて政府に助言し、政府はそれを最大限実践していることです。』
 宮川医師の言葉で少し補足すれば、『ロックダウンには、はっきりとした学術的エビデンスがない。』というのが、テグネル氏の主張だった。
 唐木氏の話に戻る。『対比されるのがイギリスのジョンソン首相で、最初はスウェーデンに近い緩い対策を打ち出しながら、世論に押されて方針を変更してしまいました。一方、スウェーデンは各国から非難されながらも、新型コロナの感染力がどの程度で、どんな人が感染し、どんな症状が出るのか、確認しながら対策していた。二つめのポイントは、国民が国の対策を支持したことで、対策方針をきちんと説明したことが、大きかったのではないでしょうか。』・・・」

 「京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授が言う。『集団免疫を獲得してさっさと収束させるか、ワクチンや薬ができるまで自粛を続けるか。新型コロナはどちらかまで収束しませんが、医療崩壊しないかぎり、トータルの感染者数と死者数は変わらないと考えられます。そうであれば、生活を自制する期間が短いほど経済への影響は小さくてすみ、経済苦に悩まされて自殺する人などを含む、トータルの死者数を抑えることができます。ワクチン開発には時間がかかるでしょう。その間、経済がダメージを受け続けるなら、重症化しやすい人への感染を防ぎつつ集団免疫を獲得し、早めに収束させたほうがいい。』・・・」

 スウェーデンの取り組みは「集団免疫」獲得を狙ったものと一般に考えられているが、必ずしもそうではないという宮川医師の言葉が続く。

 「・・・『長期間の持続が困難なロックダウンは避け、ソーシャルディスタンスをとりながら高齢者を隔離し、医療崩壊の回避を狙ったのです。6月時点で、ストックホルムでの抗体保有率は20%程度でしたが、新型コロナに対し、感染を防いだり軽症化させたりする細胞性免疫が存在する可能性が次々と報告され、公衆衛生庁は7月17日、“集団免疫がほぼ獲得された”という見解を発表しました。これはいわば副産物です。』・・・」

 スウェーデンでの新型コロナ対策では「集団免疫」が強調されているが、実際に採用した政策は、「医療崩壊」と「経済崩壊」とのバランスを考えたものということであり、その政策は成功しているとの認識が広がっているようである。

 次に、ヨーロッパ主要国と、スウェーデンの感染者数と死者数の推移を比べて見ておこうと思う。スウェーデンの状況は他のヨーロッパ4か国比で、6月と8月に新規感染者の発生に特異なピークが見られるといった違いがあること、死者数の減少速度が遅いといった差が見らる。

スウェーデンとヨーロッパ主要国、アメリカ、日本の感染者数(上・橙色)、死者数(下・白色)の推移(2020.10.19日付けの Johns Hopkins Univ.公開情報から)

 10月19日までの累計から算出した致死率を次表に示すが、スウェーデンの数値はイギリスと同程度であり、ヨーロッパの4か国の平均値5.2に近いものとなっている。


スウェーデンとヨーロッパ主要国、アメリカ、日本の致死率
(2020.10.19日付けの Johns Hopkins Univ.公開情報から筆者作成)

 人口100万人あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移では、スウェーデンはやはり6月以降最近までヨーロッパ各国比で多かったものの、10月に入ってからは他国が増加を見せる中で、感染者数の急増は見られず、一部逆転が起きている。


人口100万人あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移(札幌医科大学HPのデータを基に追記)

人口100万人あたりの新型コロナウイルス死者数の推移にも、スウェーデンに際立った特徴は見られない。むしろ直近ではイタリア、イギリスではスウェーデンを上回る死者が出ている。  

人口100万人あたりの新型コロナウイルス死者数の推移(札幌医科大学HPのデータを基に追記)

 新型コロナへの感染者数と死亡者数を現時点で見ると、ヨーロッパ主要国との差は見られないということになる。

 こうして感染者数と死者数をみてくると、他国とは大きく異なる政策を採ってきたと思われたスウェーデンでは、主要ヨーロッパ国と同レベルの被害状況であることが理解される。

 では、もう一つの側面、経済への影響はどのようであったか。2020年第2四半期までの数値をヨーロッパ統計局が公表しているので見ておく。

 その前に、経済崩壊については、10月15日、IMFは「世界、2025年までに2,900兆円の損失」という発表を行っている。深刻な事態である。

 さて、2020年第2四半期のGDP前年比数値では、ユーロ圏全体で-15%、スペイン-22.1%、イギリス-21.7%、フランス-19.0、イタリア-17.3%、ドイツ-11.7% に対して、スウェーデンはー8.3%と比較的低水準にある。
 ただ、同じ北欧のデンマーク-8.5%、フィンランド-5.2%という数字も見ておく必要があるだろう。


ヨーロッパ統計局の表から一部を筆者引用

 先に引用した記事の最後には医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏の次の言葉が引用されている。

 「スウェーデンは結果的に利口な対策でしたが、4~5月の時点ではわからないことだらけで、イチかバチかの側面があったでしょう。それに日本とは社会的背景も国民性も異なるので、日本も真似をすべきだったとは言い切れません。しかし、データが揃いつつあるいまは違う。冬に向けて第3波がやってきたとき、また緊急事態宣言、外出自粛や休業要請というのは合理的ではありません。ロックダウンをしなくても収束に向かい、集団免疫も得られることが、スウェーデンのデータからわかるし、そもそもこのウイルスは、日本人には大きな脅威にならないことがわかっている。外出自粛で感染防止に執心するだけでなく、たとえばステイホームの結果としての孤独が、自殺が増えるという最悪の事態に発展していることも考えるべきです。」 

 こうした事実や指摘を見ると、WHOからの発表、「約7億8千万人がこれまでに新型コロナウイルスに感染したとの試算」と「集団免疫批判」は、何を意図して行われたものだろうかと思えてくるのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナウィルス情報(28)10/23-10/29

2020-10-29 12:00:00 | 新型コロナウィルス
 特に断りの無いものは読売新聞からの情報。

10/23
 ・高齢者施設 面会を緩和 厚労省 感染防止11項目
 ・重症化率 1.62%に低下 6~8月 早期発見で抑制
 ・東京ドーム 感染防止新技術 来月7、8日 巨人戦「観客8割」に
 ・「切り札」オバマ氏登壇 民主・コロナ対策、トランプ氏批判
 ・全日空 スリム化急ぐ 構造改革案 人件費・路線・機体数 見直し
 ・イオン、600億円調達へ 劣後ローン ネットスーパー強化
   傘下2社を経営統合 来年3月。
 ・「ウォルト」都内営業開始 フィンランド発 料理宅配
 ・経済転換 観光1⃣ 5月取扱額97%減 旅予約 デジタル化の波 
   店舗型岐路 企画力勝負へ
 ・【検証コロナ・次への備え】最終回 機能不全に陥った組織
   都知事の指示 通らず 医師職員と事務職 隔たり。
   国・都から「依頼」ばかり、特別区の保健所 忙殺。二重のルート 連携阻む。
   大阪府 先んじて広域対応 都、今月から新体制。
 ・スポーツ界 コロナとの闘い 五輪へ 選手守る知恵 飛沫シールド・握手禁止
   プロ野球 徐々に観客増・入場時検温 声出さず拍手、大相撲 出稽古禁止で予防
 ・重大いじめ 後絶たず コロナ関連事例 懸念 認知最多61万件
 ・国内617人感染 死者計11人
 ・コロナで休校 出社できず 親の休業助成 利用低調
 ・マスクやっぱり効果あり 河岡義裕・東大教授ら本物ウイルス使い実験
 ・長野 140億円財源不足見込み 来年度県予算 コロナ対策 支出かさむ
 ・長野 新たに20歳代男性と80歳代女性2人感染 軽症と無症状
 
10/24
 ・新型コロナ流行、北半球で重大な岐路に直面=WHO事務局長(Reuters)
   世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は23日、新型コロナウイルスの
  流行が特に北半球で重大な岐路に直面しているとの見方を示した。
   記者会見で「今後数カ月間、状況は非常に厳しいものとなり、一部の国々は危
  険な道をたどっている」と指摘。「さらなる不必要な死を防ぎ、必要不可欠な医
  療サービスの崩壊や学校の再閉鎖を防ぐために、指導者らが早急に行動を起こす
  ことが求められている」と述べた。
   その上で、検査体制を改善し、感染者の接触先を追跡するほか、ウイルスを拡
  散する恐れのある人を隔離することで、各国とも強制的な都市封鎖(ロックダウ
  ン)を回避することができるとした。
 ・年始休み「11日まで」 政府コロナ対策 帰省・初詣 分散 企業、自治体に要請へ
 ・最後の対決 今度は整然 米大統領選 コロナ・安保 違い鮮明
 ・感染警戒「5場面」分科会公表
   9月に発表した「7つの場面」の内容をさらに整理した。
 ・医療用手袋関税ゼロへ 政府検討
 ・【社説】米大統領選 やはりコロナが最大の争点だ
 ・中国往来再開「詰めの協議」 茂木外相
 ・首相、五輪準備の加速指示 推進本部 「コロナ勝った証しに」
 ・国連好感度 日本で急落 創設75年 コロナ対応後手
 ・レムデシビル正式承認 米食品医薬品局(FDA)
 ・三菱ジェット コロナ打撃 量産化凍結 6度延期 初号機遠く
 ・米航空3社 赤字計1兆円 7~9月期
 ・10月月例報告 「持ち直し」維持
 ・【経済転換 観光2⃣】宿泊・宴会「ダブルパンチ」 「旅館で仕事」普及に活路
 ・GoToイート 予約1000万人に達する
 ・コロナ下のドラフト 指名は個室で 抽選なら別室へ 選手会見も「制限」
 ・読売旅行 感染者14人に 北海道ツアー 軽症か無症状
 ・国内感染748人 死者12人
 ・療養ホテル外出 暴行容疑で逮捕 埼玉のペルー人
 ・「羽生展」収益 コロナ基金に
 ・政府コロナ対策 長い冬休み 歓迎と困惑 旅行客の予約増・授業遅れる
 ・新技術で感染予防 来月の東京D巨人戦 五輪・パラに活用
 ・長野 長野電鉄 長野線減便を検討 来春めど コロナで収入減影響
 ・長野 コロナ差別なくそう 上田市など宣言
 ・長野 長野の70代女性感染 軽症
 
10/25
 ・麻生氏「10万円給付分だけ貯金増えた」 効果を疑問視(朝日新聞社ネット)
   麻生太郎副総理兼財務相は24日、新型コロナウイルス対策の一環として国民
  1人あたり10万円を配った特別定額給付金について、「その分だけ(個人の)貯
  金が増えた」と述べ、消費を喚起する効果は限定的だったとの見方を示した。福
  岡市で開いた自身の政治資金パーティーで語った。
 ・コロナ拡大の岐路 青森 9日で4倍、福島 月100人超 クラスター 喫煙所・電話機でも
 ・【経済転換 観光3⃣】バス 団体客消え休廃110社 
   オンライン・バスツアー、送迎・・・復活探る
 ・ポーランド ドゥダ大統領が新型コロナ感染 体調は良好
 ・感染死者 公表に濃淡 遺族配慮か 啓発か 知事会「国は統一基準を」
 ・国内感染731人
 ・対コロナ 五輪へ司令塔 組織委設置へ 選手村には「発熱外来」「保健所」
 ・五輪チケット返金申請来月から
 ・長野 茅野の50代男性感染 軽症

 10/26 
 ・日航 850億円赤字見通し 7~9月期 4~6月期より縮小
 ・【社説】終電繰り上げ 乗客の利便性を損なわぬよう
 ・臨時国会 政府、法案最小限に コロナ・学術会議 論戦へ
 ・個人の景況感 低水準 09年以来
 ・米 副大統領補佐官新型コロナ陽性 ペンス氏、選挙活動継続
 ・都内感染者累計3万人 国内495人 死者は計6人
 ・民事裁判 ウェブ会議急増 迅速化 コロナ対策も
 ・長野 コロナ3人感染 軽井沢の30歳代と20歳代の女性、茅野市の未就学男児 いずれも軽症 

10/27
 ・日産 中国生産3割増 年180万台へ 新車需要急回復
 ・欧州「夜間外出禁止」拡大
   スペイン25日、ほぼ全土に「非常事態」再び。イタリア、フランスでも。
 ・コロナ禍 図書館「開館を」47%、反対50%
   本社世論調査 「人数制限」要望50%。
 ・「チケット割引」主催者を募集 GoToイベント
 ・「トラベル」大型連休まで GoTo 公明きょう首相に提言
 ・菅首相の所信表明演説 全文
   1.新型コロナウイルス対策と経済の両立
 ・外食売上高9月前年同月比14%減
 ・600億円調達 イオン発表 劣後ローン
 ・【経済転換 観光4⃣】訪日客減 地域に打撃 資源に付加価値 戦略必要
 ・報道と紙面を考える 第25回懇談会 「コロナ差別」に警鐘
 ・国内408人感染 死者8人
 
10/28
 ・ANA赤字最悪5100億円 21年3月期見通し 再建へ構造改革 新LCC運行計画
   拡大路線あだ。
 ・世界航空需要66%減 20年見通し 人員削減や破綻相次ぐ
 ・GoToトラベル延長へ 調整入り
 ・年末年始休暇「柔軟に」西村再生相、全閣僚に要請 文科相 学校冬休み延長求めず
 ・東京 3か月連続転出超過 総務省報告 コロナ拡大影響
 ・高校3年生に2万円 撤回 公明 自民内異論、協議難航
 ・中国 内需振興に課題 生産滞り 消費回復鈍く
 ・露 下院91議員コロナに感染
 ・独 与党党大会を延期 コロナ拡大受け発表
 ・日航、赤字転落見通し 再上場後初 国際線激減響く 21年3月期
 ・住宅ローン減税 2年延長必要 公明党税調会長・西田実仁氏
 ・JR東海 1000億円営業赤字 20年9月中間見通し 単独決算の開示後初
 ・元組員 給付金も詐取容疑 警視庁逮捕 指南役の男も
 ・給付金詐取容疑 新たに1人逮捕
 ・都内の感染確認 都外在住者が増 自費検査広がり
 ・都から転入 茨城人気 絶妙な距離感PR
 ・国内感染648人 死者5人
 ・コロナ下の初詣 寺社工夫 分散参拝・キャッシュレス賽銭・ライブ配信    
 ・長野 「信濃の国」で健康応援 上田・丸子中央病院 メッセージ動画作成

10/29
 ・コロナ 微増傾向続く 北海道、東北など 地方で集団感染 助言機関見解
 ・空港会社資金繰り支援 国交省 航空向け支援も拡充
 ・本会議場で登壇 マスク着用不要
 ・JR東・東海 初の赤字 21年3月期 コロナ 鉄道利用激減 固定費8割重荷
 ・ソニー最高益6928億円 巣ごもり ゲーム好調
 ・コロナ非常事態宣言 タイ7度目延長
 ・露 ラブロフ外相 感染者と接触で自主隔離措置
 ・武漢邦人退避 感謝状を授与 大使館、現地中国企業などに
 ・国会論戦 
   枝野幸男氏・・・消費税 時限的な減免必要
   野田聖子氏・・・GoTo 効果的に改良を
   泉健太氏・・・・PCR民間検査増やして
   首相答弁・・・・感染対策と経済活動両立
 ・東京3カ月連続転出超過 「3密」避け近隣県へ移住加速 
   転職、テレワーク不急背景・定着へ支援策必要
 ・地価 最大19%下落 路線価再調査 コロナ影響、補正は見送り
 ・コロナ専用病棟を持つ重点医療機関 全国899カ所に 病床計2万1405床確保
 ・国内感染729人 都内171人 死者5人
 ・北海道 警戒上げ 感染再拡大で
 ・自費検査機関 見比べて 厚労省リスト化、公表へ
 ・感染予防へ「10の知識」 厚労相まとめ 20代最多・死亡率1%など
 ・旅の都民割 予約殺到 GoTo併用実質無料も 中小業者恩恵薄く 各自治体で独自補助   
 ・長野 県職員ボーナス 引き下げを勧告 県人事院 民間企業のボーナス下げ受け
 ・長野 小諸の50代男性会社員感染 軽症

 ・Johns Hopkins Univ. 公表情報 世界と日本の累計感染者数推移


世界の累計感染者数推移 2020.10.29現在 


日本の累計感染者数推移 2020.10.29現在
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

空飛ぶ円盤

2020-10-23 00:00:00 | 日記
 今では未確認飛行物体・UFOという言葉が広く使われるようになっているが、私たちの世代の者には「空飛ぶ円盤」という言葉がなつかしい。

 ことし4月、米国国防総省がこれまで発表を控えてきた、海軍の飛行機が2004年と2015年に撮影したとする3つのUFO映像を公開し、8月には、このUFOについて、アメリカ軍の航空機などに危険を及ぼすおそれがあるとして、特別チームを設けて調査に乗り出すことになったとされる。

 日本でもこれを受けた形で、自衛隊の航空機などが、UFOなどに遭遇した際に備え、河野(前)防衛大臣が、防衛省・自衛隊に対し写真を撮影するなど記録に努めるとともに必要な分析を行うよう指示を出している。

 両国の関係者によると、こうした対応の背景には、これまでの航空機とは異なる飛び方をするドローンなどの使用が増えていることもあるとされているが、米国防総省といい日本の防衛省といい、その真意は一体どの辺にあるのかとつい思ってしまう。

 一方、地球上の敵対勢力が行う情報収集という現実的な内容、あるいは、地球外生命体の侵略に対する地球防衛といったSF的な内容とは別に、生命の起源という観点からすると、この宇宙のどこかに我々とは別の進化の道筋を辿ってきた知的生命体が存在するのだろうか、存在するとすればどのような生命か、地球上の生命と同様の遺伝子形態を持っているのだろうかといったことはおそらく多くの人が抱く大きな疑問であると思う。

 1972年、73年に相次いで打ち上げられた「パイオニア10号・11号」の世界初の深宇宙探査機の2機には、カール・セーガン博士が立案したという、我々から宇宙人へのメッセージが描かれた金属プレートが搭載された。いつの日かこのプレートが地球外知的生命体に発見された時のために、次の写真の様な地球人からのメッセージが刻まれていたことはご存知のことだろう。


パイオニア10号・11号に搭載されたカール・セーガン博士から宇宙人に向けてのメッセージ

 また、これとは別に、カール・セーガン博士は、1977年に打ち上げられたボイジャー1号と2号に、地球上の様々な自然や人間の生活の様子を撮影した115枚の画像、世界各国55の言語で語られたメッセージ(あいさつの言葉)、そしてベートーベンの楽曲も含む世界各地の音楽を収めたレコード・ディスクを搭載したとされている。

 茶目っ気たっぷりのカール・セーガン博士のアイデアとの見方もあるようだが、科学者の中には、この宇宙のどこかに地球人類とは別の知的生命体が存在するという確信を持っている人が意外に多くいるような気もする。

 一体、いつ頃からこうした宇宙空間における生命の誕生という純粋科学の話と、UFOとが結び付けて考えられるようになったのだろうか。

 古いおとぎ話には竹取物語などがあるが、そうした空想上の話はべつにして、宇宙人がこの地球にやってきているのかもしれないという現実的な情報が一般市民レベルで広まったのは、第二次大戦後になってからのことではないかと思うのだが。

 先日、2年前に亡くなった母の遺品整理のために実家に出かけたが、そこで母方の祖父が書き残したいくつかの書類の中に、「怪奇 空飛ぶ円盤」と書かれたものを見つけた。

 昭和27年(1952年)8月に書かれたものであるが、まだ物のない当時、祖父はちり紙20枚に筆でこれを書き、二つ折りにして丁寧にこよりで綴じている。

 内容は、当時大阪新聞に掲載された「有るか無いか?空飛ぶ円盤 二割は依然として謎 信じられぬ新兵器 遊星説」という表題の新聞記事をそのまま書き写したと思えるもので、これに簡単な本人の感想が付されている。




祖父が書き残した文書の表紙(上)と、大阪新聞の記事であると記したページ(中)および記事を引用したページ(下)の写真

 一部、虫食いと思われる欠損個所もあるが、当時の大阪新聞が、主に米国発のこの空飛ぶ円盤のニュースをどのように伝えていたのか、また特に科学的な知識を持っていなかったはずの祖父が、その記事を読みどのように感じていたかが伝わってくるので、なかなか興味深い。

 大阪新聞社は今はもうないが、産経新聞社との関係が深かったとされているので、その知的財産部門に連絡を取り、当時の原本を見ることが出来るかどうか訊ねて見たが、残念ながらもう見ることは出来ないとの回答であった。

 原本との比較ができないので、どこまで忠実に当時の新聞記事を書き写したか確認することはできないが、産経新聞社・知的財産部門の特別の了解を得たので、ここにそのまま写し記しておこうと思う。原文は段落がなく読みにくいが、判る範囲で文章の間隔はとった。碩定(ひろさだ)は祖父の名前である。

 「昭和27年8月
   怪奇 空飛ぶ円盤
       大阪新聞記事から
             喜寿老 碩定識之 
 
 以下の新聞記事を読んで如何にも怪奇のことと考へ 一応予て研究した物の理といふ立場から勘察してみたが、国より確的な判断を下し得ないのが当然である 果して今専門業界の権威者達が如何なる解明を与えられるか暫く之を静観することにせん
 想ふに之れは尋常一様の現象ではない 進路の方向を転換したり飛行機を追跡したりすることは意識のある操縦者がなくては行ひ難き所為であると断することが出来る 故に例證(五)に示された他の遊星に住む人間が?怪物に乗組みて操縦してゐるものと推察し得る 殊に其人間は目下解剖に付して研究中であるといふ点から考へても想像するに難くないが 一面科学の立場から考察すると?想像も当を得たものといふことは出来ない
 斯く観察すると 何れが是か非か全く五里霧中に迷はされるが 要するに専門家の解明を俟ち而して後に更らに自己の推察を披瀝することにせん
                              昭和27年8月25日
                                  碩定 識

昭和廿七年八月廿五日
  大阪新聞紙上に記されたる
  有るか無いか?空飛ぶ園盤
  二割は依然として謎
  信じられぬ新兵器
     遊星説
  と題された記事を抄写する

 『戦後の世界に於ける謎の中の謎《空飛ぶ園盤》の正体についてはここ数年間天文学 航空気象その他科学会の権威者の厳密な調査によってその多くは解決された しかし今日なお解けぬ秘密が残ってゐる そのため人々の好奇心と学術上の疑問はいやが上にもあおり立てられ 日々到来する外電はこの怪奇な現象をさまざまに報してゐる 長足の進歩発達をとげたといわれる近代科学にもまだ手の届かぬ未知の世界がある 原子にからまる神秘 地球周辺の大気圏
 空の上層圏の諸現象などをはじめ専門の科学者さえも頭をひねる謎は依然として謎である
 だからこそ専門の知識をもたぬ大方の人々にとってはこの《空飛ぶ園盤》なるものは鉄のカーテンの奥深く秘められているソ連の正体と同しく《神秘の中に包まれた謎の中のまた謎》として人々の好奇心に油をそそぐ むし暑い夏のある夕べ記者はヴェランダの長椅子に黄色に澄んだ大空にきらめく星を仰ぎ見ながら この空飛ぶ謎に?する色々な情報観?風説研究その他を復習してみる
次はそのあらまし-

 《空飛ぶ園盤》の総称でよばれる怪物については報道も千差萬別である 電光石火の超高速のものもあり 大空に気球の如く浮揚するものあり 人間の視界を一閃して忽ち闇暗中に消え失せるものあり 人目にうつる其現象は主観もまじって區々である その報道も千種万態一読して抱腹絶倒のものあり ハテなと科学者の眉を寄せるものあり アッと驚かせて即刻化けの皮の剥げるものありといった有様だ 次にその代表的な若干礼を掲げる
(一)一九四七年六月廿四日 米の西部ロッキー山脈の西方アイダホ州首都ボイセの
   民間飛行家ケンネス・アーノルド氏がチヱハリスから隣州ワシントンのヤキマ
   に飛行中 自機から約廿五里の空中を金属製の光り輝くコップの受皿のような
   形をした物体が九個 時速約千二百哩の高速度をもった雁行のような対角線を
   なした州境の高山脈の峰々の間を見えつ隠れつ飛んでいったのを機上から目撃
   した
(二)一九四七年七月十日 米国一流の天文学者が家族を自家用に乗せてニューメキ
   シコ州を旅行中 午後五時少し前 西方の空に怪しい雲海を認めると 間もな
   く輪郭のはっきりした楕円型の硬質で?星ぐらいの白色の光りを放つ物体が雲
   の中でうようよと揺り動いているのを目撃した この物体は自発光を持ってい
   るとの強い印象をうけた
(三)一九四九年四月廿四日 米国海軍研究所の航空技師の一行が ニューメキシコ
   州アレー付近で観測気球を上げて宇宙線その他の専門研究中 チャルスムーア
   技師は気球の動く上空の反対の方向に気球よりもはるかに大型の楕円形の白い
   物体を発見した その怪物は長さが百フィートで幅の二倍半一捗時間七哩とい
   ふ非常な高速度で上空まで飛んで消え失せた
(四)一九五十年四月 米国ラジオ解説者ヘンリーライラ―氏は 北米上空に現われ
   た《空飛ぶ園盤》は 実は米国の発明による二種類の秘密兵器で その一つは
   本物の空飛ぶ園盤で 音をたてて空中を飛び 空中で停止する事もでき 三万
   フィートの高空に舞ひ上ったり 千フィートまで急降下した 普通は空中で分
   解する 直径二百五十フィートのこの無人操縦の園盤は これまで三年間空中
   に出没していた もう一つの物体は《空飛ぶ幻影》と呼ばれる噴射推進機であ
   ると報じた
(五)一九五十年一月三日 戦時中の英国従軍記者フレッチャーブニット氏は 科学
   雑誌主催の会合で 《空飛ぶ園盤》は人間の想像ではなく他の遊星からの訪問
   者であると次のように述べた 『信すべき筋によれば米国政府当局の収容した
   《空飛ぶ園盤》の一つには乗組員が乗っていて その全員が死亡していた こ
   れ等乗組員は円盤が地球周辺を含む大気圏内に入ったき死亡したもので 空気
   の圧力が彼等にとって致命的であることが証明された 死体は目下解剖に付し
   研究中であるが この遊星からの旅行者達は身長一メートルに足りない不思議
   な生物である(ニューヨーク発AFP)
(六)南イタリアのメッシナ海峡の上空を二つの園盤が飛んでいくのを二十四日夜数
   百人の人が目撃した またオーストリアの首都ウィーン来電によれば 同地上
   空高く 銀色に輝く園盤が西方に飛び去るのを二名の警官がみた(パリ発
   AFP)
(七)一九五十年三月十七日 米国ニューメキシコ州ファーミングドンの上空を  
   十七日の白昼《空飛ぶ園盤》が集団飛行しているのを民間飛行家実業家たちが
   目撃した
(八)一九五十年三月廿五日 スペイン新聞マドリード紙は 廿五日 ヒトラーは死
   んだと見せかけて実は 科学者達とヒマラヤ山中深く身をひそめており そこ
   から世界中に《空飛ぶ園盤》を操作してゐるのだと空飛ぶ園盤をめくるナゾの
   新説を掲げてゐる
(九)一九五一年十一月二日 この夜 米国アリゾナ州の上空を西から東の方に向か
   って 月よりも大きくまた数倍も輝かしい緑色の玉が 弾丸の如き高速力で飛
   んだ その銀の光玉は地面と平行してふっ飛んだかと思うと 恐ろしい目も眩
   むほどの光を激発して爆発したが 全然音響は聞かれなかった
(十)一九五二年一月廿九日 朝鮮戦乱で活躍中のB29一機が 東海岸の元山上空を
   約二百マイルの時速で飛行中 高度約二万フィートのところで怪しい物体に追
   いかけられた それは直径約三フィート円形で 光沢のあるダイダイ色物体そ
   のものが呼吸しているかに見え また地球の如く回転しながらB29を追ってき
   たが 約五分の後急速でB29の前方に抜け出し それから鋭角度で飛び去った
    その夜他の飛行機の乗組員も 同じ物体に追われた
 
  光線のいたずら? 科学者は解決可能と断

 以上は《空飛ぶ園盤》に関する諸説紛々の文字通りの若干例 一九四七年アイダホ州のアーノルド氏の発見以来 米国空軍に報告された真面目な報告件数だけでも実に千五百件 欧州、アジア、アフリカ、中南米、豪州でも目撃者は決して少なくない
 米国空軍当局は 航空界の発展如何と鵜の目鷹の目の専門家を動員して究明に努めた結果 千五百件の内その八割は天然現象であることを学術的に確かめたし 残りの二割即ち三百件はまだ解決を見ず科学者にも依然として神秘の謎に包まれてるが 其解決は不可能でないと専門学者は断言している 
 千二百件の報告がどうして天然現象と分かったか その天然現象とはどんなものかこれまで傳へられた空の怪奇は圓盤といっても種々雑多で その形はコーヒーカップの受皿ような園盤 平面園盤 真ん丸い球 葉巻型円筒型などがある 共通点とみられる点は
(一)発光体 光線反射体といずれも強く光り輝く点
(二)圓盤と葉巻の相違は別としてまるみのある点
(三)高速度で飛ぶ点
(四)空中に於ける活動性が自由自在の点(時速一千哩の高速飛行中急に直角に転進するものも見られた)
(五)大体レーダー電波の反応がある点

 以上のような共通現象を見るが 科学的立場から考えて到底あり得ない事情も若干ある即ち
  • 秒速七哩の超高速度で空中を飛行中 急に直角に上昇したり転進したりできる物体は自然界にも科学界にもない まして高速飛行中その後方に水蒸気の飛ぶことなど現在科学知識では不可能である
  • もしかかる高速物に人間が乗つているとすれば 直角上昇と転進の際の衝撃のため体は粉砕されてしまう
  • 米国西南部でみられた緑色の発光体については 大流星だったとの説もあるが 大流星は普通緑色ではない この発光体は無音響飛行といわれたが 大流星は普通貨物列車ほどの音響をたてる
  • 想像を逞しくして かかる空中の怪奇飛行体はソ連の秘密兵器かと疑ってみても自己の軍機を護ること鉄のカーテンよりもかたいソ連が想定敵国の?国その他の西欧諸国の領空??ばせるような秘密漏洩の危険を冒すはずはない

    蜃気楼 気球の錯覚
 前記のような科学的究明によって《空飛ぶ園盤》の秘密には逐次解答が與へられて来たが 確実に天然現象と判定されたものに関する科学者の説明を各方面から収集した資料に懲して総合すると 光線は元来無類の曲物である 空での発見も往々光線の作り出す化物がある 地球上の空気の温度が低く約一哩上空の空気がより高温である場合に不夜城のような市街の燈火を四五十哩離れたところからみると その一部??のまま成層圏をつきぬけた上?へいってしまうが 一部は地面に向って反射する その際空中は輝く?点が現れるこれが よく光る園盤とか光る玉と誤認されるのである
 上空の模様を観測するために気象専門家は温度計 晴雨計 風速計その他を装置した幾つかの気球を綱でつないで空高く浮揚する これが高空に達すると気球の関係から半月形や雁行形になる また夜間に揚げる場合には地上から観望できるように燈火をつける 九つの輝く皿のよう??の編隊をみたといふのは??した気球をみての錯覚だと科学の権威筋は断定している

  残る科学者の疑問

 米国空軍の空の怪奇物調査主任官ロージャー・レーミー少将は 過去数年来の厳密な科学的調査の結果 別世界から来る空間船とか現在未知の誘導式の飛行機や弾丸は存在せぬと確信し 空の園盤は物質的形体ではないと断言している しかし他方著名な航空力学者 他の専門家権威者はこの空の怪奇がどこから発生するか高速の動力源がどこにあるか なぜ音もなく超高速で飛ぶか ??があるとすればそれは一体??の等々の今日の科学では割り切れぬ疑問をいだいてその解明につとめている』」

 引用は以上だが、私の歳もこの大阪新聞の記事を書き写した時の祖父の年齢に近くなった。さて、1952年に大阪新聞の記者がまとめたこの記事の内容と現代とではどれほどの進展が、「空飛ぶ円盤」に関してあるのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナウィルス情報(27)10/16-10/22

2020-10-22 12:00:00 | 新型コロナウィルス
 特に断りの無いものは読売新聞からの情報。

10/16
 ・レムデシビル「死亡率の改善効果ほぼなし」WHOが発表(朝日新聞社)  
   新型コロナウイルスの治療薬として日本で特例承認され、米トランプ大統領も
  っていた抗ウイルス薬の「レムデシビル」について、世界保健機関(WHO)は
  15日、「死亡率を改善する効果はほとんどない」という暫定結果を発表した。
   WHOは、既存薬が新型コロナに効くかどうかを試す「連帯治験」という国際
  協力の枠組みを使って調べた。30カ国の405の病院で計1万1266人の成人が無作
  為に選ばれ、薬を使う人と、使わない人の死亡率の違いを見た。その結果、レム
  デシビルについては死亡率改善や入院期間短縮に、「ほとんど効果がない」とし
  た。
   レムデシビルはエボラ出血熱の治療薬を目指して開発され、日本では5月にコ
  ロナ初の治療薬として「特例」として認められた。
 ・コロナ対策 「夜の街」重点検査有効 政府 球場8割入場実験へ
 ・西武HD 800億円資本増へ みずほ・政投銀に「優先株」
   頼みの観光 低迷 コロナ禍 回復見通せず 西武HDの事業は新型コロナの影響を
  受けやすい。
 ・イベント緩和 五輪へ布石 球場8割入場実験 
   応援 飛沫調査/アプリで感染者情報
 ・割引制限 ポイントで還元 GoToトラベル 差額やキャンセル料
 ・パリ 夜間外出禁止 欧州規制強化 コロナ感染再拡大
 ・露 ワクチン 第2弾(2番目)承認 第1弾と同じく、臨床試験の最終段階経ず
 ・最貧国の債務削減 示唆 G20 財務相会議 返済猶予 半年延長
 ・住居給付金 申請10万件超 支給決定 リーマン時の3倍
 ・都内284人感染 死者は2人 全国704人  
 ・長野 諏訪湖初日の出号 中止 元旦恒例の遊覧船 新型コロナ影響

10/17
 ・新米価格 6年ぶり下落 供給過剰も コロナ禍 外食需要低迷
 ・訪日客「2030年6000万人」 観光回復 計画策定へ 首相表明 
 ・「高校3年生に2万円」検討 浪人生も 与党協議 公明提案
 ・初詣など 感染対策検討 再生相
 ・コロナ自主隔離 免除措置を開始 米ハワイ州
 ・高校生 就活スタート コロナで1か月遅れ 求人10年ぶり減
 ・アビガン治療薬申請 来月にも承認か 富士フィルム・富山化学
 ・レムデシビル「死亡率改善効果ほぼない」 WHO臨床試験を公表
 ・国内感染624人 死者15人 東京184人新規感染
 ・呼気で感染検査 東北大・島津製作所開発 PCRと同程度の精度 1年以内確立目指す
 ・コロナ差別相談窓口 設置8割の都道府県   
 ・長野 諏訪の宿 県民向け割引 1人1泊2000円(上限2泊)の割引 来年1~3月
 ・長野 温泉街立て直し急務 千曲市長選 あす告示 コロナで客足減
 ・長野 佐久の3人感染 80歳代女性、50歳代医療従事者男女計3人 3人は同居で軽症
 
10/18
 ・送別 コロナ対策の下 中曽根氏合同葬 「ロン・ヤス」シーンなど上映
 ・米ワクチン 大統領選後 ファイザー 申請 来月後半以降に
 ・コロナワクチン 大規模接種へ体制作り 人手確保・安定供給に課題
   政府 法改正へ・主体は市町村・10種最終段階。
   情報提供丁寧に 「国民の納得」欠かせず。
 ・【コロナと自殺増】 命救う対策と実態調査を急げ
 ・米財政赤字330兆円 20年度 コロナ対策で最悪
 ・NZ議会選 与党圧勝 単独過半数 コロナ対策に支持
 ・トランプ陣営陣営 感染研所長ファウチ氏を政治利用 過去発言 選挙広告に
 ・クラスター防止 集団検査 早め早め 
   学校 1人感染で全員・福祉施設 感染なしでも。
 ・自宅療養に食事配達 保健所
 ・都内235人確認 国内624人 死者6人
 ・長野 新たに長野市の20~60代女性コ3人コロナ感染
   うち1人 同居人が再発か いずれも軽症。
  
10/19
 ・大学対面授業「再開を」7割 
 ・【広告】新型コロナ超入門-次波を乗り切る正しい知識-水谷哲也著、
      免疫 第6版 矢田純一著 東京化学同人発行
 ・「ミシガン知事を収監だ」 トランプ氏、選挙集会で発言
   ミシガンでは厳しい新型コロナ対策がとられている。
 ・政府コロナ対応「評価」56% 本社世論調査 GoTo適切48%
 ・強まる節約 値下げ次々 コロナ 小売り各社幅広く値下げの動き
   競争加速ならデフレ懸念、現金給付・GoTo 消費下支え期待
 ・就職機会の長期化 要請へ 文科省 コロナ影響回避
 ・欧州閣僚ら相次ぎ感染 ベルギー・オーストリア外相陽性 
 ・疫病退散 心でワッショイ 浅草・三社祭 トラックに神輿・ルート非公開
   オンライン祭り 各地で 
 ・国内感染431人 死者4人

10/20
 ・日中ビジネス往来再開へ 週内にも合意 景気回復を後押し
 ・【検証コロナ・次への備え】「第2波」歌舞伎町に前兆
   「夜の街」防げなかった感染拡大 国・都・区に不協和音
   実態把握・現場支援 遅れ、3者に異なる権限、役割分担が不明確 罰則・補償 法的根拠なく
 ・【広告】ここまでわかった新型コロナ 上久保康彦・小川榮太郎著 ワック発行
 ・【社説】欧州コロナ急増 限定的規制の効果が試される
 ・供給網 拠点分散へ 国内・東南アジアへ 中国依存脱却 政府が支援 マスク不足を反省
 ・輸出額 大幅持ち直し 9月4.9%減 米中向け車が回復 貿易統計
 ・百貨店 予約・ネットに活路 コロナ禍 催事に頼れず 自分のために買う「自家需要」増やす
 ・中国、対ASEAN活発 ワクチンや経済支援 南シナ海 対立国は警戒感
 ・大相撲11月場所 溜席の一部解禁 観客上限緩和
 ・高校サッカー12月31日開幕
 ・大相撲来場所 観客5000人上限
 ・国内感染318人 死者は2人 東京都は78人感染
 ・GoTo商店街スタート 買い物客戻ってきて 食べ歩き動画・イベント充実
   支援金で活動サポート
 ・長野 奈良・京都へVR修学旅行 上田の中学校 「想像よりリアル」
 ・長野 長野市役所内のコロナ対策強化 検温など
 ・長野 経済成長率 マイナス5.9% 今年度試算 来年度はプラス予想

10/21
 ・日・インドネシア 中国念頭に安保強化 首脳合意 コロナ 500億円借款
 ・米大統領選 フロリダ 高齢者「トランプ離れ」 発端は新型コロナウイルス感染拡大
   コロナ軽視に不信感。「子や孫に責任」バイデン支持に。
 ・「トラベル」利用2518万人 GoTo9月末 補助金1099億円
 ・民間PCR実態把握へ 厚労省
 ・住宅着工 コロナ追い打ち 消費増税から低迷続き 今年度「リーマン」下回る可能性
 ・マンション1万戸割れ 上半期首都圏 新築発売 過去最少
 ・ワクチン試験 国内開始 ファイザー、160人対象
 ・国内483人感染
 ・長野 知事 上田の繁華街視察 感染対策状況など確認
 ・長野 高校生 県社協に手作りの防護服 150枚贈呈
  
10/22
 ・滞在72時間以内 入国容認へ ビジネス目的 14日の待機免除
   中韓など対象 来月にも 政府調整
 ・終電最大37分繰り上げ JR東 首都圏17路線 来春 
   賛否 「不便」、「働き方見直せる」
 ・首相外遊 感染対策を徹底 握手なし お辞儀で返礼
 ・【検証コロナ・次への備え】「HER-SYS」導入 感染者情報共有 壁高く
   個人データ「ネット経由」難色、自治体システムと互換性なし、アナログ限
  界、厚労省に焦り、重症者定義 国・都で違い、効果的な運用急務。
 ・WHO・WTO改革停滞 欧州、トランプ政権と溝 バイデン氏当選なら強調
 ・ウイルス投与試験へ 英政府・英大学インペリアル・カレッジ・ロンドン 来年1月
 ・宅配・持ち帰り特化店 続々 コロナ 外食業態見直し
 ・コロナ対策 効果を点検 日銀審議委員
 ・全日空赤字5000億円見通し 21年3月期 旅客数回復見通せず
 ・キャセイ航空 5900人を削減へ
 ・9月訪日客 99.4%減
 ・国勢調査 コロナ解答「非接触型」広がる ネット・郵送回答率81.3%
 ・読売北海道旅行ツアー 3人感染 41人参加バス周遊 健康シート見落とす
 ・8月 中高生の自殺前年同月比2倍の58人 コロナ禍影響か 
 ・長野 佐久の20代学生・女性が感染 軽症 せきや味覚・嗅覚障害で受診後判明

 ・Johns Hopkins Univ. 公表情報 世界と日本の累計感染者数推移


世界の累計感染者数推移 2020.10.22現在 


日本の累計感染者数推移 2020.10.22現在
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・新型コロナウイルス(1)ファクターX

2020-10-16 00:00:00 | 新型コロナウィルス
 以前、新型コロナウイルスを話題にし、5回にわたりその状況についての感想を書いてからすでに半年が過ぎた。この間、これまで新型コロナウイルス関連の新聞情報だけは毎週ピックアップし記録として残してきた。こうでもしておかなければ、目まぐるしく変わる状況を忘れてしまいがちになると思ったからである。また、4月以前の古い新聞情報も、遡って半月あるいは1か月ごとにまとめてアップしておいた。
 それにしても、今年は時の過ぎる速さが例年とは違ってとても速く感じられる。

 コロナ騒動が始まる少し前から始め、初夏の頃まで毎朝散歩に出かけていた雲場池では、暖かくなるにつれて次第に水鳥をはじめとした野鳥の姿が消えていき、写真撮影の楽しみも減ってきたこともあって、夏の間はほとんど出かけなくなっていた。

 先日、そろそろ雲場池の紅葉が気になり始め、久しぶりに早朝の散歩に出かけてみたところ、全体としてはまだ紅葉までにはもう少し時間がかかると思われたが、池の入り口付近にある1本のモミジだけが美しく色づいていて、私同様散歩に来ていた人たちの目を楽しませていた。鳥の鳴き声が聞こえたので、近くに寄ってみると、ちょうどシジュウカラが枝に止まっていた。

 昨年までと同じように、もうすぐまた雲場池に水鳥が渡ってくる季節になったという実感がわいてくるのであるが、この10カ月弱の間に世の中はすっかり変わってしまった。果たしてこれからどうなっていくのか。コロナは終息に向かうのだろうか。



少し色づき始めた雲場池周辺の木々(2020.10.7 撮影)


紅葉した雲場池入り口のモミジにやってきたシジュウカラ(2020.10.7 撮影)

 以前「新型コロナウイルス」というタイトルで最後に書いたのは、安倍首相が緊急事態宣言を発令した後の4月14日であった。都市封鎖などを行っている欧米各国に比べると、緩やかな日本型の取り組みがどのような結果に導くか、それを見守っていきたいと思っていたのであったが、その後の推移をここで改めて見ておくと、すでにご存じの通りで、5月4日の時点で一旦緊急事態宣言の期間が5月31日まで延長されたが、その後も「医療崩壊」を起こすことなく、発令およそ1か月後の5月14日には東京・大阪など8都道府県を除いた39県の緊急事態宣言は解除され、その後5月21日には全国でも解除された。
 日々報道されていた新規感染者数も6月7日前後には底を打つ状態にまで改善した。

 しかし、予想されたことではあったが、規制が解除され、生活が元に戻るにつれて感染者数は再び増加に転じた。この間の感染者数の推移は次のようである。


日本の新型コロナ感染者発生数(上)と累計数(下)(Johns Hopkins 大 2020.10.10情報)

 現在はこの第2波とみられている感染のピークを過ぎ、日々の新規感染者数が500人~600人前後と、だらだらとした発生が続いているところであり、第2波での感染者数のピーク、累計感染者数は第1波を上回っている。

 第1波の際のピーク時の1日の感染者数は4月11日に720人、6月7日までの累計感染者数は17,216人であった。
 一方、第2波のピーク時8月7日の1日の感染者数は1,605人と第1波の約2倍、6月8日以降10月10日時点までの累計感染者数は71,158人と第1波の約4倍と大きなものになっている。

 ただ、これらの公表数字には、額面通り受け止めるべきではないという意見がある。この間にPCR検査数が伸びてきているので、検査数を増やせば陽性者数が増えるのは当然だといった議論である。検査数の増加は、マスメディアはじめ安倍首相からも出されていたPCR検査数を増やすべき、との声に押された結果とみられる。

 実際、4月11日のPCR検査数は7,614件であったが、8月7日には28,378件と3.4倍になっている。この間検査陽性率は(感染者=陽性者として)9.5%から5.7%へと低下していて、これは検査対象者の条件をより緩めて、対応している結果とみられるが、これをどう見ればいいのか。

 疑問の声が出る背景にはPCR検査自体の問題点を指摘するものもあって、以前これについては紹介したことがある(2020.3.31 公開本ブログ参照)。その当時PCR検査の感度と特異度は専門家の意見を参考にすると、それぞれ60%~80%、80%~99%とされていたのであるが、特異度が100%でない以上、どうしても偽陽性者で出てしまう。問題は今回の一連の検査結果の中にどれくらいの偽陽性者が、さらには偽陰性者が含まれているかである。 

 直感的には判りにくい数値なので計算する必要があるが、今回は、感度と特異度をそれぞれ80%、99%と仮定して、改めて4月11日と8月7日の検査結果から実際の状況を計算により推測すると、下表の結果を得る。赤字が公表数値、それ以外は計算による推測値である。
 次の表は前回示した、用語の説明であるが再掲しておく。

ウィルス感染検査における各用語のまとめ(筆者作成)


4月11日と8月7日のPCR検査結果から推定される偽陽性者数と偽陰性者の人数(感度=80%、特異度=99%と仮定して筆者推定)

 特異度が99%であったとして、8月7日のPCR検査結果は、表に示すように236人の偽陽性者を含む可能性があることになる。発表された感染者1605人の約15%に相当する。特異度が計算に使用した99%を下回る何らかの要因があれば、偽陽性者数は当然さらに増大する。

 逆に、設定した感度の低さから、偽陽性者数236人を上回る偽陰性者342人が出ることになり、計算では実際の感染者数は検査陽性者数1605人を上回る1711人という結果になる。

 最近の専門医からの情報では、特異度は99.9%以上、限りなく100%に近いとの意見も見られるが、実際のところどうだろうか。PCR検査法が余りに高感度であり、新型コロナウイルスに暴露したが、発症していない人まで、陽性すなわち感染として判定するのではないかという疑念は捨てきれない、そういう見方をしている人もいるということだと思う。

 一方、PCR検査を厳しく批判する人の中にはPCR検査は全く信用できないとの意見の人もいる。非常に高感度であることとは別に、PCR検査で使用している新型コロナウイルスの遺伝子情報そのものに疑念があるというのがその根拠とされているが、我々素人には詳細が分からず、この件に関しては判断のしようがない。
 
 こうしたこともあって、感染者数ではなく、重症者数や死亡者数を追跡すべきとの意見が出てくるのであるが、公表されている死亡者数を見ると次のようである。


日本の新型コロナ死者発生数(上)と累計数(下)(Johns Hopkins 大 2020.10.10情報)

 7月10日頃から始まる第2波の死者数は第1波に比べてピーク時の一日あたりでも、累計数においても、感染者数が増加しているのにもかかわらず減少傾向にある。

 具体的に見ると、第1波におけるピーク時の1日の死亡者数は5月2日で31人であり、7月9日のボトムまでの累計死亡者数は982人であった。また、第2波における同様の死亡者数のピークは8月28日の20人であり、7月10日から10月9日現在までの累計死亡者数は643人である。

 この数字から致死率を単純計算すると第1波で5.7%、第2波で0.9%という数字になる。第1波、第2波を合わせると、10月9日時点で公表されている数値に基づいた致死率は1.8%である。

 この間の致死率の大きな変化をみると、やはり偽陽性者が増えたのではと思いたくなるが、そうともいえない要因が指摘されていて、この間に医療態勢の拡充や治療方法の進展があったことも大きいとの説明もなされている。

 他方、季節性インフルエンザの致死率が約0.1%であることを考えると、新型コロナウイルスの脅威はやはり大きく、感染拡大を抑えることの重要性が理解される。
 目下、今後予想される第3波への警戒と共に、インフルエンザとの同時流行が懸念されることから、10月1日からスタートしたインフルエンザワクチン接種が勧められている。

 直近までの状況をざっと見たが、第1波が収束した時点で、日本における感染者数、死亡者数を、海外の数字と比較すると、日本(だけではないが)の感染者数と死亡者数の少なさが際立っていて、その理由に関心が集まったことがあった。こうした状況は、その後も現在まで続いていて議論もまた継続しているので、これを見ておこうと思う。

 状況をより正確に見るためには感染者と死亡者の実数を見るのではなく、各国の人口を加味して判断しなければならない。

 次の図は札幌医科大学が公表している、人口100万人あたりの新型コロナウイルス感染者数と死亡者数の推移(国別)を示す図である。

 この図からも判るように、日本の第1波が収束した6月中旬時点における状況を欧米と比較すると、日本の累計感染者数、累計死亡者数がそれぞれ100万人当たりに換算して、約140人、7人であるのに対し、欧米の数字は、それぞれ、約2,300~6,000人、40~600人であり、日本の感染者数、死亡者数は共に欧米に比較し10分の1から100分の1程度と、その違いは歴然としている。


人口100万人あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移(札幌医科大学のHPのデータを基に追記)


人口100万人あたりの新型コロナウイルス死亡者数の推移(札幌医科大学HPのデータを基に追記)

 この欧米と日本との大きな差が、第1波が収束を見せた時点で話題になったのであるが、その代表例として京都大学の山中伸弥教授が、新型コロナウイルス感染症に関する情報を公開しているサイトに記した「ファクターX」という言葉がある。

 山中教授は、新型コロナウイルスへの感染対策について「日本の対策は世界の中でも緩い方に分類されます。しかし、感染者の広がりは世界の中でも遅いと思います。何故でしょうか?? たまたまスピードが遅いだけで、これから急速に感染が増大するのでしょうか?それとも、これまで感染拡大が遅かったのは、何か理由があるのでしょうか?」と投げかけたのであった。

 その上で、「私は、何か理由があるはずと仮説し、それをファクターXと呼んでいます。ファクターXを明らかにできれば、今後の対策戦略に活かすことが出来るはずです」と感染拡大や死者の数が海外の他の国と比べて抑えられているとされる現状には何らかの要因があるとの見解を示し、それを「ファクターX」と名付けていると説明した。

 山中教授は「ファクターX」となる候補として、以下を挙げた。

 1⃣ 感染拡大の徹底的なクラスター対応の効果
 2⃣ マスク着用や毎日の入浴などの高い衛生意識
 3⃣ ハグや握手、大声での会話などが少ない生活文化
 4⃣ 日本人の遺伝的要因
 5⃣ BCG接種など、何らかの公衆衛生政策の影響
 6⃣ 2020年1月までの、何らかのウイルス感染の影響
 7⃣ ウイルスの遺伝子変異の影響

 この中で、1⃣は今回の専門家会議の指導により政府が採った方策であり、安倍首相もこの点を強調していたし、専門家会議の尾身氏も記者会見で、要因として1⃣、2⃣、3⃣を取り上げていた。
 このうち、2⃣、3⃣は日本の生活習慣に関するもので、麻生副総理が6月4日、参院財務委員会で、発言し批判を浴びたとされる『国民の民度のレベルの違い』にもつながる項目である。

 5⃣のBCG接種の有無については、世界規模でもこれを支持する多くの議論があり、BCG接種を行っている国では、国民が新型コロナウイルスに対する免疫を持っているのではないかとの仮説が出された。そこでこれを受けて、オーストラリアでは3月下旬に、新たにBCG接種を行う計画があるとの報道も見られた。また、同様の試みは、オランダ、ドイツ、英国を含むいくつかの他の国でも検討されたとのことである。

 最近 4⃣について、沖縄科学技術大学院大学から興味深い発表がなされた。一部を紹介すると、次のようである。
「新型コロナの重症化はネアンデルタール人から受け継いだ。
 新型ウイルスSARS-CoV-2は、2019年末に初めて確認されてから、感染した人々にさまざまな影響を与えています。このウイルスが引き起こす新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症すると、重症化して入院が必要になる人がいる一方で、症状が軽い人や無症状で済む人もいます。
 年齢や持病の有無など、重篤な反応を起こしやすいかどうかに影響を与える要因はいくつかあります。遺伝的要因も影響を与えることがわかっており、数ヶ月前に発表されたCOVID-19ホストジェネティクスイニシアチブによる研究では、3番染色体のある領域の遺伝子多様体(バリアント)が、重症化リスクを高めることが示されました。
 そしてこの度、国際科学雑誌ネイチャー誌に掲載された新たな研究では、この遺伝子領域が南欧で発見された5万年前のネアンデルタール人のものとほぼ同じであることがわかりました。さらなる解析で、これらのバリアントは約6万年前にネアンデルタール人との交配によって現代人の祖先に渡ったことも明らかになりました。
 沖縄科学技術大学院大学(OIST)のヒト進化ゲノミクスユニットを率いるスバンテ・ペーボ教授は、『ネアンデルタール人から受け継いだ遺伝的遺産が、現在のパンデミックの中でこのような悲劇的な結果をもたらしていることは衝撃的です』と述べています。」

 遺伝子解析で、今回の新型コロナ感染に伴う重症化と、現代の人種間でのネアンデルタール人由来の遺伝子の多寡との間に相関があるとの研究発表で、壮大な話である。
 
 もう一つ6⃣、7⃣に関する興味深い研究発表が行われているので、見ておこうと思う。

 先ず 6⃣については「交差免疫」の存在が何人かの研究者から指摘された。これについては6月4日の新聞紙上でも報道されたので、当ブログでもピックアップしたことがある(新型コロナウィルス情報(7)5/29-6/4 参照)。

 その時の新聞の見出しは次のようであった。
「アジア少ない死者 日本100万人に7人 山中教授が『ファクターX』と呼ぶ要因か
 習慣・遺伝 決め手欠く 厳しい規制、BCG、人種の違い・・交差免疫説が急浮上:過去の弱毒型流行で新型に対する抗体?」

 交差免疫とは、新型コロナウイルスとよく似たウイルス、例えば普通の風邪の原因とされるコロナウイルスなどに感染し、免疫(T細胞免疫)を獲得すると、その効果が新型コロナウイルスにも及び、感染を防止できるというものである。

 T細胞免疫や抗体などの獲得免疫は、感染した細菌やウイルスなどの抗原に1対1に対応しているものと思っていたが、類似ウイルスなどにはある程度の幅をもち効果を発揮するようである。

 さらに、この交差免疫と新型コロナウイルス自体の変異とを結びつけた、より踏み込んだ説も登場している。YouTubeでも数回にわたり報道され(*1)、これを受けてTVのワイドショウでも取り上げられた(*2)ものであるが、10月2日にはその内容をまとめた本が出版されている。「ここまでわかった 新型コロナ」(上久保靖彦、小川榮太郎著 2020.10.2 ワック発行)である。

            https://youtu.be/CxPyM47fBNk

 内容は、研究論文として、すでに2020年3月19日と4月15日に「Nature」に、3月22日に「medRxiv」に、3月24日に「NEJM」に、5月2日に「Cambridge open Engage」に投稿されたものということであるが、要点は次のようなものである。

1.世界中でモニタリングされている、インフルエンザの流行カーブを示すデータに
  異常が見られた。
2.これは、コロナのウイルス干渉でインフルエンザが激減したものとみられる。
  コロナに感染した人はインフルエンザに感染できないからである。
3.上記解析と新型コロナウイルスの変異(スパイク部)の解析により、日本には、
  昨年からタイプの異なる2種類の弱毒型の新型コロナウイルス(S型、K型:発表
  者である上久保教授らの命名)が、中国人によりもたらされていたと考えられ
  た。
4.今年3月に、中国から強毒型に変異した新型コロナウイルス(武漢G型)がもた
  らされたが、すでに主としてK型のコロナウイルスで獲得していた免疫(交差免
  疫)により、日本では武漢G型は多くの感染者を出すことがなかった。
5.現在、日本人の多くはS型、K型、武漢G型の新型コロナウイルスにすでに感染
  し、集団免疫を獲得した状態にある。
6.ヨーロッパの多くの国では、都市封鎖を行ったため、S型は入ったが、K型は阻
  止されていた。そこに武漢G型が侵入し、更にこれが変異した欧米G型への感染
  が起きた。
7.S型に感染した後、K型をスキップした状態で、更にG型に感染するとADE(抗体
  依存性感染増強)という現象が起きる。これは本来、ウイルスなどから体を守る
  はずの抗体が、免疫細胞へのウイルス感染を逆に促進してしまう恐ろしい現象。
  ヨーロッパでの感染拡大と重症化はこのADEのためと考えられる。
8.5月に行われ、8月に記者発表された村上康文・東京理科大教授の抗体定量検査結
  果によると、首都圏約382人の検体をサンプルに使用して、IgM、IgG抗体を調べ
  た結果では、ほとんどの検体でIgMとIgGが同時に上がっており、既感染パターン
  、すなわち既に免疫を獲得した状態、とみることが出来る。この結果は上久保教
  授らの「集団免疫」獲得説を支持している。
といった内容である。
 日本が、ヨーロッパとは異なり、初期に厳密な中国からの入国規制を行わなかったことが幸いしたという、怪我の功名ともいうべき結果ということになる。
 ここで示されたように、日本人がすでに「集団免疫」を獲得しているとすれば、今後の新型コロナへの対応策は大きく変更を迫られる内容であり、ぜひ政府にも確認してもらいたいものである。
 
 「ファクターX」を説明する説が複数提示された現状だが、実際にはこうしたいくつかの要因が複雑に絡み合っていることも考えられる。これらを受けて、今後政府の新型コロナ対策はどうなっていくか。第1波以降、現在まで続いている、日本の少ない被害状況が今後も維持されてゆくのかどうか、期待を込めて見守るしかないのであるが、そろそろ年内には何らかの結果が出てもよさそうに思える。

 そして、来年以降に向けた新たな新型コロナ対策が政府から提示され、改めて「経済崩壊」と「医療崩壊」の両方を見据えた取り組みが行われることを期待したいと思うのである。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする